サーバリックスは危険なのか? > 副反応がたくさんあると言われているけど?

「HPVワクチンは副反応が多く、重篤な副反応や死亡者も多数報告されている」などと言う人がいます。それは本当でしょうか?
この話に入る前に、有害事象と副反応について勉強しておきましょう。

まず、有害事象について調べてみると weblio辞書 有害事象(adverse event) には次のように載っています。

有害事象(AE)(ユウガイジショウ)
治験薬を投与された被験者に生じたあらゆる好ましくない医療上のできごと。必ずしも当該治験薬の投与との因果関係が明らかなもののみを示すものではない。すなわち、有害事象とは、治験薬が投与された際に起こる、あらゆる好ましくないあるいは意図しない徴候(臨床検査値の異常を含む)、症状または病気のことであり、当該治験薬との因果関係の有無は問わない。

また、他2件検索結果がありますがそれらも同様のことが記載されています。

ここで注目して欲しいの語句は「因果関係のはっきりしないものを含め」と「あらゆる好ましくない」です。
分かりやすくするために極端な例を出すと、「2ヶ月前にHPVワクチンを打った人が、餅を喉に詰まらせて窒息死した」ということもHPVワクチンを接種した有害事象として報告されます。これは、あらゆるデータから真に医療行為によって発生した好ましくない徴候や症状を見逃さないために必要なことです。そのため、医療行為などと関係ないまたは関係ないかも知れないというものも全て報告されます。これが有害事象報告制度というものです。

次に、 副反応(adverse drag reaction) についても同じ サイト から引用してみましょう。

副反応
副反応(ふくはんのう)とは、ワクチン接種に伴う、免疫の付与以外の反応のことである。

これは、明らかにワクチンが原因の想定外の反応のことを指します。

ここで明らかにしたいことは、「HPVワクチンによる有害事象 = HPVワクチンによる副反応」ではないということです。HPVワクチンによる有害事象とは「HPVワクチンが原因の兆候・症状」と「HPVワクチンが原因ではない兆候・症状」を合わせたものであり、HPVワクチンによる副反応とは「HPVワクチンが原因の兆候・症状」のみです。すなわち、この2つは包含関係にあり、「HPVワクチンによる副反応」は「HPVワクチンによる有害事象」に含まれています。よって、「HPVワクチンによる有害事象」と「HPVワクチンによる副反応」は同列に扱えないことが分かります。ここまでは何も問題ないですね。

さて、ようやく本題に入って行きます。HPVワクチンが危険だと訴える人の中に、次のサイトのリンクを提示し危険性の証拠とする人がいます。
HPV Vaccine (Gardasil and Cervarix) VAERS Reports - Injury and Death Continue to Climb
まず、ページ下部に

THE SANE VAX MISSION is to promote Safe, Affordable, Necessary & Effective vaccines and vaccination practices through education and information. We believe in science-based medicine.

とあるので、この時点で馬鹿らしくなり相手にしたくなくなるのですが、グッと堪えてこのサイトの間違いを指摘していきたいと思います。因みに SANE VAX とは反ワクチン団体の一つで、この世からすべてのワクチンをなくしてしまえという非科学的・非医学的な主張をする団体です。

まず、最初から

HPV Vaccine (Gardasil and Cervarix) VAERS Reports - Injury and Death Continue to Climb
HPVワクチン(ガーダシルとサーバリックス)の VAERS レポートにおいて、傷害を受けた人や死亡者数が上昇し続けている

ここで出てくる VAERS とは、Vaccine Adverse Events Reporting System のことであり、「ワクチンによる有害事象報告制度」とでも訳せばいいでしょうか。あらかじめ予習をしていたので、ここで報告されている内容がどのようなものか想像はつきますね。そうです、ワクチンを接種後に起きた「あらゆる」好ましくない出来事が報告されていて、それらはワクチンが原因でないものも含まれるのです。

続いて、その証拠としてリンクを貼ってあります。

Vaccine Adverse Effects Report System (VAERS) cumulative deaths report - June 16, 2009 - http://www.judicialwatch.org/files/documents/2009/vaersd ...

