アガリエ菌


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注意:このページの内容は、2006年9月14日時点の情報に基づいて記載しています。現時点ではリンク切れ、リンク先の内容の更新等が発生している場合があります。随時確認のうえ更新しますので、ご了承願います。

アガリエ菌

アガリエ菌とは、なんですか?

現代農業という雑誌の、2006年9月号に、「米ぬかに放線菌を添加するボカシ肥」で、土をよみがえらせる「菌体消毒」なる農法が提唱されています。
これはこれで興味があるのですが、そもそも単体で米ぬかに添加する放線菌とは何ぞや?と言う興味がありました。
そもそも放線菌とは、「細菌でありながら、菌糸を放射状に伸ばして増殖する」という形態から名づけられた、土壌中に存在する好気性菌です。(ただし、今ではそうでない形態のものも発見されている。Wikipedia「放線菌」を参照のこと)
また、「ストレプトミセス(Streptomyces)属」が有名ですが、抗生物質を産生する者が多いことでも知られています。
本文中にあったキーワードは「アガリエ菌」。というわけで、アガリエ菌について調べてみました。
株式会社バイオメイクのサイトによると、アガリエ菌とは、「放線菌のアクチノプラネス属の一種で、新種の微生物である」とされています。名称は、発見者の東江(アガリエ)の名前からとったそうです。
しかし、どうもその技術の説明が適切でないように見受けられます。
例えば、
沖縄県で発見されたアガリエ菌は世界でも前例がない「変異処理」ができる微生物でした。事業者の必要としている目的に合わせて微生物を「変異」させることで、この28年間の研究期間で約200種以上の微生物技術が開発されるようになりました。
とあるのですが、変異処理とは一般的に、「突然変異」を起こさせる処理のことを言い、この場合放線菌を含めた様々な菌類、細菌類のほか、より高等な植物でも処理は可能です。つまり、世界でも前例がないという表現は、誤りであると考えられます。
また、次の文章にも謎が多いです。
原種の微生物は変異しやすく変異後には変異性を止める技術を開発しました。そのお陰で今の技術が生まれたのです。多くの学者や微生物技術者が混成菌(数種類の菌がまざっている)の話をする時代に1種類の微生物を利用して数多くの技術を世の中に提供するには並大抵のことではありませんでした。しかし技術は多くのニーズに支えられて開発されました。高温菌、常温菌、水性菌、アルコール菌、乳酸菌、酢酸菌、油分分解菌、病原菌の殺菌などに使われる抗生菌、耐性菌を作ることにより色々な分解菌を開発、生ごみ、油類、化学薬品の消滅化の技術、動物のタンパク質を作る微生物技術など農業・畜産・水産・環境・健康などと世界に貢献できる微生物事業になりました。
「変異を止める技術」はおいといて、「1種類の微生物」から開発された技術という話と、「高温菌」以下の具体的な菌名が並列で書かれているのはなぜでしょうか。まさか、上記の文章と併せて、「1種類の微生物から突然変異で全く異なる菌を作り出した」などという与太話をしているわけではないと思いますが。
また、抗生菌、耐性菌を産出したとして、分解菌の開発になぜつながるかというところも疑問ですが、生ごみ、油類、化学薬品の「消滅化」の技術とはいったい何だ、というのが謎です。
物質の消滅という場合は、分解と違い「全くなくなる」ことを意味しますので、その構成成分は一体どこに行くのでしょうか。まさか、四次元ポケットで異空間に転送するとか、反物質として莫大なエネルギーに転換するとかいうSF的な事態を言っているわけではないと思いますが。

検証1:アガリエ菌は、「アクチノプラネス属」なのか?

ところで、アクチノプラネス属という放線菌は実在しますが、独立行政法人製品評価技術基盤機構のサイトによると、
 Actinoplanes属放線菌は、気菌糸を作らず、運動性の胞子を作るなど、代表的な放線菌であるStreptomyces属とは異なった多くの特徴を有する。
とあります。
「気菌糸を作らない」ということは、要するに放線菌の特徴として一番最初に書いた「菌糸が放射状に伸びる」という特徴を有しない、ということになると考えられます。
しかし、アガリエ菌の説明を行っているページには、放線菌が気菌糸を伸ばしている写真と、アクチノプラネスの顕微鏡写真はありますが、上記の特長については何一つ触れられていません。
一方で、環境技術のページでは「アガリエ菌の技術を使った商品を製造・販売」としており、紹介されている商品(例えば発酵放線菌(A1))の説明では、「カビ状の放線菌」と記載されています。
これらから類推できるのは、紹介されている商品には、必ずしもアクチノプラネス属(アガリエ菌)が含有されているわけではないのではないか、ということです。
逆に、「アガリエ菌」が入っていて、メインで働いているというのであれば、アガリエ菌はアクチノプラネス属ではないということになってしまいます。
ちなみに、高温菌として紹介されているリグニン分解菌及び廃生肉処理菌の使用方法説明も、発酵放線菌のものをコピペしたものでした。
性質や作用が全く異なると考えられる菌の処理方法が同じでいいのか、例えばこれらを混ぜて一緒に使った場合に競合は起きないのかという疑問がありますが、そもそも現在では廃生肉(正しくは廃棄肉だと思う)は産業廃棄物で、焼却処理が基本であり、このページで言うような発酵分解処理は非常に問題があると思うのですが。

