HB-101

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HB-101

HB-101とは、どんな資材ですか?

HB-101は、農法ではなく資材名です。公式ページによると、HB-101は、
自然の植物から植物の活力化に有効な成分のみを抽出した、純天然植物エキスです。
地球の自然な環境を守る植物の正常な繁栄に寄与し、我々人類をはじめ全生物の健全な発展のためにつくり出された製品です。
とのことで、中身については、
杉、桧、松、オオバコより抽出した植物の栽培のための天然の栄養液です。植物だけでなく、人間と動物と地球にやさしく安全無害です。
また、木酢液ではありません。
上記原材料以外は一切使わず、化学処理もしてありませんので、色(薄黄~茶色)と香りに幅がありますが、効果と性能は一定です。薄めると泡が出ますが、サポニン性の有効成分で展着力もあります。
とあります。
「サポニン」は広く植物に含まれる物質で、ギリシャ語で「泡立つ」という意味を持ち、いわゆる石鹸のような界面活性作用を持ちます。
界面とは、2つの性質の異なる物質の境界面のことです。よく、混じり合わないものの代表として、「水と油」が挙げられますが、混じり合わない水と油の間には界面が存在しています。
界面活性とは、この界面に働いて界面の性質を変え、2つの物質(例えば水と油)を混じり合わせることです。
農業の世界では、石油由来の化学合成農薬は一般に水と混じりにくく、また植物によっては、植物体が分泌するワックス成分のために、農薬や葉面散布剤が植物に付着しづらいことがあります。
このため、「展着剤」として界面活性剤を使うことで、水と混合しやすくしたり、植物表面から流れにくくする効果を持たせることがあります。
まあ、サポニンの界面活性作用は石鹸などより相当弱いのですが…

検証1-HB-101でイオンバランスが良くなる?

次に、『植物コメンテーター』青山健一郎なる氏のコメントが掲載されています。
植物が生長する条件は太陽(日光)、大気(炭酸ガス、酸素)水、土(土壌=無機質、土壌微生物)が十分に存在することです。これらの条件のバランスが崩れると正常な生長はしません。
植物は葉より日光と炭酸ガスを吸収し糖を合成します(光合成)。
「HB-101」を葉面散布や土壌灌水しますと、土壌よりリン(P)と窒素(N)を効率良く吸収し葉の細胞を活力化させ、光合成の効率を良くします。
理由として、根から汲み上げた水と肥料のリンや窒素とともに「HB-101」の中のカルシウム(カルシウムイオン)、ナトリウム(ナトリウムイオン)等が細胞液の中にバランス良く溶け込むために細胞が活力化され、光合成の効率を良くします。従って、葉が青々となり健全な生長につながります。
3行目において、『土壌よりリンと窒素を効率よく吸収』する理由が『HB-101中のカルシウム、ナトリウムが細胞中にバランスよく溶け込むため』とあります。
カルシウムは植物細胞の細胞壁の主要な成分であり、細胞分裂が盛んな根や葉の先端で多く必要とされます。
一方、ナトリウムはC4植物(熱帯のサトウキビ等。光合成経路がC3植物(大部分の植物)と異なる)の光合成で使用されますが、通常植物はほとんどナトリウムを必要としません。
また、HB-101中のカルシウムの成分量は41mg/L、10a当たり施用量が100ccだそうですから、植物体内の成分量に比べて、施用量があまりにも過少であり、HB-101由来とはとても言えないレベルと考えられます。
(カルシウム欠乏の症状を呈している植物に対し、カルシウム剤の葉面散布により症状改善を図ることはあります)
植物の健全な成長は、まずもって特定成分が偏らないように、まさにバランスよく施用することが重要であり、特定の成分施用はバランスが崩れたときに追加的に施用するものであって、何にでも「これを入れれば大丈夫」と言い切るのは適切ではないと考えます。

検証2-HB-101で土壌微生物バランスが良くなる?

次に、
葉と根の役割は、水分と肥料の取り込みと運搬等が主ですが、葉が正常であるには根が丈夫でなければ成り立ちません。
茎と根の生長には水と栄養分(主にカルシウム)が必要ですが、カリウム(K)をはじめ種々の無機質は個体のままでは吸収できません。
それらの無機質は土壌中の微生物に食べられて植物の根が吸収しやすいようにイオン(水中に溶け込んでいる無機質)の形にされます。
従って、土壌微生物が活力化されていないと根の生長はありません。「HB-101」を灌水しますと土壌微生物が活力化され、それぞれの微生物(有益菌、有害菌)のバランスを保ちます。
また、「HB-101」は多数の無機質がイオンの形で溶け込んだ溶液です。根からの吸収は無機質の含んだ水ですから、抵抗なく養分を吸収します。従って根を丈夫にし、糖などのエネルギー源をも十分に貯蔵します。
「HB-101」には植物の養分[水、無機質(イオン)]の供給と微生物に酸素を供給するサポニンが十分に入っています。
とあります。
微生物は自らの生命を維持するために、栄養源(主として有機物)を摂取し、結果として排泄されるものが「分解された無機物(あるいは有機物)」なのです。
そして、無機物がイオン化するのは、「微生物が分解するから」ではなく、まさに「(イオン交換されて)水に溶けるから」</font>であります。
さらに、『根からの吸収は無機質の含んだ水ですから、抵抗なく養分を吸収』とありますが、植物だって恒常性維持の必要がありますから、何でもかんでも無尽蔵に吸収するわけではありません。
ところで、『有害菌と無害菌のバランス』とありますが、(人間にとっての)有害菌は主に生体植物を栄養源とし、結果として植物に悪影響を及ぼすものであり、生体植物を栄養源としても悪影響を及ぼさないもの、あるいは生体植物以外(動物や植物残さ(堆肥など))を栄養源とするものが無害菌と区分できると考えられます。
作物を育て、かつこれらの菌のバランスを保つためには、無害菌(と呼称するもの)の栄養源を十分に与え、結果的に均衡を図る必要があるものと考えられます。
特定の栄養分だけで全ての微生物が活力を得るわけではないし、表記の施用量では、土壌中の微生物量に対して無機物の量が少なすぎると考えられます。
最終更新:2010年12月07日 16:33
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