この文書には更に詳細が書かれた VAERS-052009-to-092010.pdf へのリンクがありますが、このファイルは3589ページの容量9.83MBあるPDFであり、置いてあるサーバが米国ですので普段私たちが閲覧しているような日本のサーバと違いレスポンスが少し遅いので、通信およびPC環境と整っていて興味がある人だけ開くようにしたほうがいいと思います。


これは、VAERS に寄せられた累積の死亡者数ですと書いてあります。
では、早速そのリンク先を見てみましょう。
Vaccine Adverse Effects Report System (VAERS) cumulative deaths report - June 16, 2009(PDF)
リンク先には、VAERS に報告があった有害事象の、VAERSによる固有のID、年齢、発症時期、死亡原因が書かれています。unknown となっている部分もあるので、発症時期と死亡原因を分かっているものだけ書き上げていきます。

発症時期
6d、14d、3h、58d、14d、3d、0d、2d、50d、115d、21d、16d、0d、1d、56d、14d、15d、2d、2d、17d、14d、4d、3d、263d、15d、11d、12d、86d、240d、71d、5d、181d、25d

死亡原因
myocarditis(心筋炎)、blood clots(凝血)、blood clots、influenza, sepsis(インフルエンザ、敗血症)、blood clot、anaphylactic shock(アナフィラキシーショック)、meningitis(髄膜炎)、blood clot、arrhythmia(不整脈)、idiopathic seizures(突発性発作)、cardiomyopathy, arrhythmia(心筋症、不整脈)、pulmonary embolism(肺塞栓症)、allergic reaction of Gardasil(ガーダシルのアレルギー反応)、cardiac arrest, unknown cause(原因不明の心停止)、seizures, cause unkown(原因不明の発作)、unclassified neurologic prrocess(分類できない神経性の経過)、massive pulmonary embolus(広範囲に及ぶ肺塞栓)、myocarditis、unknown, cardiac arrest(原因不明の心停止)

発症時期のnd、nhはそれぞれワクチン接種からn日後、n時間後を表します。
発症時期を見てみると、3h、0d、1d などワクチン接種との関係が否定できないようなものもある一方、14d、14d、14d、15d、15d、16d、17d、21d、25d、50d、56d、58d、71d、86d、115d、181d、240d、263d のようにほとんどワクチン接種と無関係と思われるものまで含まれています。そして、無関係と思われるもののほうが多いです。

次に、死亡原因を見てみると、はっきりとワクチンのせいだと書いてあるのは、allergic reaction of Gardasil(ガーダシルのアレルギー反応)のみです。また、アナフィラキシーショック(anaphylactic shock)もワクチン接種のせいじゃないかと思う人もいるかも知れませんが、ここで報告されているものは、ワクチン接種から3日後にアナフィラキシーショックを発症していることを考えるとワクチンは無罪です。アナフィラキシーショックはアレルギー反応の一つで過剰な免疫反応が起こることが原因です。このような反応はワクチン接種直後に起こるものです。

確かに VAERS には数多くのワクチン接種による有害事象が報告されています。しかし、いま述べた例でわかるように本当のワクチンによる重篤な副反応は数少なく10万人当たり一桁台程度です。実際に、2013(平成25)年6月14日に、「HPVワクチンを勧奨することを一時差し控える」ことを決定した、厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会において使用されていた 資料:子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス)の副反応報告状況(PDF) には、サーバリックス販売開始から2013(平成25)年3月31日までに、延べ6,957,386件の接種があり、そのうち医療機関から報告された副反応は1001件(0.014%)であり、更にそのうち重篤と判断されたものは91件(0.0013%)となっています。つまり、サーバリックスが原因で重篤な副反応を起こした人は10万人に1.3人という割合になります。
しかも、重篤とは報告者により異なり、資料には注釈で

