サーバリックスは危険なのか? > 「子宮けい癌ワクチンは女っぷりを上げません!」についてその1

女っぷり向上委員会のブログで「 子宮けい癌ワクチンは女っぷりを上げません! 」という記事があるが、ここではその記事のいい加減さを説明していく。

以下の
ほげほげ
というのは「子宮けい癌ワクチンは女っぷりを上げません!」からの引用であり,
ふがふが
というのは「子宮けい癌ワクチンは女っぷりを上げません!」のブログ内での引用である。
また、
あわわ
というのは当ウィキの編集者が「子宮けい癌ワクチンは女っぷりを上げません!」のブログ内で引用したものの続きやブログ主が省略しているところを引用したものである。

本題に入る前に記事を読んで気づいたことをいくつか。
記事中に『アジュバント』と『アジュバンド』の二種類の記述があり、自分で詳しく調べて書いたものではなく、Thinkerや南出氏の発言などのサイトのコピペの可能性が高いことが分る。あくまでコピペ止まりで医学的・科学的にその先の真偽を問うことはしていない。ようするに「 正しい懐疑マニュアル 」におけるニセ科学に引っ掛かる人の前者である。

また、意図的に自分の都合のいい文章を切り貼りして事実を誇張したり嘘を作り上げている

子宮頸がん予防ワクチンの効果が確立していないなどの記述が散見されるが、その主張の仕方は「ワクチンを接種してから20年・30年しないと癌になったかならないかは確認できない」というものである。しかし、高リスクHPVに長期間感染することによって子宮頸がんを発症するのが明らかになっており、その高リスクHPVの感染を予防するのがこれらの子宮頸がん予防ワクチンなのであるから子宮頸がん予防ワクチンの効果は明らかである。「結果を見なければ分からない」というのは徒競走や受験など相対的な要素や運が多く含まれる事象を予測する時に使うものであって、今回の子宮頸がん予防ワクチンのように因果関係がはっきりしているものには当てはまらない。運動をしない人が毎日5000kcal摂取して太るかどうか分からないという人はいないだろう。

では「 子宮けい癌ワクチンは女っぷりを上げません! 」を引用しつつ、その内容を検討していく。

癌がワクチンで予防できるならいいなと思って調べ始めたのが発端。
今、日本で打てる子宮けい癌ワクチンは「サーバリックス」という名前で、このワクチンに添加されているアジュバント(免疫増強剤)はAS04というタイプです。

アジュバントには2つタイプがあるといわれていまして

1: 水酸化アルミニウム
ワクチンの有効成分(死菌等)に沈降性タイプの添加物をしみ込ませると、体内に長期間残留でき、死にゆく宿主細胞から放出されるDNAはアルミニウムのアジュバント活性を担うそうです。
2:油性タイプ
ワクチンの有効成分(死菌など)を油の膜で包み込むと、体内に長期間、残留させられるというものだそうです。

まず「1:水酸化アルミニウム」であるが,正しくは「沈降性アジュバント」の中に水酸化アルミニウムが含まれる。
水酸化アルミニウムのリンク先に書いてあることは「死にゆく宿主細胞から放出されるDNAはアルミニウムのアジュバント活性を担う」だけであり他の部分はThinkerからのコピペです。
また「死にゆく」という言葉を引用することによってマイナスのイメージを植え付ける心理的操作である。実際「死にゆく」を外して読めば普通の文章である。

「2:油性タイプ」について、これもThinkerからのコピペである。「1:水酸化アルミニウム」でもそうであるが、これも「死菌」という言葉を使うことによってマイナスのイメージを植えつけている。ワクチンの有効成分の説明であれば「毒性を無くしたか,あるいは弱めた病原体」と書くのが普通である。

1についての副作用としての懸念は、
マウス実験で、脳内の運動ニューロンを死滅させた。人間の脳は、マウスより5倍も弱いのだから、その危険性も容易に想像できます。

人間の脳はマウスより5倍も弱いという根拠がわからない及び何に弱いのか?物理的に?化学的に?それもどのような実験の結果で?これはThinkerの丸写しである。
また、どのような摂取の方法でこの結果が出たのかも一切不明である。

