トヨチュー

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注意:このページの内容は、2006年10月26日時点の情報に基づいて記載しています。現時点ではリンク切れ、リンク先の内容の更新等が発生している場合があります。随時確認のうえ更新しますので、ご了承願います。 トヨチュー「無農薬資材」についての考察</h1> <p>2009/01/09追記<p> <p>株式会社トヨチューの商品開発担当を名乗る方から、「下記の記事で指摘された部分について削除したので、該当部分を削除してほしい」旨のメールをいただきました。<p> <p>(メールアドレスのプロバイダは当該会社のアドレスと一致しますので、会社関係の方であることはおそらく間違いないと思います。)<p> <p>現在の記述を確認したところ、下記の記述およびページが削除されていました。<p> <ul> <li><i>下記で記載しているアルカロイドに関する説明の項</i></li> <li><i>虫除け粉のページ</i></li> <li><i>除虫菊スプレー</i></li> <li><i>「過去のトピックス」中、「無農薬バラスプレー」に関する説明の項</i></li> </ul> <p>また、商品カタログのページ中、「無農薬資材」との資材名は「● 天然成分を利用した園芸用活力剤等 」「● 天然成分を利用した不快害虫殺虫剤忌避剤」に変更されていました。</p> <p>よって、私の記事の原典はなくなりましたので、以下のとおり記載を変更します。ご連絡ありがとうございました。<p> <s><h2>トヨチューの「無農薬資材」とはどんな資材ですか?</h2> <p>関東地方にお住まいの方から、「㈱トヨチューという会社の無農薬資材」を取り上げてほしいとのメールが寄せられましたので、紹介いただいた <a href="http://www.toyochukk.co.jp/" target="_blank">トヨチューのサイト </a>の宣伝内容について、私なりの解釈をしてみたいと思います。</p> <p>まず、上記の「<a href="http://www.toyochukk.co.jp/munouyaku.html" target="_blank"> 無農薬栽培のすすめ</a>」というページのコメントの中では、アルカロイドについて、</p> <div>植物の多くは、害虫や病原菌に抵抗する物質をもっています。これらを総称して「アルカロイド」と呼ばれています。近年では、多くの植物抽出液から作られた資材が販売されていますが、ここでは、特に代表的な白花除虫菊やインドセンダン、炭を焼く際の煙から採取する木・竹酢液等を活用した商品をご紹介いたします。</div> <p>と説明しています。そして、他のページでニームを成分とした 「<a href="http://www.toyochukk.co.jp/munouyaku5.html" target="_blank"> 虫よけ粉</a>(現在リンク無効)」、除虫菊成分(天然ピレトリン)を使用した 「<a href="http://www.toyochukk.co.jp/munouyaku6.html" target="_blank"> 除虫菊スプレー</a>(現在リンク無効)」を紹介しています。</p> <p>アルカロイドを「害虫や病原菌に抵抗する物質の総称」と称していますが、アルカロイドは窒素原子を含む(アミノ酸等から生合成)ので、少なくとも窒素原子を含まないピレトリンをアルカロイドとして紹介するのはおかしいと思いますが、まあそれは重箱の隅の話題かもしれません。</p> <p>むしろ、上記「除虫菊スプレー」のページの中で、</p> <div>天然ピレトリンは、アブラムシ等の殺虫効果が高いのにもかかわらず、散布してからの分解がはやく、人やペットにはまったく無害であり、これからの有機農法に対する、非常に有望な材料です。</div> <p>と紹介されていますが、<b><span style='font-size:18.0pt'>人やペットにまったく無害というのは言い過ぎ</span></b>でしょう。含有量が少ないから相対的に大丈夫、という話かもしれませんが、現にピレトリンに接触してアレルギー反応を起こす人もいますし。 <br> もちろん、天然ピレトリンを成分とする農薬は、有機JAS法に定める有機農法で使用が認められた資材ではりますが、<b><span style='font-size:18.0pt'>れっきとした農薬であることに変わりはない</span></b>ことは理解しておいたほうがよいと思います。