アジュバント
アジュバント(Adjuvant) とは、薬物の作用を増強するために加えられる薬品・成分の総称。
ここでは、ワクチンにおけるアジュバントに絞って解説をする。
- ワクチンの主成分である病原体やその一部(抗原)を吸着し、体内で短時間で溶解しないようにする
- ワクチン接種部位に炎症を起こさせ、白血球(マクロファージ・樹状細胞など)が集まりやすくする
- リンパ球を活性化しやすくする
といった作用が考えられている。
アジュバントのタイプは次の2つに分類できる。
- 沈降性アジュバント・・・抗原を吸着させるための無機物
水酸化ナトリウム、水酸化アルミニウム、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、塩化アルミニウム などが挙げられる。
水酸化アルミニウムが用いられているワクチンとしては、子宮頸癌ワクチン以外に、破傷風ワクチン(トキソイド)などがある。
塩化アルミニウムが用いられているワクチンとしては、三種混合(百日咳・ジフテリア・破傷風)ワクチンがある。
- 油性アジュバント・・・抗原水溶液を油生成分で包み、粘性を高めることで接種部位からの拡散を防ぐ
流動パラフィン、ラノリン、フロイント などが挙げられる
サーバリックスに含まれる「3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドA」(略称 MPL)は、油性アジュバントではありません。
細菌由来の成分で、リンパ球などの免疫システムとは少し異なる、自然免疫のシステムを活性化する作用があります。
※TLR4(Toll-like recepter 4)のレセプターを活性化する
最終更新:2011年02月28日 02:51