MOA自然農法


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注意:このページの内容は、2007年2月17日時点の情報に基づいて記載しています。現時点ではリンク切れ、リンク先の内容の更新等が発生している場合があります。随時確認のうえ更新しますので、ご了承願います。

MOA自然農法とは

MOA自然農法とは、MOA自然農法文化事業団のサイトによると、
岡田茂吉師の創唱による永続的かつ体系的な農業生産方式をいいます。
とあり、また具体的には
MOA自然農法ガイドラインに従って土本来の力を発揮させる生産方法です。
とあります。
2007年2月に大幅な改定が行われ、以前の考察がガイドラインと整合性が取れなくなったのですが、関西在住の方から「最新版についても考察してほしい」とのリクエストを頂きましたので、改めて考察してみたいと思います。

「MOA自然農法ガイドライン」の位置づけ

MOA自然農法はhttp://www.moaagri.or.jp/gazo/guidline-honbun.pdfに従って生産することとされています。
ただし、2007年2月版のガイドラインの前書きでは、
改訂に当たっては従来の規制的な表現を改め、自然農法の真髄を一人でも多くの人に理解していただけるよう、その栽培を進める上での生産者の心得を示すようにした。
とされ、また、「1.自然農法を実践するにあたって」の中で、
自然農法の栽培には基本はあっても画一的なマニュアルはない。生産者はほ場の土壌の状態や環境の条件、作物の生育の状況を捉え、そのほ場に合った栽培を創意工夫することが大切である。
と述べられており、マニュアル的な位置づけというよりも、心構えを示す意味が強まったようです。
規制の内容については後ほど考察しますが、「心得」については個人の思想に関わる問題ですから科学的な考察のしようがないですし、仮に心得が立派でも、正しい知識と具体的な技術が伴わないと、生産物の品質は保証されないので、今回の考察からは除きたいと思います。
なお、順番は前後しますが、前書きにて、
自然農法が単に安全な農産物の生産にとどまらず、食生活を豊かにする、心身の病が癒され健康を回復する、土・水・大気・緑などの自然環境を守る、人と人との交流を生み地域の文化や経済を活性化するなど、現代社会の抱えるさまざまな問題の解決につながっている事実が認められた。
とありますが、自然農法の取り組みを「通じて」そのような事実が「結果的に」発生することはあるかもしれませんが、それらの問題解決が「目的」の場合、自然農法「だけ」に過度な期待をすることは避けたほうが良いと思います。

具体的な考察

1.禁止されている資材

ガイドライン用語解説によると、次のものは使用が禁止されているとのことです。
中には一般的な「有機農産物」で使用可能なものもありますので、両者の違いには注意が必要です。
(「有機農産物及び特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」(グリーンジャパン提供)を参考のこと)
  • 化学的に処理された土壌改良資材と化学的に合成された物質を含む各種資材
  • 化学農薬
  • すべての除草剤
  • すべての化学肥料と化学肥料が混入された堆肥
  • 重金属、放射能が多量に残留した資材と土壌
  • 下水汚泥、都市汚泥
  • 植物成長調整剤
  • 製造工程で化学的な処理がされている資材
  • 化学農薬がしみ込んだ誘引資材と忌避資材
  • 抗生物質
  • クロム処理された資材(皮革粉)
  • その他の生態系に強い影響を与える動植物
  • 人間に対する毒性の高い可能性がある植物由来の資材
  • BT剤
例えばフェロモン剤(9.)や天敵の類(12.)、木酢液(13.)等は、この文章を読んだだけでは禁止資材に該当しそうですが、正確には個別に問い合わせる必要があると思います(ガイドラインは細則も定められるようですが、残念ながらネット上で確認できません。)。