</p> <p>また、「<a href="neemoil.htm">ニームオイルの考察</a>」ですでに述べているとおり、ニームオイルを主成分とする資材を、日本において農薬の効果をうたって販売することは認められていませんので、<b><span style='font-size:18.0pt'>虫よけ粉として販売することは問題</span></b>だと思います。そのことを意識してか、上記サイトでは肥料成分の表示はありますが、主成分であるはずのニームの含有量は明示されていません。</p> <h2>検証:トヨチューの「無農薬資材」</h2> <p>トヨチューのサイトの<a href="http://www.toyochukk.co.jp/syouhin_cat.shtml" target="_blank"> 商品カタログ</a>には、 <div>農薬を使わない、安心・安全な園芸用品を提案しています。</div> <p>と称して、「無農薬資材」という資材を紹介しています。別ページの <a href="http://www.toyochukk.co.jp/cgi-bin/sh.cgi?grid=9"target="_blank"> 無農薬資材</a>(現在商品カテゴリなし)にその具体的な商品がありますが、上記に示した通り、ニームを虫よけ粉と称して販売することは問題だと思いますし、除虫菊はそもそも農薬なので、無農薬資材と称して販売することは不適切だと思います。</p> <p>なお、無農薬薔薇濃縮液、または無農薬薔薇スプレーとして販売されている資材の成分に「セルコート」というものがありました。セルコートを別に検索したところ、 <a href="http://www.colourchemical.co.jp/j/index.html" target="_blank"> 横浜アグリ株式会社</a>(現在リンク無効) というところの商品のようです。原料はセルロースとカルシウムで、「植物体の表面をいわゆるオブラートのような薄い膜で覆って保護することにより、病害虫に強くなる」という効能をうたっています。ただし、現時点で<b><span style='font-size:18.0pt'>薬効と安全性に関するデータは明示されていない</span></b>(食品添加物としては健康に害のあるおそれはないとされていますが、用法も目的も異なる植物の使用に対するデータはない)ので、どの程度の効果があるのか判断はできません。(成分がデンプンとカルシウムだけであれば、余ほど大量に摂取しない限り、直ちに健康被害が出るとは考えにくいですが。)</p> <p>また、過去のトピックスの中に、 <a href="http://www.toyochukk.co.jp/topics_kako.html#rose" target="_blank"> 無農薬薔薇スプレー</a>(現在記述なし)の紹介がありますが、このページの中で、</p> <div>【害虫退治の仕組み】<br> ”無農薬薔薇スプレー”の害虫退治方法は、化学物質による退治ではなく、ハダニやアブラムシなどへの噴霧散布で、害虫をセルコート液の粘性により包み込んでしまい、溺死あるいは窒息させてしまいます(右図)。 <br>物理的退治なので、農薬のように害虫に抵抗性が強まることもなく、あるいは、抵抗性があっても退治できます。ハダニやアブラムシは特に世代交代が早く抵抗性がつきやすいのですが、そうした心配も不要です。<br> アブラムシより大きいゾウムシやイラガなどは、スプレーするとすぐに逃げ出し、死ぬものもいる-など、いずれもバラから虫がいなくなる効果が顕著です。<br> 害虫が退治できて虫がつかなければ、バラの株は活性化して病気への抵抗力・治癒力も高まり、さらにステビア熟成液の効果できれいなバラが楽しめます。</div> <p>と紹介されていますが、化学物質による退治ではない、物理的な防除だから農薬ではないということを喧伝しているのであれば、まさに<b><span style='font-size:18.0pt'>「無登録農薬」以外の何物でもない</span></b>と思います。</p> <p>結論として、各資材の効果のほどは不明ですが、少なくとも宣伝については問題が少なからずあると考えられます。</p></s> <h2>補足:他会社の「無農薬資材」</h2> <p>冒頭にあったメールでは、株式会社フェルムというところの「無農薬薔薇スプレー」という資材についても取り上げてほしいとのことでした。残念ながら会社そのものあるいは商品を紹介したサイトにはたどり着けませんでしたが、商品のラベルを送付いただいたのでその成分を見たところ、「ニーム液 タバコの葉 ヒノキチオール マリーゴールド 黒酢 有機バイオ珪素」などという表示が並んでいました。