スクワレン(スクアレン)がワクチンに含まれるから危険だと訴えているのは恐らく南出喜久治氏の公開質問状にある「スクワレンやポリソルベート80(Tween80)に不妊効果がある」という話が元になっていると思います。そこでまず
サーバリックスの添付文書
から成分を見てみましょう。
成分 |
分量 |
有効成分 |
ヒトパピローマウイルス16型L1たんぱく質ウイルス様粒子 |
20μg |
ヒトパピローマウイルス18型L1たんぱく質ウイルス様粒子 |
20μg |
添加物 |
3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドA |
50μg |
水酸化アルミニウム懸濁液(アルミニウムとして) |
500μg |
塩化ナトリウム(等張化剤)、リン酸ニ水素ナトリウム(緩衝剤)、pH調節剤 |
スクワレンといっているものはスクアレンというのが一般的のようで、
スクアレン - Wikipedia
には次のような名前が載っています。スクアレン(squalene)、IUPAC名は2,6,10,15,19,23-ヘキサメチルテトラコサ-2,6,10,14,18,22-ヘキサエン、別名はスクワレン、分子式はC
30H
50。サーバリックスの成分表には全く見られない名前です。
また、検索をすれば分かるようにスクアレンは人間の体内にも存在しますが、深海鮫の肝油に多く存在する物質のようで、
スクアレンSQUALENE(深海ザメエキス)
などによると「スクアレンの投与によって、マウスの移植ガンの肺への転移が著しく抑えられた」「スクアレンがガンに対する免疫を強化する」などの報告例があるようです。
いずれにしてもスクワレン・ポリソルベートはサーバリックスでは使用されていません。
なお、インフルエンザワクチン(商品名アレパンリックス)のアジュバントAS03や、(商品名Fluad)のアジュバントMF59には、スクワレンは含まれていますが、その安全性についてては、以下の論文で確認されています。
最終更新:2011年02月25日 23:16