「重篤」とは、死亡、障害、それらに繋がるおそれのあるもの、入院相当以上のものが報告対象とされているが、必ずしも重篤でないものも「重篤」として報告されるケースがある。

となっています。その内容を確認するために同じ副反応検討部会の 資料:これまでの報告一覧(PDF) を見てみます。すると、重篤と報告があるものには、頭痛や嘔吐、筋肉痛、低血圧、失神寸前の状態、発熱、発赤、悪寒、関節痛、下痢などの軽微と思われるものや、発声障害、胃腸障害、B型肝炎抗体陽性、肝機能障害、肛門出血、円形脱毛症、肺炎、脂肪肝、転倒、挫傷、気胸、自傷行為などほとんどHPVワクチンに関係のないようなものまで含まれています。

以上のことからわかるように、有害事象として報告されているものの中には、HPVワクチンと無関係なものも数多く含まれます。しかし、有害事象と副反応の区別がつかないメディアなどが「有害事象の数」を「副反応件数」として、ひどい時には「重篤な副反応件数」として報道しています。そして、それを受けて視聴者や購読者がツイッターやブログで誇大な数字を拡めることとなっています。そのため、事実とは違う数字がひとり歩きをし、ワクチン接種対象者やその家族に不必要な不安を与えることとなっています。

さらに、日本で失神などが多いですが、WHOの2013年6月13日の報告( WHO | Safety of human papillomavirus vaccines )の 13 June 2013 – Statement on HPV vaccines(PDF) において、オーストラリアではめまい,動悸,意識喪失あるいは虚脱を含む徴候,虚弱および失語症等の有害事象は予防接種への心因反応と結論づけたと報告しています。2013(平成25)年現在の日本では、不妊デマをはじめ大げさな報道によりHPVワクチンは危険だというような風説(世間に広まっている根拠のない話)が流れていますが、それを耳に挟んだワクチン被接種者がオーストラリアと同様に心因性の反応を起こした人も多いと思います。その様な風説がなくなれば、HPVワクチンの有害事象の報告数は激減すると思われます。

また,日本で報告される副反応の報告数が,海外の報告と比べると異常に多い件に関して分ったことがあります.「 2012年11月14日 第23回厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会議事録 」において,以下のような発言がされています.少々長いですので要約すると「"現在,副反応と報告されているものは,実際は有害事象であってしっかり言葉の使い分けをしなければ医療従事者も国民も混乱するのではないか?"との指摘に対して"語感として「副作用」と「有害事象」では「有害事象」の方が怖い感じがするので今まで通りでいいのではないか?"という意見が出て結局この2つの単語の使い分けに関しては棚上げになる」という内容です.ようするに「国民は言葉の意味が分らないから語感で怖そうなのは除こうよ」という決定をしたのです.これは日本国民を非常に馬鹿にした決定であり,ワクチン行政にとって負の遺産にしかなりません.