<br> 個別の成分のうち、食酢(黒酢)については、殺菌効果が期待できるかもしれませんが、含有量が不明なので、実際の効果のほどはわかりません。その他についてはいずれも効果が判然としなかったり、使用に問題がある成分だと思います。<br> なお、「タバコの葉」がどのような形で含まれているかわかりませんが、主成分である<b><span style='font-size:18.0pt'>ニコチンはれっきとした毒物</span></b>ですから、もし本当に含まれているならきちんとニコチン含有量を示してもらわないと、怖くて使えたものではないと思います。</p>
注意:このページの内容は、2009年1月9日時点の情報に基づいて記載しています。現時点ではリンク切れ、リンク先の内容の更新等が発生している場合があります。随時確認のうえ更新しますので、ご了承願います。 *トヨチュー「無農薬資材」 &bold(){(現在は内容が変更されています)} 2009/01/09追記 株式会社トヨチューの商品開発担当を名乗る方から、「下記の記事で指摘された部分について削除したので、該当部分を削除してほしい」旨のメールをいただきました。 (メールアドレスのプロバイダは当該会社のアドレスと一致しますので、会社関係の方であることはおそらく間違いないと思います。) 現在の記述を確認したところ、下記の記述およびページが削除されていました。 >-下記で記載しているアルカロイドに関する説明の項 >-虫除け粉のページ >-除虫菊スプレー >-「過去のトピックス」中、「無農薬バラスプレー」に関する説明の項 また、商品カタログのページ中、「無農薬資材」との資材名は「● 天然成分を利用した園芸用活力剤等 」「● 天然成分を利用した不快害虫殺虫剤忌避剤」に変更されていました。 よって、私の記事の原典はなくなりましたので、以下のとおり記載を変更します。ご連絡ありがとうございました。 **&s(){<h2>トヨチューの「無農薬資材」とはどんな資材ですか?} &s(){関東地方にお住まいの方から、「㈱トヨチューという会社の無農薬資材」を取り上げてほしいとのメールが寄せられましたので、紹介いただいた[[トヨチューのサイト>http://www.toyochukk.co.jp/]]の宣伝内容について、私なりの解釈をしてみたいと思います。} &s(){まず、上記の[[「無農薬栽培のすすめ」>http://www.toyochukk.co.jp/munouyaku.html]]というページのコメントの中では、アルカロイドについて、} >&s(){植物の多くは、害虫や病原菌に抵抗する物質をもっています。これらを総称して「アルカロイド」と呼ばれています。近年では、多くの植物抽出液から作られた資材が販売されていますが、ここでは、特に代表的な白花除虫菊やインドセンダン、炭を焼く際の煙から採取する木・竹酢液等を活用した商品をご紹介いたします。} &s(){と説明しています。そして、他のページでニームを成分とした[[「虫よけ粉」>http://www.toyochukk.co.jp/munouyaku5.html]](現在リンク無効)、除虫菊成分(天然ピレトリン)を使用した [[「除虫菊スプレー」>http://www.toyochukk.co.jp/munouyaku6.html]](現在リンク無効)を紹介しています。 &s(){アルカロイドを「害虫や病原菌に抵抗する物質の総称」と称していますが、アルカロイドは窒素原子を含む(アミノ酸等から生合成)ので、少なくとも窒素原子を含まないピレトリンをアルカロイドとして紹介するのはおかしいと思いますが、まあそれは重箱の隅の話題かもしれません。} &s(){むしろ、上記「除虫菊スプレー」のページの中で、} >&s(){天然ピレトリンは、アブラムシ等の殺虫効果が高いのにもかかわらず、散布してからの分解がはやく、人やペットにはまったく無害であり、これからの有機農法に対する、非常に有望な材料です。} &s(){と紹介されていますが、人やペットにまったく無害というのは言い過ぎでしょう。含有量が少ないから相対的に大丈夫、という話かもしれませんが、現にピレトリンに接触してアレルギー反応を起こす人もいますし。} &s(){もちろん、天然ピレトリンを成分とする農薬は、有機JAS法に定める有機農法で使用が認められた資材ではりますが、れっきとした農薬であることに変わりはないことは理解しておいたほうがよいと思います。