ピロール農法

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*ピロール農法 **ピロール農法-ピロール資材とは、何から出来ている? <p>ピロール農法とは、<a href="http://www.pyrrol.com/pyrrol.html" target="_blank">公 式ページらしきもの(連絡先:ピロール農法研究所)</a>によると、</p> <div>「ピロール資材」というものを田や畑に散布することにより、らん藻を大量に繁殖させ、その働きにより、おいしくしかも栄養価の高い作物を収穫す ることができるのです。<br> </div> <p>とあります。<br> しかし、肝心の「<font style="font-weight: bold;" size="+2">ピロール資材</font>」が何からできて いるものなのか、ということについては<font style="font-weight: bold;" size="+2">一切情報が掲載されてお りません</font>。<br> また、「ピロール資材」が「らん藻を大量に繁殖」させるメカニズムについても触れられていませんし、ピロール資材を施用した場合としない場合の比較データ も示されていないので、「<font style="font-weight: bold;" size="+2">ピロール資材によりらん藻が繁殖する のか</font>どうか」について は、<font style="font-weight: bold;" size="+2">肯定も否定もできない</font>状況です。<br> もっとも、ピロール農法研究所に問い合わせようにも、</p> <div>農家(お客様)からは、田畑の土を送付していただき、弊社で試験(色素判定・目で確認できます。分析機器は、いっさい使わなくてよいのです。) それに応じたピロール資材をお送りしますから、農家(お客様)も効くか効かないかの心配がありません。</div> <p>とありますので、「定まった成分のものはありません」とか「企業秘密なので教えられません」とかの回答が帰ってきそうですが。</p> <h2>検証1-らん藻はどんな効果があるのか?</h2> <p>らん藻の効果については、下記の記述があります。</p> <div>「らん藻」は光合成微生物であり、酸素と栄養素を根や他の微生物に与えるのと同時に、さらに、農薬やトリハロメタン、ダイオキシンをも分解す る、といった 働きもあります。<br> このため、ピロール作物は残留農薬が検出されないという特徴があります。</div> <p>農薬は通常、使用基準を厳守していれば、作物か ら残留 農薬が検出されることはないはずです。<br> ですから、<font style="font-weight: bold;" size="+2">作物から残留農薬が検出されない</font>こと をもって、<font style="font-weight: bold;" size="+2">ピロールの効果と言えるかどうかはわかりません</font>。<br> よって、表記の効能を確認するのであれば、あえて残留する条件で農薬を使用し、かつ、らん藻のあるなしで対照試験を行う必要があると考えますが、それらの 分析データについては触れられていない ようです。</p> <p>なお、らん藻が光合成微生物であることと、窒素固定を行うことができるので、他の作物や微生物に窒素栄養を与えることができるという記述は概ね正し いと考えられますが、<font style="font-weight: bold;" size="+2">らん藻が大量に繁殖するためには、 湿気の多い環境が必要</font>ですので、水田はともかく、必ずしも一般的な作物の生育に適した条件とは言い難いと考えられます。<br> </p> <h2>検証2-ピロール作物の栄養価は高いのか?</h2> <p>続いて、ピロール作物の特徴の記述を見ると、</p> <div>ピロール農作物にはビタミンB12が含まれます。</div> <p>とあり、さらに</p> <div>ビタミンB12は、悪性貧血を予防することから発見された水溶性のビタミンで、「赤いビタミン」「造血ビタミン」「コバラミン」とも呼ばれま す。<br> 葉酸と一緒になってヘモグロビンの合成を助けてくれます。<br> また、葉酸はビタミンCが無いと体の中で利用されません。(葉酸はビタミンCによってテトラヒドロ葉酸という活性型になって始めて働くことができます。)</div> <p>とあります。<br> ビタミンB12は動物性食品にしか含まれないというのが通説ですが、ピロール茶には多く含まれるそうです。<br> しかしながら、酒井理化学研究所(福井県;ピロール農法関係の書物を発刊している酒井弥氏主宰)の分析結果によると、ピロール茶のビタミンB12の含有量 は0.01μg/100gとのこと。