因みに、水酸化アルミニウムは制酸薬として経口投与可能な医薬品であり市販もされており、一般消費者がドラッグストアで購入する事も可能である。
当該医薬品の添付文書を確認すると確かに副作用で「アルミニウム脳症」の発現が記載されているが、これは透析を受けているほどの重度の腎不全患者に見られた副作用であり、腎が機能しない事で尿中へのアルミニウム排泄が阻害され、血中濃度が上昇した事により発症したものである。
同時に腎機能に問題がない者が通常量経口摂取しても重大な副作用の報告はなく、ましてや脳へのダメージは報告されてはいない

2についての副作用の懸念は
発癌問題、アジュバンドは人体にとっては「異物」です。この異物を封じ込めようと包み込む=「肉腫」が形成される。この反応「肉腫形成」でガン化するともいわれている。

これもThinkerのコピペである。大量のアジュバントを使用すればこのようなことも考えられるが、ワクチン接種程度の量であれば問題ない。
ワクチン接種による猫の肉腫の例があるみたいだが「 猫のワクチン接種ガイドライン2011/03/11 」人間の例は未だ発見できず。

また、アジュバントに関する正確な説明は以下のリンク先を参照して下さい。
アジュバントって何?
3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドA
水酸化アルミニウム懸濁液

2011年9月18日加筆修正

サーバリックスワクチンに使われている アジュバント 「モノホスホリルリピッドA」(略称 MPL)は、“脂質”ですが、油性アジュバント(オイルアジュバント)ではないそうです。

でも脂質も油性だしなぁ。

確かに「リピッド」は脂質であるが、栄養学における「脂質」と化学における「脂質」は別のものである。現在の生化学的定義は「長鎖脂肪酸あるいは炭化水素鎖を持つ生物体内に存在あるいは生物由来の分子」( Wikipedia - 脂質 )となり、通常イメージされる油ではない

アルミに関しては有用性を論じるサイトを上記該当部分にリンクさせて頂きました。


「これはアジュバントに水酸化アルミとMPLが使われているのですが、MPLだけのアジュバント効果が基礎データにはないのです。なぜ二つ加えなければいけなかったのか、その辺の根拠みたいなものについてメーカー側から情報はありますでしょうか。」
「MPLの単独での検討ですが、少なくとも私どもで確認している中では、御覧になったとおり常にMPLとアルミニウムと一緒の検討結果になっております。なぜ臨床でMPL単独でやっていないのかという点については、今この時点では正確には分かりません。」

ですって。

リンク先を実際に見てみれば分かることであるが、この後

○庵原委員 もし情報があれば教えてください。というのは、MPLがTh1型で動いて、水酸化アルミはTh2型で動きます。それを二つ混ぜることがどういう意味を持っているのか、そこが理解できないのです。
○機構 実は、GSKとしては、正に御指摘いただいたTh1とTh2と両方の効果を意図してMPLを配合しているという背景があります。

と続く。ブログ主は意図的に「二種類のアジュバントを使用している理由がわからない」と印象づけるように操作しているが、実際には「GSKはTh1とTh2の両方の効果を意図して二種類のアジュバントを使用している」とはっきり述べている。

アルミニウム混濁液に関してはリンク先参照:水酸化アルミニウム懸濁液
Monophosphoryl lipid A(MPL)・3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドAの効果についてはこちらのリンク参照:3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドA


私なりに要約すると、
  • AS04はMPLとアルミとの化合物で、MPLはサルモネラ菌由来。
  • サーバリックスは、昆虫細胞をたん白質発現細胞として用いた遺伝子組換え製剤だそうです。

まず「サルモネラ菌由来」という言葉を使って不安を煽っている、正しくは「グラム陰性菌Salmonella minnesota R595株のリポ多糖の非毒性型誘導体である3-脱アシル化-4′-モノホスホリルリピッドA(MPL)」である。

