365 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/26(日) 11:51:21.97 ID:3X0XKwgN0 [1/3]
>>22の『ヒツジは家に』の続きです。
52スレ目618の神絵画やこのスレの>>37さんや>>44さんのコメントをネタにさせて頂きました。
SS『ヒツジのことがネズミ』
(『ヒツジは家に』の続編です)
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あいつのことだから全く判っていないし、これからも気付くことはないって判りきっているけど。
あたしってば随分と大胆なことを言っちゃったし。
あたしと添い寝すればいいとか、いっそのことあたしを抱き枕にすればいい――とか。
まあでも“ヒツジ”の意味が判らなければ、大胆すぎるその言葉の意味が伝わるはずはないんだから心配する必要はないけどさ。
でも、もしも。
“ヒツジ”の意味がバレたら、その後に言っちゃった爆弾発言の意味もバレてしまうわよね。
『あんたの“ヒツジ”はそのうち“家”になるんだから抱きしめて寝てもいいのよ』
あうっ――我ながら超恥ずいっ。
絶対に気付かないよね?
もしもあいつがその言葉の意味するところを知ってしまったら、恥ずかしさのあまり国外脱出しちゃうかも。
まあ、もしもあたしが逃げ出しても、またあいつが追いかけて来てくれるのは判ってるけどさ。
それこそ地球の裏側だろうが、かぐや姫の子孫が住む月の世界だろうが、遥か彼方のイトカワだろうが絶対に迎えに来てくれる。
だってあたしが傍にいないと、あいつは淋しくて死んでしまうらしいから。
それはそうと、あいつどこまで行ったんだろ。
ちょっと散歩してくるって言ったきりで連絡もないし。
愛しい妹をほったらかしにして良いと思ってんのかしら。
――って、まさかあいつ、マザー牧場行って羊を貰ってきたりしないわよね。
うっ、本物のヒツジを抱き締めて心地良さそうに寝ているあいつの姿を想像しちゃった。
仕方ないからあたしも一緒に寝かせて貰おうかな。
――と、お馬鹿な妄想をしていたその時だった。
「あれ? メールだ。誰だろ」
マナーモードにしていた携帯が机の上でぶるぶると震えてメールの着信を知らせてくれた。
――って、あいつからじゃん。
ちっ、マナーモードを解除しておけば良かったかも。
そしたら着信音で『妹が大ッッ好きだぁぁぁ』ってあいつの声が聞けたのに。
へへ、後から再生しちゃおうかな。あいつが帰ってくる前に。
でもその前にメールをチェックしておかないと。
なんだろ、帰りが遅くなるとか。まさかね。
『今夜から“ヒツジ”を抱き枕にして寝るぞ。文句は言わせないからそのつもりでいろ』
――って、ええええええっ?!
ば、バレた?!
判っちゃった?
知っちゃったの?
まさかまさか、まさか。
『“ヒツジ”はそのうち“家”になるんだから、問題ないよな』
問題大有りじゃんっ!
ええと、お気に入りのパンツはどこに仕舞ったっけ?
いやいやその前にお風呂に入って念入りに――って、あれ?
まだメールの文面に続きが。
『そうさ、ヒツジのことがネズミなんだから、問題ないさ』
ヒツジのことが、ネズミ?
――ええと、それって。
思考回路がどうにか戻ってきたのはたぶん5分か10分後ぐらい。
枕を抱えながら、しばらくベッドの上でごろごろと転がっていた自分を誰にも見られずに済んだのは幸いだと思う。
それはさておいて。
とりあえず今夜はお風呂に2回入ろっと。
-おわり-
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最終更新:2011年06月30日 00:19