2.連作の奨励

本文「4.実践のあり方 (1)土壌を生かす」の中で、
自然農法の実施当初は土壌は作物を育てる力が弱っていることが多いので、作物の根伸びを良くするよう、土壌に合わせて堆肥などを活用する。
また、作物はマメ科やイネ科などの科の違う作物を組み合わせ、できるかぎり休閑せず栽培する。
自然農法を継続することで土の偉力は発揮され、土壌中の生き物の種類と数は豊かになり、作物は多くの根を張るようになるなど、栽培がしやすくなっていく。また、同じほ場に同じ作物を栽培し続けると、その作物に適した土壌となり、生育はさらによくなる。
とあります。たぶん混作や輪作、草生栽培を前提としているので、「同じほ場に同じ作物」という表現なのだと思いたいです。
単純に連作を奨励しているのだと捉えると、特に野菜類では連作に由来する病虫害の発生も懸念されますから、栽培管理に相当の注意を必要とすると考えられます。

3.土壌診断と土壌改良資材・施肥

本文「4.実践のあり方 (1)土壌を生かす」の冒頭にて、
  • 作物や草の生育状況や土壌診断などで、土壌の状態を知る
  • 根伸びを良くするため、暗渠、明渠などの排水改善や堆肥や客土などの適切な方法で、土壌の化学性、物理性、生物性を改善する。
とあります。(一般的な農作物栽培であっても基本のことではあります。)農業は結果的に土地から生産物を収奪しますから、外部から何らかの形でミネラルや肥料分を土壌に補給しなければなりません。
自然農法では落ち葉や草等を原料にした自然堆肥を基本的に使用することとして、土壌改良資材や家畜糞堆肥は使用を制限していますが、日本の多くの圃場は肥料分・ミネラルが過剰傾向にありますから、バランスを取りつつスポット的に投与するだけでも、一定の収穫は見込めそうです。
と、ここまで書いていて気づいたのですが、用語解説「3.栽培の基本『土壌を汚さず、活性化させ=清浄な土壌』」との記述では、
創始者が目標とした「清浄な土壌」とは、有害な物質を含まず、養分の過不足がなく、自然に近い種類と量の生物が土壌中に存在し、自然界の土に似た構造と生命力を有する土壌と考えられる。
また、創始者は土壌を清浄に保つために、土壌に入れて良いものは土そのもの(客土)か、草や落ち葉を用いた対比であると説いている。
としているものの、用語解説「4.実践のあり方『有機質資材』」の中では、
分解の早い有機物には米ぬか、油かす、大豆かす、魚かすなどがある。
と記述しています。
「分解の早い有機物」というのは言うまでもなく「肥料」としての効果を期待して投入するものであり、よくよく見れば本文及び用語解説のどこにも「肥料」の投入を禁止するとは書いていませんでした。
※もちろん、肥料の投入をもって自然農法を非難するつもりはありません。自然農法では「土壌診断等に基づいた適切な使用」を原則としているわけですし。ただ、自然農法では有機物も自然農法由来を奨励するそうですから、その絶対量が少ないのと、「魚かす」はそもそも自然農法とは関係ないだろうなあ、という問題がありますが。

全体的な感想

冒頭で示したとおり、マニュアルというよりも「生産者の心得」として捉えるのが正確な理解になると思います。用語解説に示された有機物の活用方法など、正確で参考になる記述もあります。
ただ、生産者に創意工夫を求め、しかも自然農法への転換期間にはリスクもあることが示されていますから、生産に当たってはある程度の技術的なハードルがあると見た方がよさそうです。
さらに気になるのは、巷にあるいわゆる「土壌改良資材」の名を借りた無登録農薬、及びそのグレーゾーンの資材に対して、どの程度厳密に(あるいは寛容に)取り扱っているかという点です。事業団としての崇高な理念が末端まできちんと行き渡り、変な資材は排除されていれば、全くの杞憂ということになりますが。
なお蛇足ですが、上記のガイドラインはPDFファイルであり、しかもコピー・印刷が出来ない仕様になっています。印刷物を入手したい場合は事業団に申し込むようにとのことですが、自宅のパソコン上で印刷できたほうがコスト削減にもなるし、便利だと思います。
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