また、実際の議事録は

いわゆるアジュバントとして、アルミニウムのほかにサルモネラ菌由来のリピドA誘導体であるモノホスホリルリピドA(MPL)を含有しております。MPLを含有するアジュバントの添加により、高い抗体価の持続と細胞性免疫の誘導が見込まれております。

となっており、意図的に「高い抗体価の持続と細胞性免疫の誘導が見込まれております」などの安全性や効果を訴える文章が削られている

2番目の遺伝子組換え製剤云々は、バキュロウイルス発現系のことであるが,この文章だけでは不安を駆り立てる要素にしかならない.詳しくはリンク参照:サーバリックスに蛾の組み換え遺伝子が使われているって聞いたけど?

また、実際の議事録は

本剤は、このHPV-16型及び18型の外殻(キャプシド)を構成するたん白質を、バキュロウイルス発現系を用いて昆虫細胞によって産生させ、得られたウイルス様粒子たん白質を新規有効成分とするワクチンです。

となっており、遺伝子組換えをしたバキュロウイルスを用いて昆虫細胞内で生成されたタンパク質を利用したワクチンであり、決して昆虫細胞を遺伝子組換えして作られたワクチンではない

薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会(平成21年8月31日) 議事録にその件について質疑応答がありました。

「ワクチンを3回打ったあとの昆虫細胞に対する抗体は検出されなかったのかというのが一点です。というのは、昆虫細胞の安全性という意味で、これを見るとそのようなデータがなかったような気がしたので」
「昆虫細胞に対する抗体については、ある程度検出はされております。」
実際の議事録にはこの後に
「しかし、本剤の接種によって特段上がるとは、現時点で報告されておりません。」
と続く

「というのは、今、インフルエンザワクチンもバキュロ系(私注;昆虫細胞由来)で発現したものが日本でも作られようとしています。そうしたときに、抗体が産生されたときにバキュロで発現されたインフルエンザワクチンを打つと、さらに悪くなるのかならないのかとか。今後バキュロ型で出てくるワクチンが増えると思いますので、これはこれでいいのですが、そのほかのワクチンを打ったときに、これに対する抗体がさらに上積みされるのかどうか。その辺りの情報は、やってみなければ分からないですね。」
「おっしゃるとおり、その辺りはやってみないと分からないことかと思います」
これは途中で文章が切ってある。実際の議事録には次のように続いている。
「が、少なくともサーバリックスを打っている時点で抗体の異常な上昇は見られていないというところです。」

ここでも、悪意を持って議事録からの文章をかい摘みワクチンに対する否定的な感情を引き出そうとしている

牛や猿の次は、昆虫ですか。。。しかもサーバリックスがこの昆虫細胞を使ったワクチンでは初の試みだそうで、これから昆虫細胞由来遺伝子組み換えの製剤が増えていく中で本当に安全なのかは、やってみないとわからないそうです。。。目眩が。。。

「昆虫」ばかりを強調しているが、実際に利用されているのは昆虫由来の細胞であって昆虫の本体ではない。筆者は実際にタンパクが培養されいてる現場を知らないのではないか?

しかも、昆虫由来の細胞内で、ある目的をもって遺伝子組換えしたバキュロウイルスを増殖させるとL1タンパク質が多数発現し、その細胞を破壊しL1タンパク質だけをろ過・精製している。

さらに、バキュロウイルスとは節足動物にしか感染・増殖せず、人間にとって無害であり、多くのL1タンパク質を得るための有効な手段としてはバキュロウイルス発現系か哺乳類発現系しかないが、バキュロウイルス発現系を利用し哺乳類発現系を利用しないのは人間が哺乳類であり、万が一の事を考えてのことである。詳しくはサーバリックスに蛾の組み換え遺伝子が使われているって聞いたけど?を参照して下さい。

また、試験成績からすでに感染している場合の有効性は期待できないとの判断だそうです。


添付文書には「本剤は予防ワクチンであり、本剤の接種時に感染が成立している HPV の排除及び既に生じているHPV 関連の病変の進行予防効果は期待できない。」とある。そもそも本剤はウィルス感染を防ぐものであり排除を目的とするものではないと同時に、患部病変を治療し進行を防ぐ為のものではない
前提が間違っている

感染してしまった方の予防効果が有効性が期待できないってことは、性交後の接種推進はさらに疑問が残ります。20代30代女性の接種をした方、予定させてる方に医師からの正しい情報は伝わっているのでしょうか?

