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「FFC農法」(2010/12/07 (火) 14:20:50) の最新版変更点
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*FFC農法
**FFC農法とは何か?
北海道の方から、「FFC農法の農家に会って『びっくり』したので、検証して欲しい」とのリクエストをメールでいただいたので、検証してみます。
FFC(農法)については、おそらく[[アカツカグループのサイト>http://www.akatsuka.co.jp/ffc/index.html]]における説明が、正式なものと考えられます。
上記のページには、
>FFCとはアカツカグループが「生物の機能を高める」と認めたものの総称です。
とあり、また、
>FFCとは特殊な鉄分、Ferrous(フェラス)Ferric(フェリック)Chloride(クロライド)に由来しています。
>生命の誕生や進化に関わった太古の水、植物の光合成、自然界で浄化される水の循環機構、土壌中の物質循環などの総合的な研究からFFCが生まれました。
と説明されています。
Ferrous(フェラス)Ferric(フェリック)Chloride(クロライド)(以下FFC)とありますが、Ferrous Chlorideは塩化鉄(Ⅱ)、Ferric Chlorideは塩化鉄(Ⅲ)のことです。どちらも自然界にごくありふれて存在しますし、「特殊な鉄分」とは言えないと思います。
また、「アカツカグループが認めたものの総称」と言いつつ、何を「認めた」のか明らかにされていません。
さらに、同じページには、FFCテクノロジーの3つの特徴として、
>1 生物の機能や活性を高め、酸化や腐敗を抑制する。
>2 水と土壌を改良し、自然界の物質循環を円滑にし、環境を改善する。
>3 水を活性化し、ミネラルや栄養分の吸収を助ける。
との説明があります。
このうち、1番については明らかに矛盾があります。生物の機能や活性が高まるということは、普通は活動量が増えることを指しますから、必要なエネルギーも増加します。一般的な生物にとってのエネルギー獲得方法の多くは酸化反応ですから、酸化が抑制される環境ではエネルギー獲得が進まず、活性が高まるとは思えません。
**FFC農法とは何か?-具体的な説明はあるのか?
上記のページだけでは、FFC農法とはどんな農法かについて判断することができないので、アカツカグループのサイト内にある別ページも見てみました。
関連がありそうなページについて、順に検証してみます。
***1 [[FFC誕生物語>http://www.akatsuka.co.jp/ffc/tanjou/index.html]]
「第一部 FFCパイロゲン誕生秘話」と称して、パイロゲンなるものの生い立ちをマンガで紹介しています(第二部以降は見つけられませんでしたが)。その紹介によると、
>1982年コスタリカから輸入したドラセナが腐りかけた時に、ある特殊な水を使い蘇らせることができました。そこから水の研究が始まり、1985年に超微量の鉄分の技術を確立。そして体に良い酢とビタミン等を配合し、FFCパイロゲンが誕生したのです。
とのことです。
また、マンガの説明中にも、「活性作用のある特殊な水(鉄分の働き)」とありますので、水に特殊性を求めているのがわかります。
しかし、どのように「特殊」なのかは相変わらず謎のままです。「超微量の鉄分の技術」とありますが、どのような鉄分が、どの程度入っているのかわからなければ、追試もできません。
なお、パイロゲンの製品情報は、パイロゲンを普及(販売?)しているFFC普及会の[[パイロゲン>http://www.cattleya-kai.jp/ippan/c3a.html]]のページにあります。
他ページではモンドセレクション最高金賞受賞と紹介されているので、食品としての評価は高いと言えるでしょう。
ただ一方で、表記されている成分の最後に「その他天然ミネラルウォーター」とあるのですが、「活性作用のある特殊な水」はどこにいったのでしょう?この成分を見る限り、農林水産物の生育に関しては、一般的な食酢以上の効果がどの程度あるのか不明ですが。
***2 [[その他のFFC資材>http://www.akatsuka.co.jp/ffc/products/business.html]]
上記ページには、「業務用」と称しているFFC資材が紹介されています。内容は、
>-業務用元始活水器:大量の水を瞬時にFFCウォーターに。経済を潤す安全・安心な生産のために使用。さらに職場環境や自然環境までもが改善の方向に。
>-FFCセラミックスシステム:受水タンク設置タイプ。タンクの大きさや1日の使用量に応じて対応するFFCセラミックスシステム。大かがりな工事を必要としませんので簡単に導入可能です。
>-FFCエース:ありとあらゆる作物の土壌に少量混入し、灌水するだけで生命力あふれる土壌環境に蘇ります。
