サーバリックスは危険なのか? > アジュバントはペットの去勢の為に作られたって聞いたけど?

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その噂の発端は、境春美・木村三生夫両氏による「[[どうなる今冬のインフルエンザワクチン WHOによるパンデミック宣言の真相解明のために欧州会議が調査を開始>http://homepage2.nifty.com/clin_virol/parts/Clinical/InfluenzaA2009vaccine.pdf]]」という論説です。この論説の41ページにある「注10」には次のような記述があります。 >スクワレン(ノバルティスファーマのMF-59,GSK のAS04に含まれる)は1998年にペット用のワクチンのアジュバント-9を人間用に開発したものであり,アジュバント-9を接種された動物は不妊症になるという.2009年12月22日,わが国でGSK のヒトパピローマウイルスワクチン(商品名 サーバリックス)が発売された.サーバリックスに添加されているアジュバントはAS04である.AS04アジュバント複合体はグラム陰性菌Salmonella Minnesota R595株のリポ多糖の非毒性型誘導体である3-脱アシル化-4’-モノホスホリル リピッドA(MPL)34)と水酸化アルミニウムより成ると添付文書に書かれている.さて,リピッドは油/脂肪酸である.そして,MPL こそFDA,NIH,米国国防省が1998年に至急の手順で臨床試験を行った新遺伝子組み換えAnthrax vaccine に使用された2種類のスクワレンをベースとするアジュバントの1つである33).(もう1つはカイロン社のMF59-これはノバルティスファーマのA(H1N1)2009<単価ワクチン>に添加されている)34)その他に,MPL(AS04)はスクワレンがベースであるという情報も複数インターネットに掲示されている113-116). 何をどこから説明していけばよいのか非常に困る文章ですが、順次訂正していきます。 >「スクワレン(ノバルティスファーマのMF-59,GSK のAS04に含まれる)」 とありますが、「&bold(){GSKのAS04」ではなく「GSKのAS03」の誤認}だと考えられます。ノバルティスファーマのMF-59,GSKのAS03にはスクワレン(スクアレン)は含まれています。しかし、この点については下記の論文にもあるように、それぞれ安全性と効果は確認されています。 次に、 >「スクワレン(ノバルティスファーマのMF-59,GSK のAS04に含まれる)は1998年にペット用のワクチンのアジュバント-9を人間用に開発したものであり」 とはありますが、「アジュバント-9」という名前からも分かる通り始めて作られたアジュバントではありません。さらに、ペットの避妊・去勢のためにアジュバントが作られたとは書いていません。「ペットの避妊・去勢用のワクチンに利用されていたアジュバントを人間用に開発した」と書いてあります。ここに書いてある通りに解釈するならば「スクワレンというアジュバントはペットに使用するワクチンに含まれるアジュバントを改良したもの」ということであり、&u(){避妊・去勢用の作られたアジュバントたということではありません。} &bold(){なお、サーバリックスに用いられているアジュバントはAS04であり、これにはスクワレン(スクアレン)は含まれていません。} 当サイトの[[ サーバリックスに使用されているスクワレンってアジュバントが危険って聞いたけど?>http://www44.atwiki.jp/cervarix/pages/22.html]]も参照頂けると幸いです。 さて、ここでスクワレンについて調べてみます。スクワレンといっているものはスクアレンというのが一般的のようで、[[スクアレン - Wikipedia>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%B3]]には次のような名前が載っています。スクアレン(squalene)、IUPAC名は2,6,10,15,19,23-ヘキサメチルテトラコサ-2,6,10,14,18,22-ヘキサエン、別名はスクワレン、分子式はC&sub(){30}H&sub(){50}。さらに、Wikipediaには次のように載っています。 >1906年に東京工業試験所の辻本満丸によってクロコザメの肝油から発見され、1926年、イシドール・ヒールブロン (Isidor Morris Heilbron) によって構造が決定された[1]。 そうすると、スクアレン(スクワレン)を開発したというのも嘘のようです。もう少し突っ込んでMF-59に関しても調べてみます。財団法人 日本生物科学研究所の[[MF-59オイルアジュバント>http://nibs.lin.gr.jp/tayori/tayori526/rev526.htm]]には次のように載っています。 >  カイロン社が開発したMF59アジュバントは水溶液にオイル粒子が分散したoil in waterタイプである。オイルとして毒性が低いとされるスクワレンを5%,界面活性剤として0.5%のポリソルベート80(Tween80)と0.5%のソルビタン・トリオレイン酸(Span85)を含む。これらの物質を水溶液中でマイクロフルオダイザー(Model 110Y,Microfluidics社)を用いて12000気圧の高圧でホモゲナイズして,乳化した。