性交後であっても、ウィルス感染が見られなければワクチン接種による予防効果は期待できる
また、接種前には疑問点を自ら医師に問い合わせ、確認する事が求められる。医療従事者からの情報提供は、必ずしも一方的なものではない
また、 HPVワクチン(ガーダシル)を接種される方へ の「HPVワクチンガーダシルの概要」の4.には「ガーダシルの接種時にHPV6、11、16、18型のいずれかのHPV型に感染している場合、そのHPV型に対する予防効果は期待できませんが、これら4つのすべてのHPV型に感染している可能性は低いため、1つの型のHPVに感染している場合でも他の3つの型のHPVに対する予防効果は期待できます。」とある。

また、参考までに同じく子宮頸癌4価ワクチン「ガーダシル」について
著名学者が警告するHPVワクチンの危険性
には、こう記されています。

1. そもそも、非常に稀なタイプの癌の予防である。
2. 予防対象のウィルスは、98%の場合、子宮頸癌の原因でないウイルスである。
3. 定期的な婦人科検診を推進すれば、簡単に発見・治療できるタイプの癌を防止するものである。
4. 安全な性習慣の促進によって実現できるほどの予防効果もない。
5. ワクチンは約三年間の予防価値しかないかもしれないのに、性的活動を始める前の年齢の少女に対して推進されている。(私注;サーバリックスは約6年半とされています)
6. HPVの100種類以上のウィルス株の内、たった4種類の予防にしかならない。その全種類が、90%以上の症例で、身体本来の力で対処可能なものである。(私注;サーバリックスは2種類)
7. 安全だと証明されて「いない」。例えば、癌を発生させたり、不妊症になる可能性があるかは誰にも分からない。

そして、この学者は4つの型の抗体ができるワクチンでさえ、こう文末を締めくくっています。
90%の確率で自然に消える感染症を予防するために、深刻な副作用の危険のあるワクチンを接種する理由は、全然ない。それに、予防できるという保証はない。ワクチンを受けてもHPVに感染する可能性は依然としてあるからだ。ワクチンを接種する人が有利になる状況は、本当にない。

