バイオクォーク(ハーモニーウォーター)

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注意:このページの内容は、2006年10月26日時点の情報に基づいて記載しています。現時点ではリンク切れ、リンク先の内容の更新等が発生している場合があります。随時確認のうえ更新しますので、ご了承願います。 *バイオクォーク(ハーモニーウォーター) **ハーモニーウォーターとは、何ですか? apjさんのブログ「事象の地平線」(現在は[[「Archives」>http://www.cml-office.org/archive/index.php]])2006年10月17日付の記事で「農家が500万円の浄水器を売りつけられそうになっている」という話題があり、コメント欄に[[「STS(エステーエス)」>http://www.stspro.com/main_index.html]]という会社の浄水器が紹介されました。 (コメントで提供されたSTSの浄水器が、apjさんが記事で話題にしたものと同じとは限りませんが) そして、STS社の製品中、農業関連と銘打たれているのが「バイオクォークBC-1」という代物です。 しかし、公式サイトには製品名のみで、製品内容の照会はありません。 一方で、ネット上には少数ですが、「STSバイオクォーク農法」という触れ込みのサイトも存在します。 (例えば[[「夕霧メインページ(ルンブレンゴールド)」>http://yugiri.moo.jp/index.html]]) ただし、このサイトではSTS社の「バイオクォークBC-1」を使用したとは全く述べられておらず、同じくSTS社の「蘇生器『歓びシリーズ』によって生成された『ハーモニーウォーター』なるものを使用した農法」として紹介されています。 というわけで、ここでは夕霧メインページのサイトで紹介されている、『ハーモニーウォーターを使用したSTSバイオクォーク農法』についての考察を述べます。 まず、STS社の説明を読むと、ハーモニーウォーターとは、 >水は地球上のあらゆる生命にとって欠くことのできない存在です。水なくして、生命の誕生も進化も存続できません。 >現代社会の公害や生活水の悪化は、もはや国を越えた全人類に課せられた重大な事態です。 >人間が健康に生きる為には、環境汚染をやめ、生命活動の根本に関わる「水と生命」「水と環境」等に対する科学的認識とより積極的な実践が不可欠です。 という前段のあと、 >スーパーパワーハーモニーウォーターは、大自然の法則と摂理に基づく水の自然における「循環システム」と「スーパーテクノロジーサイエンス」の応用と融合によって「水の健康」をテーマとしてつくり出した、蘇生エネルギー情報水です。 という説明がなされています。 「蘇生エネルギー情報水」なる単語が出た時点で、検討する気力がかなり萎えてしまうのですが、とりあえず前段と本論とは、「水」というキーワード以外は全く関係がないことを並べているに過ぎません。 環境汚染を防ぐということは、排水の浄化処理等「出口」の問題であり、浄水器によって解決する問題ではありません。浄水器によって解決するのは、あくまで人の身体に起因する問題と考えます。 **検証1:STS社の言う「蘇生」 蘇生【そ-せい】[名](スル): 1 息をふきかえすこと。生き返ること。よみがえること。「心臓マッサージで―する」 2 生き返ったように元気になること。「傾きかけた事業を―させる」(以上大辞泉) 生命体でない水がそもそも「蘇生」するわけはない、という真っ当なツッコミは置いといて、STS社の提唱する「永久蘇生サイクル理論」について述べてみます。 >物質は、その生成から腐敗まで、3つの行程で終結するものだと考えられてきました。STSの理論は、そうではなく、このサイクルは、生成、分解、合成、蘇生という非腐敗を実現できるというものです。STSのハーモニーウォーターがよほど激烈な環境変化のない限り、腐敗することも無く体内にあっては、新生細胞を活性させる機能を持つのもこの原理の応用なのです。 との説明であります。 まず、物質は3つの行程で終結と言っておきながら、生成と腐敗の間にある行程は何?という説明がなされていませんが、腐敗というのは「微生物の作用によって有機物が分解する」ことですから、物質と言っても、そもそも腐敗しない無機物はどうするのか?という疑問があります。 次に、「生成、分解、合成、蘇生という非腐敗」が実現されたら、体内微生物の作用(=)によって食物を分解・吸収している人間の身体は、栄養失調になりはしないかという心配があるのですが。 **検証2:蘇生器『歓びシリーズ』について ハーモニーウォーターを生成するとされる、STS社の「蘇生器『歓びシリーズ』」ですが、その構造については次のような説明がなされています。 >-異物反応のない素材使用 >SP-1型の浄化システム濾材は全て天然素材を使用。