○岡部委員
 資料2、資料3に共通なのですけれども、副反応という言葉について、全てを副反応というふうにしているので、しばしば誤解があると思うのです。
 今までの部会あるは分科会でも有害事象の捉え方ということと、それから副反応ということをしていかないと、副反応という報告を求めているつもりでいながら有害事象が含まれていたり、本来は有害事象であるのに副反応という言葉がひとり歩きをしたりということがしばしば見られているので、本来は有害事象を集め、その中の副反応について検討するというようなあり方が正しいのではないかと思います。
○加藤部会長
 この件につきましては、私も同じような意見もありましたが、厚労省と少し話し合いをしまして、一定の見解を得ておりますので、正林課長から御説明をいただきます。
○結核感染症課長
 有害事象というのは、因果関係はあるもの、ないもの全てを有害事象として捉えると。
 副反応というのは、本来は、ある程度因果関係があると想定されるものが副反応という言い方をするので、今の岡部先生のような御指摘だったと思いますけれども、これは、日本語のニュアンスなのですが、有害事象という日本語から来るニュアンスは物すごく悪いものというか、むしろ言葉のニュアンスからすると、一般的な日本語の感覚としては有害事象と言ったほうが何となく因果関係がより強いものが集まってくるようなイメージで、恐らく一般人は捉えられるのではないかと。
 それで、私ども副反応の報告を求めるときに、予防接種法でやるときは、因果関係を問わずという形で報告を求めていますので、そのような修飾語をつけることによってやることができないかなと考えていますが、いかがでしょうか。
○加藤部会長
 蒲生委員、私を含めて治験とかいろんなことを昔やった経験がある者としては、有害事象という言葉をよく使うのですけれども、一般の方々から見たときに、有害事象という言葉に関して違和感を感じられますか。
○蒲生委員
 感じます。課長がおっしゃったとおりで、有害事象のほうが悪いことのように思います。
○加藤部会長
 ありがとうございました。ということでございます。
 どうぞ。
○岡部委員
 確かに現在ではニュアンスもそうで、私も有害事象(Adverse events)という言葉が英語でスタートしたときは、そういうふうに思っていたんですけれども、しかし、例えばPMDAの治験のときでも、有害事象がこのぐらいで、その中から副反応と思われるのが、このくらいであるというような形になっていきますので、そこは言葉のつくり方に関連してくるのではないかと思います。
 むしろ、副反応報告として、これは委員会の名称も副反応の検討というと、そこに上がってくるものは全て副反応であると、非常にストレートにとられがちなので、むしろ言葉の定義をしっかりしていったほうがいいのではないかと、私は思うのですけれども。
○加藤部会長
 どうぞ。
○蒲生委員
 何度もありますように、任意という言葉を使ったがために受けなくてもいいというふうに誤解があるように、副反応と言ってしまうと怖い、有害事象だともっと怖いみたいになるので、因果関係があるとか、何か修飾語をつけたほうが一般の方にはわかりやすいのではないかと思います。
○加藤部会長
 ありがとうございます。この件で何か御意見はありますか、今、岡部委員から提案があった、全部が副反応ではないので、有害事象という言葉が有用ではないかという御意見があります。
 一方では、課長がお話しになったように、蒲生委員の御意見と全く同じで、一般の方々から見ると、有害事象というのは、より大きな怖い予防接種をした後、生じるような症状と捉えられる可能性が高いと、こういう御意見でございますが、その中で、もう少し副反応という言葉を使うのであれば、修飾語のようなものを因果関係に問わず、因果関係とは関係なくというような意味合いを含めたうまい言葉ができないかと、こういうような御意見ですね。何か今すぐに知恵は出ませんね。
○結核感染症課長
 修飾語としては、因果関係を問わない副反応とか、因果関係のある副反応とか、きちんと使い分けながらやればいいかなと思いますけれども。
○蒲生委員
 例えば、ワクチンによるとか、また、因果関係というのも一般的にはわかりづらいので、明らかにワクチンによる重篤なと、重篤というのも一般的にはわからないのですけれども、重い副反応、副反応は必ず出てもおかしくない、小さなものから大きなものまでいろいろありますので、その辺がわかりやすい言葉になると、よりお母様としては受けやすいと思います。
○加藤部会長