ここでは、1.から順にこの引用に対する反証をしていく。
  1. 実際には子宮頸がんは日本では1年あたり15000人が罹り3500人が亡くなっていて、罹患率は、100万人あたり140人(世界平均は124人/100万人)。30-50歳の間では、100万人あたり400人を超えています。さらに日本の20〜30歳代の女性患者数が倍増しており、30歳代女性における人口10万人あたりがん罹患率の内訳では、子宮頸がんが55人と1位であり、2位の乳がんの30人を大きく引き離しています。
    これを稀というかどうかはおいておくとして、ワクチンで救えるはずの命を救い、生まれるはずだった命を生まれさせるのが子宮頸癌ワクチンです。
    また、『稀』というのが『予防』にかかっているのだとすると、全くその通りである。数ある癌の中でも子宮けい癌のようにワクチンで予防できる癌はほとんどない。
  2. これはガーダシルの予防対象ウイルスHPV-6/11/16/18型のうちHPV-6/11型を指していると思うが、HPV-16/18型は子宮頸がんの主な原因のウイルスであり、HPV-6/11型は 尖圭コンジローマ の主な原因のウイルスである。別の場所で述べているがHPV-16/18型による子宮頸がんの割合は60%以上である。子宮頸がんの議論のはずなのに意図的にHPV-16/18を外すのは問題である。
  3. 早期発見・治療と共に、ワクチン接種による疾患とウィルス自体の根絶をも期待されている
    また、子宮頚部上皮内腫瘍で治療受けるとCIN再発、子宮頸癌リスクが上昇とのデータも存在する。( 子宮頚部上皮内腫瘍で治療受けるとCIN再発、子宮頸癌リスクが上昇 )
    但し本文内にある通り、これにはCINグレードと適用された治療のタイプ、患者の年齢が関係し、今後CINに対する適切な治療法の選択が求められる事も付記する。
  4. 安全とはどう云う意味か?
    生涯の性交渉相手が1人であってもその1人がHPV+であり、挙児を希望しているのならば避妊具使用による予防は不可能ではないだろうか?
    また挙児を希望せず、常に避妊具を使用していても皮膚の接触で尖圭コンジローマ等を発症する可能性も存在する以上、「安全な性習慣」のみではHPV感染は予防しきれないであろう
  5. 本ブログが引用している 平成21年12月21日の薬事・食品衛生審議会議事録 によると「現時点で6.4年の追跡及び確認がとれていて、それは今も続いている。抗体価の変化から実際には数十年の期間持続が見込まれるが、以前の分科会での『過剰な期待をもたせる可能性がある』との指摘で客観的な事実を述べるのにとどまっている」旨の発言がある。
    また、性的活動が始まれば高確率でHPVに曝露されるのであるから、性的活動を始める前の年齢の少女に接種することは当たり前である。 CDCのQ&A でも「HPVワクチン接種によって最大の利益を確実に得る最良の方法は、性的活動が始まる前に全部で3回の接種を終えることです」と述べている。
    実際、追跡調査の期間を経るに従い本剤の効果持続が6.4年以上ある事が確認されている。GSK社医療従事者向けの製品資料(2010年11月改訂)では効果持続が「7.3年」に渡って認められているとの記載がある。
  6. これは全ウイルスが同等の感染割合であることが前提の文章であるが、実際の感染はHPV-16/18型で60%以上になる。参照:子宮頸がんとは?
    また数多く存在する亜種のうち、将来癌化する可能性の高いハイリスク型を優先的に感染予防の対象とする事には何ら不思議はない
  7. これは消極的事実の証明の困難だという『悪魔の証明』というものである。この世にあるすべてのものは「完全に危険じゃない(すなわち安全)」ということは証明できません
    ただし、不妊になることはない。これは科学的に説明できる。いわゆるペットの避妊ワクチンというものは存在するが、それは『精子・卵子を構成する特殊なタンパク質』をワクチンの成分とし接種することによって体内防御反応により精子・卵子を攻撃させ妊娠できないようにするのであって、このとき必要なものは『精子・卵子を構成する特殊なタンパク質』である。ところが子宮頸がん予防ワクチン(Cervarix及びGardasil)にはこのようなタンパク質は含まれていない。よって子宮頸がん予防ワクチンによって不妊になることはない。
    また、唐突に「癌を発生させたり」と出ているがデータも何も無い。

そして、最後の締めくくりに対しては、引用している書籍の信頼性は?
書籍に信用があり、その通りだと考えているのならば接種しなければ良いだけの話である。
また、「90%の確率で自然に消える」のは全体に対しての割合であって、当人にとっては「0%か100%」である事を考えるのも必要ではないだろうか

元薬剤師のはたともこさんのブログ「 子宮頸がん予防ワクチン 」への疑問ではこう記されています。

「サーバリックス」ですが、効能効果を読めば読むほど、日本で推奨され集団接種される意味が私にはさっぱりわかりません。
日本で見当違いの誹りを免れない最大の理由は、数種類ある高リスクの子宮頸がんを引き起こすHPVのうち、欧米では16型と18型が主流の一方で、日本では52型と58型も高危険型であって18型は日本では自然治癒することが多い、という報告です。サーバリックスの添付文書に、16型・ 18型以外のHPV感染に起因する子宮頸がん及びその前駆病変の予防効果は確認されていないと明記されている以上、サーバリックスを推奨し小学生に集団接種する意義をとても見出すことはできません。
以上。