<br> お茶はティースプーン1杯で約2.5g。成人男女の一日所要量が2.4μgと言われますから、<font style="font-weight: bold;" size="+2">仮に1日100杯お茶を飲んでも、所要量の1%にも足りませ ん</font>。<br> この程度で「多く含まれる」と表現するのはいかがなものかと思います。<br> ちなみに、ビタミンB12は、通常はよっぽどの偏食(例えば完全菜食主義、海藻なし)でもしない限り不足することはないそうです。<br> あと、この際葉酸とビタミンCの記述は全く関連性が無いように感じられます。</p> <p>また、</p> <div>ピロール農法で作られた作物は、従来含まれなかった成分まで含まれるという画期的なものです。<br> たとえば、普通のタマネギ・ジャガイモにはビタミンAは含まれませんが、ピロールタマネギ・ジャガイモには、ビタミンAが含まれるのです!</div> <p>とうたっていますが、こちらの分析表も、タマネギで1.0μg/100g、ジャガイモで0.001μg/100g(単位間違ってないか?)だそうで すから、成人男性で600μgRE、成人女性で540μgRE(REはレチノール当量)と言われるので、<font style="font-weight: bold;" size="+2">こちらも全く足りません</font>。<br> ちなみに、<font style="font-weight: bold;" size="+2">植物に含まれるのは、正確には「カロテン」</font>で あり、体内に吸収されてからビタミンAに変換されるものなので、「植物のビタミンAを測定」が何を 指しているのかはわかりかねます。</p> <p>このほか、</p> <div> <li>土の中のミネラルをいっぱい吸収しているので、昔ながらの甘みのある栄養価の高い作物です。しかも、ミネラルの人体への吸収率が高いのです。</li> </div> <p>→ミネラルの含量については、分析結果を見る限り有意差なし。そもそも甘みとミネラル含量とは相関関係にない。</p> <div> <li>ピロール作物は弱アルカリ性食品です。健康的なサラサラした強い血液を作ります。(弱アルカリ性体質)</li> </div> <p>→弱アルカリ性食品って、梅干しとか?栄養学的には根拠のない分類(燃やした水溶液が酸性かアルカリ性かの違い)だし、食品が人体に与える影響は、 含まれている元素の問題ではなく、含まれている化合物の問題。</p> <div> <li>オメガ3系列の脂肪酸(EPA、DHA、αリノレン酸)が豊富に含まれますのでガン、アレルギーなど現代病対応食品となります。</li> </div> <p>→それって、背の青い魚(サバとか)に含まれているやつでしょ。何でもかんでも脂肪酸が含まれたら、栄養バランスが偏ってしょうがない。 </p> <p>などなど、<font style="font-weight: bold;" size="+2"></font>科学的な記述とはいえない表現 (=ツッコミどころ)が豊富であります。<br> 「ピロール作物」であることをうたって販売されている商品は数多くありますし、作物そのものが体に悪いというわけではありませんが、情報を見る限りでは、 過剰な期待をかけないほうがよろしいと思います。<br>
注意:このページの内容は、2006年2月13日時点の情報に基づいて記載しています。現時点ではリンク切れ、リンク先の内容の更新等が発生している場合があります。随時確認のうえ更新しますので、ご了承願います。 *ピロール農法 **ピロール農法-ピロール資材とは、何から出来ている? ピロール農法とは、[[公式ページらしきもの(連絡先:ピロール農法研究所)>http://www.pyrrol.com/pyrrol.html]]によると、 >「ピロール資材」というものを田や畑に散布することにより、らん藻を大量に繁殖させ、その働きにより、おいしくしかも栄養価の高い作物を収穫することができるのです。 とあります。 しかし、肝心の「ピロール資材」が何からできているものなのか、ということについては一切情報が掲載されておりません。 また、「ピロール資材」が「らん藻を大量に繁殖」させるメカニズムについても触れられていませんし、ピロール資材を施用した場合としない場合の比較データも示されていないので、「ピロール資材によりらん藻が繁殖するのかどうか」については、肯定も否定もできない状況です。 もっとも、ピロール農法研究所に問い合わせようにも、 >農家(お客様)からは、田畑の土を送付していただき、弊社で試験(色素判定・目で確認できます。分析機器は、いっさい使わなくてよいのです。) >それに応じたピロール資材をお送りしますから、農家(お客様)も効くか効かないかの心配がありません。 