>-FFCミネラル:水産、畜産の飼料に少量混ぜて与えれば、魚や家畜が元気に育ちます。
となっています。
「FFCウォーター」という言葉が始めて出てきますが、「活水器あるいはセラミックスに通水した水」という意味であると思います。ただし、自然環境はともかく、活水器で改善する「職場環境」とはいったい何なのか、激しく謎ですが。
また、FFC普及会の[[元始活水器>http://www.cattleya-kai.jp/ippan/c3d.html]]の紹介ページでは、
>水道管の元に取り付けると、お使いになるすべての水は蘇生力が高められたFFCの情報をもった水に変わり、健康づくりや地球環境の改善に役立ちます。
と紹介されていますが、「蘇生力」とはどのような効果をもたらすか明らかにされていませんし、「情報をもった水」という表現も意味不明です。活水器を通水することにより、水に何らかの変化がもたらされるのであれば、最も有力なのは化学成分の増減だと思いますので、検証は可能と思いますが、それ以外のミラクルな効果をうたうのであれば、信憑性は著しく低下します。
**結論
以上の情報から類推するに、FFC農法とは上記のいずれかの資材を利用、あるいはその組み合わせによる農法であると考えられます。「アカツカグループが認め」る限りにおいては、その定義で構わないと思います。
ただし、それぞれの資材の効果については、成分や使用方法、他資材との比較実験結果が明らかにされない限り、判断を保留します。少なくとも、現時点では「活水器」に関する説明が謎だらけです。
**余談;FFCとパイウォーターの共通点?
ところで、塩化鉄の特殊な効果をうたう活水器、あるいはその活水器によってつくった水というと、「パイウォーター」というものがあります。FFCとパイウォーターとの間に明確な関係が認められるわけではありませんが、水の効果の説明には似通っている部分(酸化を抑制等)がありますし、パイウォーターはFFCセラミックスを使用している(FFCの元始活水器にも使用)とのことですから、同等の効果が発現するものと考えられます。(もし明らかに異なる情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、お知らせいただきたく存じます)
パイウォーターに関する解説は、水商売ウォッチングの[[パイネットへのコメント>http://atom11.phys.ocha.ac.jp/wwatch/pi/comment_pi_02.html]]が参考になると思います。
(すでに元サイトは閉鎖されてしまったようですが、主張内容が大きく変わっているわけではないと考えられます。)
注意:このページの内容は、2007年12月9日時点の情報に基づいて記載しています。現時点ではリンク切れ、リンク先の内容の更新等が発生している場合があります。随時確認のうえ更新しますので、ご了承願います。
*FFC農法
**FFC農法とは何か?
北海道の方から、「FFC農法の農家に会って『びっくり』したので、検証して欲しい」とのリクエストをメールでいただいたので、検証してみます。
FFC(農法)については、おそらく[[アカツカグループのサイト>http://www.akatsuka.co.jp/ffc/index.html]]における説明が、正式なものと考えられます。
上記のページには、
>FFCとはアカツカグループが「生物の機能を高める」と認めたものの総称です。
とあり、また、
>FFCとは特殊な鉄分、Ferrous(フェラス)Ferric(フェリック)Chloride(クロライド)に由来しています。
>生命の誕生や進化に関わった太古の水、植物の光合成、自然界で浄化される水の循環機構、土壌中の物質循環などの総合的な研究からFFCが生まれました。
と説明されています。
Ferrous(フェラス)Ferric(フェリック)Chloride(クロライド)(以下FFC)とありますが、Ferrous Chlorideは塩化鉄(Ⅱ)、Ferric Chlorideは塩化鉄(Ⅲ)のことです。どちらも自然界にごくありふれて存在しますし、「特殊な鉄分」とは言えないと思います。
また、「アカツカグループが認めたものの総称」と言いつつ、何を「認めた」のか明らかにされていません。
さらに、同じページには、FFCテクノロジーの3つの特徴として、
>1 生物の機能や活性を高め、酸化や腐敗を抑制する。
>2 水と土壌を改良し、自然界の物質循環を円滑にし、環境を改善する。
>3 水を活性化し、ミネラルや栄養分の吸収を助ける。
との説明があります。
このうち、1番については明らかに矛盾があります。生物の機能や活性が高まるということは、普通は活動量が増えることを指しますから、必要なエネルギーも増加します。一般的な生物にとってのエネルギー獲得方法の多くは酸化反応ですから、酸化が抑制される環境ではエネルギー獲得が進まず、活性が高まるとは思えません。