検証2:排水処理菌(水性菌)

この商品には放線菌の説明は一切書かれていないので、アガリエ菌の有無については置いときますが、商品説明のページには、
排水処理菌は農家で使用する薬品に耐性があり、悪臭を発生させずに、し尿を分解する微生物です。窒素、りん、などの分解が出来るため放流先での河川、海などでの汚染がありません。また病原菌などの殺菌効果もあることから、洗い水としての再利用もできます。スノコ式養豚では10%の再利用水を戻すことで、ピット内のし尿が水溶化するため、管理がしやすくなります。浄化槽ではエアレーション工程の節約などにも結びつきます。1度の購入で半永久的に使用できるメリット性があります。
とありました。
説明文と写真、図からして、豚舎での使用を念頭においているものと思われますが、「リンの分解」がどうやって行われるか謎です。
窒素なら、例えばガス化して取り除くことができないわけではありませんが、リンが常温でガス化することはありえませんから、固体または液体の状態でしか取り出せません。このため、通常の汚水処理(上水向け等)では、リンは吸着剤によって回収するか、微生物に取り込ませるのが一般的で、いずれにしても汚泥中に存在することになります。
「リンを分解」と言うと、常温核分裂でも起きるのかという誤解を招くような気がするのですが。
ところで、商品説明のページには、北部家畜保健衛生所で検査したとされる試験成績が掲載されています。
汚水貯留槽1槽~第4槽、畜舎再利用水1、河川水1について分析したものと考えられますが、それぞれの水についてどういう処理をしたものか明記されておらず、廃水処理菌との因果関係は全く不明です。
それでなくても、通常「貯留槽」と言った場合、豚舎の排水を放流可能なレベルにするために必要な浄化処理設備が備わっているものと考えられますから、十分設備のあるものに対して何らかの菌を添加しても、どれほどの効果があるかは疑問です。

まとめ

基本的に、何が入っているか良くわからないうえ、効果の説明が十分でない商品であると考えられます。
ところで、トップページからリンクしている、pdfファイルのページには、上記の内容をはるかにしのぐとんでもないことが書かれています。例えば下記のような記述など。
  • 乳牛などは何度も子供を産み落とさせ、牛乳を取るのであるが、雌老廃牛は肉質も変化して硬くなるのと同時に黒ずむのが一般的であった。しかし、飼料でその肉質を改善し、もとの肉質に戻す技術が、沖縄県経済連畜産課の技術協力で確認できたのである。
  • 家畜においては、肝脂肪(原文ママ)を防止でき脂質の変化も見られた。廃牛、廃豚、廃鶏の言葉がなくなったのである。
  • アミノ酸摂取で人体の新しいタンパク質を合成させれば、ガン細胞は消滅化することが解ったのである。
  • 抗がん剤治療では白血球減少が起こり抵抗力がなくなる、それを防止し、抜け毛を防ぎ、また生えてくる現象も起こった。
ちなみに、本文中には具体的な商品名の記述がありません。「アガリエ菌発酵」「タンパク質をつくる微生物」「焼酎粕で造ったポリペプチド」「パイン果樹を使用してポリペプチド生産」という断片的な情報の後に、「コヘンルーダ薬草」「発酵後のサトウキビ飲料水」という単語が来て、最後の最後に、
なんと醗酵後のキビ飲料水はカラダの構造を握るアミノ酸だったことが解ったのです。
とあり、さらに「アガリエ菌による醗酵キビ酢」の成分表が掲載されています。
しかし、これらの情報はあくまで断片的な情報に過ぎませんから、放線菌を自称するアガリエ菌がアミノ酸生合成や酢酸発酵に関与するわけが無いという基本的なツッコミを入れるのは、逆に野暮というものでありましょう。
ましてや、醗酵キビ酢なるものを飲めば、ガン細胞が消滅するなどと勘違いして、治療をおろそかにしたり、薬事法違反を問うようなことはせず、静かに放置しておくのが利口な対処であると思います。
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