} &s(){また、[[ニームオイル]]の考察ですでに述べているとおり、ニームオイルを主成分とする資材を、日本において農薬の効果をうたって販売することは認められていませんので、虫よけ粉として販売することは問題だと思います。そのことを意識してか、上記サイトでは肥料成分の表示はありますが、主成分であるはずのニームの含有量は明示されていません。} &s(){**検証:トヨチューの「無農薬資材」<} &s(){トヨチューのサイトの[[商品カタログ>http://www.toyochukk.co.jp/syouhin_cat.shtml]]には、 >&s(){農薬を使わない、安心・安全な園芸用品を提案しています。} &s(){と称して、「無農薬資材」という資材を紹介しています。別ページの[[無農薬資材>http://www.toyochukk.co.jp/cgi-bin/sh.cgi?grid=9]](現在商品カテゴリなし)にその具体的な商品がありますが、上記に示した通り、ニームを虫よけ粉と称して販売することは問題だと思いますし、除虫菊はそもそも農薬なので、無農薬資材と称して販売することは不適切だと思います。 &s(){なお、無農薬薔薇濃縮液、または無農薬薔薇スプレーとして販売されている資材の成分に「セルコート」というものがありました。セルコートを別に検索したところ、[[横浜アグリ株式会社>http://www.colourchemical.co.jp/j/index.html]](現在リンク無効)というところの商品のようです。原料はセルロースとカルシウムで、「植物体の表面をいわゆるオブラートのような薄い膜で覆って保護することにより、病害虫に強くなる」という効能をうたっています。ただし、現時点で薬効と安全性に関するデータは明示されていない(食品添加物としては健康に害のあるおそれはないとされていますが、用法も目的も異なる植物の使用に対するデータはない)ので、どの程度の効果があるのか判断はできません。(成分がデンプンとカルシウムだけであれば、余ほど大量に摂取しない限り、直ちに健康被害が出るとは考えにくいですが。)} &s(){また、過去のトピックスの中に、[[無農薬薔薇スプレー>http://www.toyochukk.co.jp/topics_kako.html#rose]](現在記述なし)の紹介がありますが、このページの中で、} >&s(){【害虫退治の仕組み】} >&s(){”無農薬薔薇スプレー”の害虫退治方法は、化学物質による退治ではなく、ハダニやアブラムシなどへの噴霧散布で、害虫をセルコート液の粘性により包み込んでしまい、溺死あるいは窒息させてしまいます(右図)。} >&s(){物理的退治なので、農薬のように害虫に抵抗性が強まることもなく、あるいは、抵抗性があっても退治できます。ハダニやアブラムシは特に世代交代が早く抵抗性がつきやすいのですが、そうした心配も不要です。} >&s(){アブラムシより大きいゾウムシやイラガなどは、スプレーするとすぐに逃げ出し、死ぬものもいる-など、いずれもバラから虫がいなくなる効果が顕著です。 >&s(){害虫が退治できて虫がつかなければ、バラの株は活性化して病気への抵抗力・治癒力も高まり、さらにステビア熟成液の効果できれいなバラが楽しめます。} &s(){と紹介されていますが、化学物質による退治ではない、物理的な防除だから農薬ではないということを喧伝しているのであれば、まさに「無登録農薬」以外の何物でもないと思います。} &s(){結論として、各資材の効果のほどは不明ですが、少なくとも宣伝については問題が少なからずあると考えられます。} **補足:他会社の「無農薬資材」 冒頭にあったメールでは、株式会社フェルムというところの「無農薬薔薇スプレー」という資材についても取り上げてほしいとのことでした。残念ながら会社そのものあるいは商品を紹介したサイトにはたどり着けませんでしたが、商品のラベルを送付いただいたのでその成分を見たところ、「ニーム液 タバコの葉 ヒノキチオール マリーゴールド 黒酢 有機バイオ珪素」などという表示が並んでいました。<br> 個別の成分のうち、食酢(黒酢)については、殺菌効果が期待できるかもしれませんが、含有量が不明なので、実際の効果のほどはわかりません。その他についてはいずれも効果が判然としなかったり、使用に問題がある成分だと思います。 なお、「タバコの葉」がどのような形で含まれているかわかりませんが、主成分であるニコチンはれっきとした毒物ですから、もし本当に含まれているならきちんとニコチン含有量を示してもらわないと、怖くて使えたものではないと思います。

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