生命の誕生と進化にとって異物の反応がないコンセプトで加工、処理しています。 >-天然素材活性炭で徹底濾過 >水の蘇生と活性化は、濾過処理がポイント。高熱処理による優れた3種類配合の活性炭で水道水のカルキ臭やカビ臭、環境有害物質等を除去、限りなく安全な水に戻します。 >-機能性セラミックスで活性化蘇生 >5種類の機能性セラミックス作用でマイナスエレクトロンやミネラルバランス等に富んだ、安心して飲める美味しい自然水に活性化蘇生します。 >-光触媒セラミックスで理想水 >人体生命維持元素による光触媒処理セラミックス作用で「水本来」の機能「情報とエネルギー」をもった、生態系にとって理想的な働きをする水へ転換します。 >-熱湯処理で濾材再生 >お湯(50℃~60℃)を5分~10分間本体を通過させるだけで濾材の吸着性と活性化が再生します。 「『水本来』の機能『情報とエネルギー』をもった水」という説明がありますが、何の情報のことを指して言っているのか明らかにしていませんし、そもそも「水が情報を持つ」という表現自体が、科学的に意味のあることとは思えません。 同様に、「マイナスエレクトロン」「人体生命維持元素」という、一見科学用語のようでありながら、定義づけをきちんとしていない用語が多用されています。 そのような、不思議な機能を連想させる修飾語を除いて、「活性炭と各種セラミックスによってろ過する浄水器」と読めば、巷に出回っている一般的な浄水器との違いは見出し難いです。 **検証3:「STSバイオクォーク農法」とは いよいよ本題の「STSバイオクォーク農法」について、[[「STSバイオクォーク農法によるピーマン作りのすべて」>http://yugiri.moo.jp/sts_piman.html]]を元に述べてみたいと思います。 長くなるのでまとめて書きますが、主に堆肥づくりと栽培について述べられています。堆肥づくりについては、以下のような手順が示されています。 >-河川敷の雑草、茅、竹、木等の廃棄物を粉砕、四ヶ月間位太陽光に当て発酵。 >-堆肥場に移し、米ぬかを混ぜて、ハーモニーウォーターを流れるまでかけると、一日~二日で高さが半分くらいになる。 >-これはハーモニーウォーターをかけないとならない。 >-発酵し、菌ができたら焼酎糟(酒糟)をふりかけ、再度ハーモニーウォーターをかける。 >-後は二週間~三週間おきにハーモニーウォーターをかけひっくり返す。 >-三ヶ月くらいで放線菌がキラキラと出来、腐敗発酵がないので甘い香りがし、蜂が集まる。 原材料から数えて約7ヶ月間を要すること、しかも発酵促進用の米ぬかや酒糟を加えながら、(計算上)最低4回は切り返しを行うということなので、堆肥づくりとしては相当手をかけており、それなりの品質のものが出来ているものと思います。 加えている「ハーモニーウォーター」が、ただの水であっても同様の効果が期待できるとは思いますが(最後にあるような「蜂が集まる」かどうかは別として)。 次に、ハーモニーウォーターを使用した試験区は、対照区に比べて、生産者いわく、 >-葉が小さく節間が短いので、日光、風の通りが良い。 >-摘果しなくてもよく、色、香り、風味良好。 といった効果を実感されているようです。 生産者の「実感」については、「本人がそう思う」と言っているに過ぎないので、別段異議を挟まないことにします。 ただし、その前段で、 >合成系は土壌中に光合成細菌、藻菌類、窒素固定菌などの合成型の微生物が有占(原文ママ)している状態で、水分も安定していると、少量の有機物の施用でも土壌は肥沃化し、腐敗菌の増殖を抑制する放線菌などの浄菌型微生物の育成を助ける。 という記述があります。 「合成系」「浄菌型」という、これまた何を指し示しているか分からない用語が飛び出しているのですが、ハーモニーウォーターとどう関係するのか全く触れられていないので、この部分だけ妙に浮いている印象を受けます。 **まとめ 一般的な浄水器程度の作用を期待して使用する分には構わないと思いますし、上記の農業者の様に丁寧なつくり方をしている人においては、いい収穫物がとれれば、それなりの効果を「実感」されるのかもしれません。 しかし、宣伝に用いている用語が、いかんせん全く科学的でないので、不思議な効果を期待するのはやめておいたほうがよさそうです。 ちなみに、「蘇生器『歓びシリーズ』」の商品説明によれば、 >上記の商品は水道水専用となっております。井戸水・地下水等には対応しておりません。 とのことですが、大量の水を必要とする農業においては、井戸水・地下水の利用率はそれなりにあると思うのですが、対応する気はないのでしょうか? (ひょっとしたら、バイオクォークBC-1は「井戸水・地下水にも対応する蘇生器」なのかもしれませんが)

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