ワクチンとは? > アジュバントって何?

アジュバント

アジュバント(Adjuvant) とは、薬物の作用を増強するために加えられる薬品・成分の総称。

ここでは、ワクチンにおけるアジュバントに絞って解説をする。

  1. ワクチンの主成分である病原体やその一部(抗原)を吸着し、体内で短時間で溶解しないようにする
  2. ワクチン接種部位に炎症を起こさせ、白血球(マクロファージ・樹状細胞など)が集まりやすくする
  3. リンパ球を活性化しやすくする

といった作用が考えられている。

アジュバントのタイプは次の2つに分類できる。
  • 沈降性アジュバント・・・抗原を吸着させるための無機物
     水酸化ナトリウム、水酸化アルミニウム、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、塩化アルミニウム などが挙げられる。
     水酸化アルミニウムが用いられているワクチンとしては、子宮頸癌ワクチン以外に、破傷風ワクチン(トキソイド)などがある。
     塩化アルミニウムが用いられているワクチンとしては、三種混合(百日咳・ジフテリア・破傷風)ワクチンがある。

  • 油性アジュバント・・・抗原水溶液を油生成分で包み、粘性を高めることで接種部位からの拡散を防ぐ
     流動パラフィン、ラノリン、フロイント などが挙げられる

サーバリックスに含まれる「3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドA」(略称 MPL)は、油性アジュバントではありません。
細菌由来の成分で、リンパ球などの免疫システムとは少し異なる、自然免疫のシステムを活性化する作用があります。
 ※TLR4(Toll-like recepter 4)のレセプターを活性化する

参考論文 Journal of Endotoxin Research, vol.12, No.5, (2006) 313-319
TLR4 agonists as immunomodulatory agents.

最終更新:2011年02月28日 02:51
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