0.22μmのフィルターを通し,通過した粒子のみをアジュバントとして用いた。平均粒子径は194±76nmであった1)-3)。 ここからも「MF-59アジュバントにはスクワレンが含まれる」という事は分かります。今までの事を考えてみると >「スクワレン(ノバルティスファーマのMF-59,GSK のAS04に含まれる)は1998年にペット用のワクチンのアジュバント-9を人間用に開発したものであり」 というのは誤認・誤解・嘘だらけという事がわかると思います。アジュバントはペットの避妊・去勢用に開発されたものでもありませんし、スクワレンはアジュバントという認識もまちがいでアジュバントに含まれる一成分ということです。 また、アジュバントによって不妊になると心配される方もいると思いますが、その説明は[[サーバリックスで不妊になるのか?>http://www44.atwiki.jp/cervarix/pages/13.html]]をみて下さい。 なお、上記のAS03やMF59は、インフルエンザワクチン(商品名アレパンリックスや商品名Fluad)のアジュバントとして用いられており、スクワレン(スクアレン)は含まれていますが、その安全性についてては以下の論文で確認されています。 参考論文 British Medical Journal(BMJ) 2010,Vol.340: c2649 [[Safety and immunogenicity of AS03B adjuvanted split virion versus non-adjuvanted whole virion H1N1 influenza vaccine in UK children aged 6 months-12 years: open label, randomised, parallel group, multicentre study>http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2877808/?tool=pmcentrez]] Expert of Vaccine (2007), Vol.6, No.5, 699-710 [[MF59 is a safe and potent vaccine adjuvant that enhances protection against influenza virus infection>http://www.expert-reviews.com/doi/abs/10.1586/14760584.6.5.699?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%3dpubmed]]
その噂の発端は、境春美・木村三生夫両氏による「[[どうなる今冬のインフルエンザワクチン WHOによるパンデミック宣言の真相解明のために欧州会議が調査を開始>http://homepage2.nifty.com/clin_virol/parts/Clinical/InfluenzaA2009vaccine.pdf]]」という論説です。この論説の41ページにある「注10」には次のような記述があります。 >スクワレン(ノバルティスファーマのMF-59,GSK のAS04に含まれる)は1998年にペット用のワクチンのアジュバント-9を人間用に開発したものであり,アジュバント-9を接種された動物は不妊症になるという.2009年12月22日,わが国でGSK のヒトパピローマウイルスワクチン(商品名 サーバリックス)が発売された.サーバリックスに添加されているアジュバントはAS04である.AS04アジュバント複合体はグラム陰性菌Salmonella Minnesota R595株のリポ多糖の非毒性型誘導体である3-脱アシル化-4’-モノホスホリル リピッドA(MPL)34)と水酸化アルミニウムより成ると添付文書に書かれている.さて,リピッドは油/脂肪酸である.そして,MPL こそFDA,NIH,米国国防省が1998年に至急の手順で臨床試験を行った新遺伝子組み換えAnthrax vaccine に使用された2種類のスクワレンをベースとするアジュバントの1つである33).(もう1つはカイロン社のMF59-これはノバルティスファーマのA(H1N1)2009<単価ワクチン>に添加されている)34)その他に,MPL(AS04)はスクワレンがベースであるという情報も複数インターネットに掲示されている113-116). 何をどこから説明していけばよいのか非常に困る文章ですが、順次訂正していきます。 >「スクワレン(ノバルティスファーマのMF-59,GSK のAS04に含まれる)」 とありますが、「&bold(){GSKのAS04」ではなく「GSKのAS03」の誤認}だと考えられます。ノバルティスファーマのMF-59,GSKのAS03にはスクワレン(スクアレン)は含まれています。しかし、この点については下記の論文にもあるように、それぞれ安全性と効果は確認されています。 次に、 >「スクワレン(ノバルティスファーマのMF-59,GSK のAS04に含まれる)は1998年にペット用のワクチンのアジュバント-9を人間用に開発したものであり」 とはありますが、「アジュバント-9」という名前からも分かる通り始めて作られたアジュバントではありません。さらに、ペットの避妊・去勢のためにアジュバントが作られたとは書いていません。