マラソンの成績

栗城は2014年のいびがわマラソン(岐阜県揖斐川町)と2016年のホノルルマラソンに出走している。いずれもフルマラソン(42.195km)であり、いびがわマラソンは途中でリタイヤ、ホノルルマラソンは6時間台で完走している。

ホノルルマラソン(2016年)

2016年ホノルルマラソンのエキスポ・ステージプログラムの催し物として行われたトークショーに登場。当初はこれだけと思われていたが、数日後の成績発表において12月11日に行われた本大会にランナーとして出場していたことが明らかになった。
なお、栗城公式サイトでは、チームクリキメンバー同士の交流行事の一つとしてマラソン大会の出場が掲げられていたが、他のチームメンバーの出走があったかどうかは不明である。

ホノルルマラソンは、日本国内のマラソン大会のように区間ごとおよびゴールでの制限時間(いわゆる足切りタイム)が設定されていないため、どれだけ時間がかかっても自らリタイヤしない限り完走することが可能である(参考:Wikipedia)。ホノルルマラソン公式サイトに掲示された栗城の成績は以下の通りであった。


Place 11857 (順位)
Name Nobukazu Kuriki
Time 6:38:09
5KM 34:51  (8.6km/h)
10KM 1:07:12 (9.3km/h)
15KM 1:46:54 (7.6km/h)
21KM 2:48:18 (5.9km/h)
25KM 3:44:39 (4.3km/h)
30KM 4:33:26 (6.1km/h)
40KM 6:17:45 (5.8km/h)

Category M30-34 (性別年齢カテゴリー)
Category Place 793/981 (カテゴリー内の順位)
GenderPlace 7018/8783 (男性内での順位)


ところが、この成績が2ch本スレに貼られ拡散されるや否や、ホノルルマラソン公式サイトにおける栗城のタイムが非表示になってしまった。栗城側から申し入れがあったのかどうかは不明。ただ、ただし、出走者向けの写真サービス魚拓)は、その後しばらく閲覧可能であり*1、ゴール時の写真の時計からも栗城のタイムが6時間台であることがはっきりわかる。*2*3

ゴール時の様子

出走者向けの写真サービス(MarathonFoto

MarathonFotoのキャプチャ画像
↓上記サイトにある写真
ゴールゲートに表示されているタイムに注目

出走者向けの写真サービス(オールスポーツ

オールスポーツのサイト
↓上記サイトにある写真
ゴールゲートに表示されているタイムに注目

ホノルルマラソン公式YouTube動画


6:00:00~7:00:00のタイムのゴール地点の様子(44分29秒あたりから、一旦コース脇に寄ってゲートの陰に隠れているのが栗城)

タイムについて


記録を見ると、10kmまでは快調だったもののそれ以降は早歩きのレベルにまで落ちてしまっている。最初からファンランに徹していたわけでなく、スタミナ切れや足の痛みなどによりペースが落ちたという可能性が高い。
実際、栗城は個人のFacebookにて次のような投稿をしている(メンバー限定公開エントリ)。

ちなみに。。ホノルルマラソンも走りましたが、膝めっちゃ痛かったです。。
フルを走るチームクリキの皆さんすごいなー。

ちなみに、日本国内のマラソン大会における制限時間は、
であり、栗城のペースでは完走できるか否かギリギリのレベルである。また、途中のチェックポイントにおける「足切り」も考えれば、完走することすら厳しかったかもしれない。

参考までに著名人のフルマラソンのタイムがどの程度かというと…

名前 タイム 大会名 備考
松村邦洋 6時間51分40秒 2008年ゴールドコーストマラソン タレント。東京マラソン2009では心肺停止を起こし死にかけている
(栗城史多) 6時間44分 2016年ホノルルマラソン (参考)
堀江貴文 4時間34分55秒 2016年東京マラソン 実業家
東国原英夫 3時間42分 2009年東京マラソン 「そのまんま東」で活動していたタレント。元宮崎県知事
山中伸弥 3時間44分42秒 2016年京都マラソン ノーベル賞受賞の生化学者。京都大学iPS細胞研究所所長
服部文祥 3時間23分6秒 2004年かすみがうらマラソン 登山家・編集者。第三者による評価も参照
長谷川理恵 3時間31分 2014年東京マラソン モデル
望月将悟 3時間6分16秒 2015年東京マラソン TJAR四連覇の消防士・山岳救助隊員。
Ueli Steck 2時間59分 2016年ニューヨークシティマラソン ヨーロッパアルプス三大北壁スピード登頂、ヒマラヤ単独登攀で知られるスイスの登山家

