サーバリックスは危険なのか? > サーバリックスは劇薬って聞いたけど?

まず劇薬の基準とはどの様なものなのでしょうか? 薬事法 - Wikipedia 劇薬 には次のように載っています。

劇薬は医薬品の一種である。定義及び取扱いは同法44条以下が定めている。
劇性が強いものを薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が劇薬として法令で指定する。劇薬は白地に赤枠、赤字をもって、その品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。また、その保管に際しては、他の物と区別して貯蔵および陳列しなければならない。
具体的には、致死量が、経口投与で体重1kgあたり300mg以下、皮下注射で体重1kgあたり200mg以下のものを言う。
前述の毒物と同様、毒物及び劇物取締法により定義される劇物とは別定義である。毒物及び劇物取締法2条2項により、医薬品としての劇薬は劇物ではない。医薬用でない劇物は、「医薬用外劇物」の表示がなされる。ただしジクロルボスのように同じ有効成分でも、製剤の形態で劇薬と劇物に分かれるものもあるが、同一製剤が劇薬と劇物両方に指定されることはない。

ここで使われている「致死量」とは、その量を投与されると半数が死ぬ量のこと。半数致死用量・LD50ともいわれます。サーバリックスでは1kgあたり200mgが適用されるようです。体重50kgの人で考えてみるとサーバリックスを1回に10g接種されると、接種された人の半数が死亡することになります。 サーバリックスの添付文書 をみてみると1回分0.5mL中の成分は下の表のようになり、サーバリックス1回分の摂取量を1mgとした場合でも、この10gという量はサーバリックス1万回分の量となります。「劇薬」という指定は単なる危険が及ぶ量の基準でしかなく、その量を超えて使用することはありませんし、健康に問題のないと思われる量が使用されています。

成分 分量
有効成分 ヒトパピローマウイルス16型L1たんぱく質ウイルス様粒子 20μg
ヒトパピローマウイルス18型L1たんぱく質ウイルス様粒子 20μg
添加物 3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドA 50μg
水酸化アルミニウム懸濁液(アルミニウムとして) 500μg
塩化ナトリウム(等張化剤)、リン酸ニ水素ナトリウム(緩衝剤)、pH調節剤

また、医薬品の「劇薬」に対して一般的な物質に対する「劇物」というのがありますが、 日本の劇物一覧 にたくさんの劇物がみられ、中には中学・高校の理科の実験などに使用されるものもあります。ナトリウムなどは非常に危険な物質ですが、中学・高校でナトリウムを使用した実験をしてはいけないなど聞いたことがありません。それは理科・化学の先生が「劇物」を適切な量を適切な方法で生徒に配り実験させているからです。それはサーバリックスなどの医薬品の「劇薬」にも当てはまります。しかもナトリウムの例と違うところは、生徒(素人)に「実験させている」という部分がないことです。つまり医者は「劇薬」を適切な量を適切な方法で医師または看護師が接種し、その中に患者という素人は絶対に入ってきません。最初から最後まで医師及び看護師が責任を持って取り扱っているのです。

簡単にまとめるとサーバリックスという「劇薬」は、使用量は健康に被害を与えないことを基準に考えられており、取り扱いは専門家が責任を持って行っているので殊更「劇薬」という言葉を心配する必要はないということです。

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劇薬
最終更新:2011年02月25日 23:18
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