子宮頸がんとは?

子宮頸がんとは子宮頸部といわれる子宮の出口に発生する癌。ほとんどの場合、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスに長期間持続感染することが原因とされている。HPVは性交渉で感染する(性器挿入だけではなく粘膜同士、粘膜と手等の接触でもごく稀に感染する)と考えられており、一度でも性交渉がある女性はHPVの感染の可能生があります。この感染リスクはコンドームの利用やパートナーの固定で下げることができます。
HPVは数多くのタイプが存在しますが、その中で癌へ発展する可能性の高いものを高リスクHPVと呼び、それらはHPV-16とその類縁型(31, 33, 35, 52 and 58)、もしくは、HPV-18とその類縁型 (39, 45, 59 and 68)が関係している。

【参考】
ウイルス 第 58 巻 第 2 号,pp.141-154,2008
「ヒトパピローマウイルスによる発がんの分子機構」
温川恭至, 清野透(国立がんセンター研究所・ウイルス部)
図2 α-HPV属の分子系統樹とリスク分類

女性の80%がこの高リスクHPVに一生のうち一度はかかるといわれている。ほとんどの場合免疫により自然にHPVは消滅する。しかし、免疫により自然消滅したとしても、体内にHPVに対する十分な抵抗力(免疫)が確立されることが少なく、繰り返し感染する可能性が高いといわれています。
高リスクHPVに感染した女性のうち約10%が持続感染へと発展し、平均で10年以上の後そのうちの1%未満の人が癌へと移行する。
ウイルスが原因の癌であるためワクチンで予防ができるまれにみる癌である。
ただし、ワクチン接種のみで安心することなく、定期健診を確実に継続することも重要です。

検診とワクチン接種の組み合わせで初めて予防・早期発見が可能となります。



HPVの型は100種類以上あり、子宮頸がんの原因となる型は、世界的には約70%がHPV-16/18型であり、次いでHPV-31/45型が多い。日本においては調査した対象によりかなり幅があるが女性の67.2%〜89.3%がHPVに感染しており、その感染者中の型の割合はHPV-16/18型が28.4%〜86.9%、HPV-31/45型が0.0%〜7.2%という調査結果がある。



この内容は次の論文を元に作成しました。
BJC(Britsh Jounal of Cancer) 2003 January 13; 88(1): 63–73
Human papillomavirus types in invasive cervical cancer worldwide: a meta-analysis
最終更新:2011年09月19日 06:25
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