「登山家」を名乗る者として資質を疑われてしまうようなタイムであると言わざるを得ない。もちろん、ある競技で優秀な成績を収めるアスリートが他の競技ではからっきしダメ、というのは珍しい話ではないが、登山には富士登山競争長谷川恒男カップ(ハセツネカップ)トランスジャパンアルプス(TJAR)などといった山岳レース大会があるほか、プロのマラソンランナーの中にはトレイルランニングやクロスカントリーなど山岳スポーツをトレーニングメニューに取り入れている者も少なくないなど、登山とマラソンとの関係は決して浅くない。

特に通常キャンプを設営するところを飛ばしてスピードアタックをするようなタクティクスを取るケース(それでこそ栗城がよく行っていた登山スタイル)では、スピードと持久力がことさら要求されるわけだが、フルマラソンのタイムがスポーツを生業としない人間にすら劣っていた点を考えれば、そのような戦術を取るに十分な体力があったか、あるいは普段きちんと体力をつけるためのトレーニングを積んでいたかが、限りなく疑わしいことがあからさまになったと考えるべきだろう。

なお、栗城自身何度か富士山を五合目から2時間程度でスピード登頂していることをツイッターで吹聴しているが、富士登山競争で二年連続で優勝*5している松本翔のフルマラソンのベストタイムは2時間13分である。

そのほか

ホノルルマラソンに参加して偶然栗城と会った人のブログ

最後の数キロ地点で見たことのある後ろ姿
追いついて顔を見ると登山家の栗城さん
苦しそうに走っているところに、「帯広のたい焼き屋だけど覚えてる?」と質問
嬉しいことに覚えてくれてました^_^

http://ameblo.jp/taka-happy/entry-12232863904.html
リンク先にはゴールの写真等もある


いびがわマラソン(2014年)

なお、生前本人は明らかにしていなかったが、2014年11月9日に行われたいびがわマラソンでは33km時点でリタイアしたという(後述)。33.9km関門で4時間30分の制限時間が設定されており、「足切り」になったと思われる。

氏名: 栗城 史多
ナンバー:14648
種目:フルマラソン男子30歳代
計測ポイント スプリット ラップ
Start 0:03:04
5k 00:35:45 0:32:41
10k 01:07:03 0:31:18
15k 01:43:20 0:36:17
20k 02:22:20 0:39:00
21.0975k 02:30:42
25k 03:06:37 0:44:17
30k 03:56:19 0:49:42

10km以降ラップタイムが落ち続けており、これも「ファンランに徹したためのタイム」ではないことが推察される(そもそもこのマラソンは抽選制で、ハーフ部門やウォーキング部門も開催されているので、遊びならばそちらに出ればよいのである)。

中日新聞 2018年11月12日 夕刊
 いびがわマラソン(岐阜県揖斐川町、中日新聞社、西濃地区陸上競技協会主催)が十一日、同町で開かれた。今年五月にエベレストで滑落し、三十五歳で亡くなった登山家栗城史多(くりきのぶかず)さんを追悼するチームが出場。栗城さんは二〇一四年に出場したが三十三キロ地点でリタイアしており、チーム代表の大坪聖志(まさし)さん(43)=保険代理店役員、岐阜市=は「三十三キロ地点の先、彼が見られなかった景色をみんなで見たい」と思いを込めた。

記事中では33キロ地点で「靴が合わずに足を止めた」とされている。

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最終更新:2022年09月27日 20:14

*1 ビブナンバーで検索できる日本向けの写真サービスサイトではしばらく後に検索除外申請があったらしく、写真そのものは閲覧可能ではあったもののビブナンバーからは検索できなくなった。参照(栗城のビブナンバー746) なお、写真そのものが削除されないのはホノルルマラソンの出場に際し、レース中の音声、写真、映像などが事務局や協会のプロモーション活動等に無償で使用されることに対する権利放棄の同意書に署名する必要があるためと思われる。権利放棄と責任免除の同意書

*2 ゴールゲートの電光掲示板に表示されている時間はグロスタイム(号砲が鳴ってからのタイム)。参加者の多いマラソン大会ではスタートラインに到着するまで時間がかかるため、ネットタイム(スタートラインを通過してからのタイム)とずれが生じる

*3 なお、Kuriki姓の人物がもう一人出走しており、栗城とほぼ同じネットタイムで完走しているが、偶然タイムが同じだっただけの無関係な人物と判明している(出発時間がずれており、コース上では栗城の方が常に5分~20分ほど先行している。ビブ番号もまったく異なる。)

*4 第6回以降は開催されず、後継のイベントとして「さいたまランフェス」が毎年開催されている。

*5 2016年は悪天候のため五合目で打ち切り