とありますので、「定まった成分のものはありません」とか「企業秘密なので教えられません」とかの回答が帰ってきそうですが。 **検証1-らん藻はどんな効果があるのか? らん藻の効果については、下記の記述があります。 >「らん藻」は光合成微生物であり、酸素と栄養素を根や他の微生物に与えるのと同時に、さらに、農薬やトリハロメタン、ダイオキシンをも分解する、といった働きもあります。 >このため、ピロール作物は残留農薬が検出されないという特徴があります。 農薬は通常、使用基準を厳守していれば、作物から残留農薬が検出されることはないはずです。 ですから、作物から残留農薬が検出されないことをもって、ピロールの効果と言えるかどうかはわかりません。 よって、表記の効能を確認するのであれば、あえて残留する条件で農薬を使用し、かつ、らん藻のあるなしで対照試験を行う必要があると考えますが、それらの分析データについては触れられていないようです。 なお、らん藻が光合成微生物であることと、窒素固定を行うことができるので、他の作物や微生物に窒素栄養を与えることができるという記述は概ね正しいと考えられますが、らん藻が大量に繁殖するためには、湿気の多い環境が必要ですので、水田はともかく、必ずしも一般的な作物の生育に適した条件とは言い難いと考えられます。 **検証2-ピロール作物の栄養価は高いのか? 続いて、ピロール作物の特徴の記述を見ると、 >ピロール農作物にはビタミンB12が含まれます。 とあり、さらに >ビタミンB12は、悪性貧血を予防することから発見された水溶性のビタミンで、「赤いビタミン」「造血ビタミン」「コバラミン」とも呼ばれます。 >葉酸と一緒になってヘモグロビンの合成を助けてくれます。 >また、葉酸はビタミンCが無いと体の中で利用されません。(葉酸はビタミンCによってテトラヒドロ葉酸という活性型になって始めて働くことができます。) とあります。 ビタミンB12は動物性食品にしか含まれないというのが通説ですが、ピロール茶には多く含まれるそうです。 しかしながら、酒井理化学研究所(福井県;ピロール農法関係の書物を発刊している酒井弥氏主宰)の分析結果によると、ピロール茶のビタミンB12の含有量は0.01μg/100gとのこと。 お茶はティースプーン1杯で約2.5g。成人男女の一日所要量が2.4μgと言われますから、仮に1日100杯お茶を飲んでも、所要量の1%にも足りません。 この程度で「多く含まれる」と表現するのはいかがなものかと思います。 ちなみに、ビタミンB12は、通常はよっぽどの偏食(例えば完全菜食主義、海藻なし)でもしない限り不足することはないそうです。 あと、この際葉酸とビタミンCの記述は全く関連性が無いように感じられます。 また、 >ピロール農法で作られた作物は、従来含まれなかった成分まで含まれるという画期的なものです。 たとえば、普通のタマネギ・ジャガイモにはビタミンAは含まれませんが、ピロールタマネギ・ジャガイモには、ビタミンAが含まれるのです! とうたっていますが、こちらの分析表も、タマネギで1.0μg/100g、ジャガイモで0.001μg/100g(単位間違ってないか?)だそうで すから、成人男性で600μgRE、成人女性で540μgRE(REはレチノール当量)と言われるので、こちらも全く足りません。 ちなみに、植物に含まれるのは、正確には「カロテン」であり、体内に吸収されてからビタミンAに変換されるものなので、「植物のビタミンAを測定」が何を指しているのかはわかりかねます。 このほか、 >-土の中のミネラルをいっぱい吸収しているので、昔ながらの甘みのある栄養価の高い作物です。しかも、ミネラルの人体への吸収率が高いのです。 →ミネラルの含量については、分析結果を見る限り有意差なし。そもそも甘みとミネラル含量とは相関関係にない。 >-ピロール作物は弱アルカリ性食品です。健康的なサラサラした強い血液を作ります。(弱アルカリ性体質) >→弱アルカリ性食品って、梅干しとか?栄養学的には根拠のない分類(燃やした水溶液が酸性かアルカリ性かの違い)だし、食品が人体に与える影響は、含まれている元素の問題ではなく、含まれている化合物の問題。 >-オメガ3系列の脂肪酸(EPA、DHA、αリノレン酸)が豊富に含まれますのでガン、アレルギーなど現代病対応食品となります。 →それって、背の青い魚(サバとか)に含まれているやつでしょ。何でもかんでも脂肪酸が含まれたら、栄養バランスが偏ってしょうがない。 などなど、科学的な記述とはいえない表現(=ツッコミどころ)が豊富であります。 「ピロール作物」であることをうたって販売されている商品は数多くありますし、作物そのものが体に悪いというわけではありませんが、情報を見る限りでは、過剰な期待をかけないほうがよろしいと思います。

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