**FFC農法とは何か?-具体的な説明はあるのか?
上記のページだけでは、FFC農法とはどんな農法かについて判断することができないので、アカツカグループのサイト内にある別ページも見てみました。
関連がありそうなページについて、順に検証してみます。
***1 [[FFC誕生物語>http://www.akatsuka.co.jp/ffc/tanjou/index.html]]
「第一部 FFCパイロゲン誕生秘話」と称して、パイロゲンなるものの生い立ちをマンガで紹介しています(第二部以降は見つけられませんでしたが)。その紹介によると、
>1982年コスタリカから輸入したドラセナが腐りかけた時に、ある特殊な水を使い蘇らせることができました。そこから水の研究が始まり、1985年に超微量の鉄分の技術を確立。そして体に良い酢とビタミン等を配合し、FFCパイロゲンが誕生したのです。
とのことです。
また、マンガの説明中にも、「活性作用のある特殊な水(鉄分の働き)」とありますので、水に特殊性を求めているのがわかります。
しかし、どのように「特殊」なのかは相変わらず謎のままです。「超微量の鉄分の技術」とありますが、どのような鉄分が、どの程度入っているのかわからなければ、追試もできません。
なお、パイロゲンの製品情報は、パイロゲンを普及(販売?)しているFFC普及会の[[パイロゲン>http://www.cattleya-kai.jp/ippan/c3a.html]]のページにあります。
他ページではモンドセレクション最高金賞受賞と紹介されているので、食品としての評価は高いと言えるでしょう。
ただ一方で、表記されている成分の最後に「その他天然ミネラルウォーター」とあるのですが、「活性作用のある特殊な水」はどこにいったのでしょう?この成分を見る限り、農林水産物の生育に関しては、一般的な食酢以上の効果がどの程度あるのか不明ですが。
***2 [[その他のFFC資材>http://www.akatsuka.co.jp/ffc/products/business.html]]
上記ページには、「業務用」と称しているFFC資材が紹介されています。内容は、
>-業務用元始活水器:大量の水を瞬時にFFCウォーターに。経済を潤す安全・安心な生産のために使用。さらに職場環境や自然環境までもが改善の方向に。
>-FFCセラミックスシステム:受水タンク設置タイプ。タンクの大きさや1日の使用量に応じて対応するFFCセラミックスシステム。大かがりな工事を必要としませんので簡単に導入可能です。
>-FFCエース:ありとあらゆる作物の土壌に少量混入し、灌水するだけで生命力あふれる土壌環境に蘇ります。
>-FFCミネラル:水産、畜産の飼料に少量混ぜて与えれば、魚や家畜が元気に育ちます。
となっています。
「FFCウォーター」という言葉が始めて出てきますが、「活水器あるいはセラミックスに通水した水」という意味であると思います。ただし、自然環境はともかく、活水器で改善する「職場環境」とはいったい何なのか、激しく謎ですが。
また、FFC普及会の[[元始活水器>http://www.cattleya-kai.jp/ippan/c3d.html]]の紹介ページでは、
>水道管の元に取り付けると、お使いになるすべての水は蘇生力が高められたFFCの情報をもった水に変わり、健康づくりや地球環境の改善に役立ちます。
と紹介されていますが、「蘇生力」とはどのような効果をもたらすか明らかにされていませんし、「情報をもった水」という表現も意味不明です。活水器を通水することにより、水に何らかの変化がもたらされるのであれば、最も有力なのは化学成分の増減だと思いますので、検証は可能と思いますが、それ以外のミラクルな効果をうたうのであれば、信憑性は著しく低下します。
**結論
以上の情報から類推するに、FFC農法とは上記のいずれかの資材を利用、あるいはその組み合わせによる農法であると考えられます。「アカツカグループが認め」る限りにおいては、その定義で構わないと思います。
ただし、それぞれの資材の効果については、成分や使用方法、他資材との比較実験結果が明らかにされない限り、判断を保留します。少なくとも、現時点では「活水器」に関する説明が謎だらけです。
**余談;FFCとパイウォーターの共通点?
ところで、塩化鉄の特殊な効果をうたう活水器、あるいはその活水器によってつくった水というと、「パイウォーター」というものがあります。FFCとパイウォーターとの間に明確な関係が認められるわけではありませんが、水の効果の説明には似通っている部分(酸化を抑制等)がありますし、パイウォーターはFFCセラミックスを使用している(FFCの元始活水器にも使用)とのことですから、同等の効果が発現するものと考えられます。(もし明らかに異なる情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、お知らせいただきたく存じます)
パイウォーターに関する解説は、水商売ウォッチングの[[パイネットへのコメント>http://atom11.phys.ocha.ac.jp/wwatch/pi/comment_pi_02.html]]が参考になると思います。
(すでに元サイトは閉鎖されてしまったようですが、主張内容が大きく変わっているわけではないと考えられます。)