 この件で、どうぞ。
○坂元委員
 副反応と有害事象という言葉なのですけれども、特に実際に接種をやられている先生の中で、よく海外の文献を引用されるなかで、海外の文献は、ほとんどアドバースイベントで統一されていて、その翻訳用語が有害事象となっていて、その副作用に相当する英語というのがなかなかないということと、外国からの情報との整合性で、よく先生方からどういうふうに考えたらいいのかとの問いがあります。つまり副作用なのか有害事象なのかと聞かれます。ただ、国際的にはアドバースイベントという言葉で統一されているようには思うのですが、やはりインターナショナルなものとの整合性というのはある程度考えたほうがいいのではないかと思います。
○加藤部会長
 ちょっと言葉の使い方は、なかなか難しいのですけれども、今、ここで一応、第2次提言の中では統一して副反応という言葉遣いをしておりますので、ここはひとつ副反応という言葉でのんでいただきまして、そして、機会があるたびに、各委員から出ましたような誤解を生じないような、岡部先生がおっしゃったような、または蒲生委員がおっしゃったような、直接これはワクチンと結びつくものではないというようなことを、各委員会において明示していただくというような方向づけにしていただきたい。
 言葉遣いとしては、これをまた覆しますと、第2次提言の言葉遣いもまた変えなければならないということになりますので、副反応という言葉遣いで整えさせていただきたいと、私自身は思いますけれども。
 どうぞ。
○岡部委員
 それを含めて分科会で検討していただくというのは、いかがですか。分科会というのは、現行の副反応報告基準について検討する会をつくるというふうに書いてありますから、そこのところで含めて言葉のことも検討してもらうと。
○加藤部会長
 いえ、ですから、言葉遣いはもう提言に出ていますので、できれば変えないで、このまま進めていただきたいと。
 どうぞ。
○岡部委員
 今、たまたまコンピュータを見ているのですけれども、例えばWikipediaとか、楽天とか、そういうところにも有害事象という言葉の説明としてはきちんと出ているので、ここはむしろ明らかにしていったほうがいいと思います。2次提言をわざわざ変える必要はなくて、今後のこととしてやっていただければいいと思います。
○加藤部会長
 では、北澤委員、どうぞ。
○北澤委員
 私も今までの御意見と同じで、国際的な整合性ということもありますし、ワクチンも医薬品なのですから、やはり医薬品との整合性というか、言葉の面でも合わせていっていただきたいと思います。
 アドバースイベントを有害事象と訳すことが適当かどうかという問題は別途あると思うのですけれども、因果関係があるのかどうか、言葉の使い方を医療界全体で統一的に考えられるようにしていっていただきたい。医療者の中でも、副反応あるいは副作用という言葉の使い方について、ちょっとぐらつきがあるようにも思いますので、第2次提言の言葉遣いはこうだったとしても、ぜひこれから考えていっていただきたいと思います。
 もう一つは質問ですけれども、これは定期接種になっているワクチンについて、このような報告基準を設けるという話ですけれども、任意のものについてはどうなっているのか、ちょっと忘れてしまったので、もう一回確認したいのです。以前のこの部会の議論の中でも、定期と任意と分けるのはどうなのかという議論があったのではないかと記憶していますので、その点もあわせてお願いします。
○加藤部会長
 2次提言の中に任意のところもちょっと入っておりまして、事務局からいかがでしょうか、後段のほうですね、言葉遣いのほうはちょっと置いておきます。
○結核感染症課長
 任意の件は、たしか前回か前々回お答えしましたが、当時も今もそうですけれども、この副反応報告は一応法律に位置づけようとしていますので、義務をかけますから、そこはやはり法に定められた定期接種のみが報告の対象になります。
 任意のものについては、確かに研究とかそういう必要性はあるかなと思いますので、別の形で、研究になるのかどうかよくわかりませんが、何らかの形で把握できればなと思っています。
○加藤部会長
 池田先生、手が挙がりましたか、どうぞ。
○池田委員
 有害事象、副反応という言葉遣いにつきましては、やはり北澤委員の御意見に賛成でありまして、治験その他のものと違う言葉遣いになりますと、報告する医者などの医療者のほうが混乱しますので、そこはぜひ統一的にお願いしたいと思います。