「ペットの避妊・去勢用のワクチンに利用されていたアジュバントを人間用に開発した」と書いてあります。ここに書いてある通りに解釈するならば「スクワレンというアジュバントはペットに使用するワクチンに含まれるアジュバントを改良したもの」ということであり、&u(){避妊・去勢用の作られたアジュバントたということではありません。} &bold(){なお、サーバリックスに用いられているアジュバントはAS04であり、これにはスクワレン(スクアレン)は含まれていません。} 当サイトの[[ サーバリックスに使用されているスクワレンってアジュバントが危険って聞いたけど?>http://www44.atwiki.jp/cervarix/pages/22.html]]も参照頂けると幸いです。 さて、ここでスクワレンについて調べてみます。スクワレンといっているものはスクアレンというのが一般的のようで、[[スクアレン - Wikipedia>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%B3]]には次のような名前が載っています。スクアレン(squalene)、IUPAC名は2,6,10,15,19,23-ヘキサメチルテトラコサ-2,6,10,14,18,22-ヘキサエン、別名はスクワレン、分子式はC&sub(){30}H&sub(){50}。さらに、Wikipediaには次のように載っています。 >1906年に東京工業試験所の辻本満丸によってクロコザメの肝油から発見され、1926年、イシドール・ヒールブロン (Isidor Morris Heilbron) によって構造が決定された[1]。 そうすると、スクアレン(スクワレン)を開発したというのも嘘のようです。もう少し突っ込んでMF-59に関しても調べてみます。財団法人 日本生物科学研究所の[[MF-59オイルアジュバント>http://nibs.lin.gr.jp/tayori/tayori526/rev526.htm]]には次のように載っています。 >  カイロン社が開発したMF59アジュバントは水溶液にオイル粒子が分散したoil in waterタイプである。オイルとして毒性が低いとされるスクワレンを5%,界面活性剤として0.5%のポリソルベート80(Tween80)と0.5%のソルビタン・トリオレイン酸(Span85)を含む。これらの物質を水溶液中でマイクロフルオダイザー(Model 110Y,Microfluidics社)を用いて12000気圧の高圧でホモゲナイズして,乳化した。0.22μmのフィルターを通し,通過した粒子のみをアジュバントとして用いた。平均粒子径は194±76nmであった1)-3)。 ここからも「MF-59アジュバントにはスクワレンが含まれる」という事は分かります。今までの事を考えてみると >「スクワレン(ノバルティスファーマのMF-59,GSK のAS04に含まれる)は1998年にペット用のワクチンのアジュバント-9を人間用に開発したものであり」 というのは誤認・誤解・嘘だらけという事がわかると思います。アジュバントはペットの避妊・去勢用に開発されたものでもありませんし、スクワレンはアジュバントという認識もまちがいでアジュバントに含まれる一成分ということです。 また、アジュバントによって不妊になると心配される方もいると思いますが、その説明は[[サーバリックスで不妊になるのか?>http://www44.atwiki.jp/cervarix/pages/13.html]]をみて下さい。 なお、上記のAS03やMF59は、インフルエンザワクチン(商品名アレパンリックスや商品名Fluad)のアジュバントとして用いられており、スクワレン(スクアレン)は含まれていますが、その安全性についてては以下の論文で確認されています。 参考論文 British Medical Journal(BMJ) 2010,Vol.340: c2649 [[Safety and immunogenicity of AS03B adjuvanted split virion versus non-adjuvanted whole virion H1N1 influenza vaccine in UK children aged 6 months-12 years: open label, randomised, parallel group, multicentre study>http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2877808/?tool=pmcentrez]] Expert of Vaccine (2007), Vol.6, No.5, 699-710 [[MF59 is a safe and potent vaccine adjuvant that enhances protection against influenza virus infection>http://www.expert-reviews.com/doi/abs/10.1586/14760584.6.5.699?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%3dpubmed]]

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