 また、因果関係の有無に関して、現行では、副反応報告基準というのは因果関係のないものも含めて報告することになっているのか、因果関係が否定できないものを報告することになっているのか、そこが少なくともきょうの資料の中では明確でないので、それによって言葉遣いも有害事象とするか、副反応とするか変わってくるのではないかと思いますので、そこは済みません、教えていただければと思います。
○加藤部会長
 現行の副反応の報告というのは、予防接種との因果関係を問わず、ですから岡部先生の意見が出てくるわけですけれども、それに問わず、何らかの有害事象が出てきたときに報告をすると、こういうシステムに現行の定期の予防接種の場合にはなっております。
 それで、これから入ってくる可能性のある3つのワクチンについても、これから作業に入ると思いますけれども、そこでワクチンとの因果関係がある、なしにかかわらず、何らかの症状が出たものを副反応という言葉を使っているわけですが、そこでその言葉を有害事象にしたらどうかと、こういう御意見が岡部先生から出たと、北澤委員もそれに近い意見が出たと、蒲生委員のほうはちょっと怖い言葉ではないかという御意見、厚労省のほうも少し怖い言葉遣いではないかと、こういう御意見。
 これも、私も実はちょっと岡部先生に近い意見を厚労省に投げかけましたが、若干議論はいたしたところでございますが、もう一言何か。
○結核感染症課課長補佐(難波江)
 現行の副反応報告は、通知で任意で求めているのですが、その通知の中では、医師が予防接種後の副反応を診断した場合に報告するよう協力を求めることとなっておりまして、ここの通知の中には因果関係があった場合とか、否定できない場合という文言はございません。
 ただ、検討会の報告書などでは、常に因果関係は問わず求めていますという記載がありまして、我々も機会があるごとには因果関係を問わず集めている、協力してくださいということを申しておりますので、通知では明記はされていませんが、運用上、そういう因果関係を問わず集めているという形でやっております。
○加藤部会長
 ほかに何か御意見はございますか。
 どうぞ。
○坂元委員
 しばしば自治体として困るのですけれども、死亡という件に関して、1週間なら報告するのか、2週間なら報告しないのかということです。今回のポリオの死亡例を見ても、接種後ある機関が経過したものがたまたま出てきてしまうというケースもあるのですけれども、この死亡といった場合に、一体どれくらいの期間までに報告すべきかということについてある程度の目安を示していただけると、自治体としてはその情報を入手したときに判断ができるので、もし、検討いただけたらと思います。
○加藤部会長
 ありがとうございました。その件につきましては、これから御提案いたしますけれども、この基準等についての作業を進めていくことになりますので、そこで決めるということでいかがでしょうか。
 有害事象と副反応という言葉遣いの問題が、非常に難しいところですが、これは、何か御意見はありますか、どうぞ。
○結核感染症課長
 いろいろ御意見をいただきましたので、今後検討いたします。
○加藤部会長
 では、この言葉遣いは、ちょっと私が預からせていただきまして、また、厚生労働省のほうとよくお話し合いをさせていただきたいと思います。そして、また、各委員からの御意見、どういう形かわかりませんけれども、お伺いをしてより正確に物事が伝わるような方向で行っていきたいと、それでよろしいですか。
 それでは、先ほど、正林課長のほうから、今後の報告基準の設定につきまして、今、坂元委員からも御質問がありましたが、どのような形でやっていくかということについて作業班を設けて、その作業班の中で、この基準というようなものも、今、お話にあった死亡はどこまでとか、いろんなことがあると思います。そういうようなことを作業班をつくって、その下でいろいろな議論をしてはどうかと、こういう御提案がございましたので、私としては、この作業班というものを立ち上げていただきまして、その作業班で資料2についての作業をしていただきたいということでよろしゅうございますか。
 どうぞ。

また,副反応と有害事象に関して,うさじまうさこさんのブログ「うさうさメモ」の記事の 女性自身の「“危険すぎる副反応”の実態」という記事について および 子宮頸がんワクチン副作用者数一覧?有害事象と副反応 にも詳しく書いてありますので,ぜひ参考にしてみてください.
最終更新:2013年07月26日 12:41
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