サーバリックスはそもそも集団接種ではない。接種したい人が任意で個別に受けるものである。
効能・効果にはしっかり「ヒトパピローマウイルス(HPV)16型及び18型感染に起因する子宮頸癌(扁平上皮細胞癌、腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)2 及び3)の予防」と載っています。注意事項として
  1. HPV-16型及び18型以外の癌原性HPV感染に起因する子宮頸癌及びその前駆病変の予防効果は確認されていない。(注:実際には他の型に対してもある程度の効果が見られているが、予防接種としての本薬剤はHPV-16/18型に対してしか保証しないということ)
  2. 接種時に感染が成立しているHPVの排除及び既に生じているHPV関連の病変の進行予防効果は期待できない。(注:あくまでも予防接種であるということ)
  3. 本剤の接種は定期的な子宮頸癌検診の代わりとなるものではない。本剤接種に加え、子宮頸癌検診の受診やHPVへの曝露、性感染症に対し注意することが重要である。(注:他の型による子宮頸がんやその前駆病変になったり、接種以前にHPVに曝露されてる場合もあるからちゃんと検診を受けて下さいということ)
  4. 本剤の予防効果の持続期間は確立していない。(注:抗体の減少とその年数から数十年持つものと思われるが、確認されているのが6.4年でこれからもこの年数は伸びるのでまだはっきり分からないという意味)
と続いている。

また、サーバリックスはHPV感染予防ワクチンであるから、HPV感染後の症状である子宮頸がん及びその前駆病変の予防効果がないのは当然である。
Miura S et al.: Int.J.Cancer 119(11):2713-2715, 2006( http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ijc.22195/full )のtable.1によると、確かに異常細胞診の病態はHPV-52/58型にも多く見られるが、俗に「悪性」と云われ、予後が不良となる扁平上皮癌(SSC)、腺扁平上皮癌(ADC)、浸潤性子宮頸がん(ICC)はHPV-16/18型への感染例の方が遥かに多く見られる
また、小学生に集団接種はしていない。すべて任意の個別接種である。
さらに、HPVに感染した場合の治療法(HPVを体内から除くような)は存在しない。よって未然にHPVの感染を防ぐことが重要である。従ってHPV感染前の少女にワクチンを接種することは非常に有効なことである。

他にもいっぱい資料があるんですが、私は結論として思ったのはワクチンを仮に接種しても日本人で発症しやすい型の抗体は多少抗体が上がるとしても含まれないんだし、まだ副作用が解明されてない接種のリスクを負うより、定期的に検診をきちんとするのが一番だな。と。
国からしても、中高生への性教育を充実させたり、接種を公費で補うより常時検診を無料にしたほうが、よっぽど有益だと思います。

何をもって「日本人で発症しやすい型の抗体は多少抗体が上がるとしても含まれない」と述べているのか分からない、というか日本語がおかしい。
「多少抗体が上がる」と述べているが、HPV-16/18型に対して明らかに抗体価が上がる。サーバリックスの添付文書の海外臨床の結果には「HPV-16及びHPV-18のいずれも、GMTは自然感染による抗体価の10倍以上であった。」と載っている。
何をもって有益と述べているか分からないが、実際の診断にかかる費用より接種の費用のほうが少ないのでは?
また、子宮がん検診は各自治体で補助付きで行われているがその検診率は20%程度である。検診率を上げることが現時点での課題である。

だいたいサーバリックスは、世界で初めてオーストラリアが2007年から接種が開始されたワクチンだから、子宮頸癌の特性(HPVウイルスは成人女性はほぼ感染経験者。ウイルスが子宮頸部に2年半くらい排出されていないと前癌化状態になる可能性があり、その状態を経て癌が発症するには10年以上かかります)をふまえると時間的に考えても予防効果が立証されてないし、副作用だって晩年性のものは未知なんです。

子宮頸がんの原因は高リスクHPVの長期間に渡る感染ということは既に分かっていることであり、そのHPVの感染のリスクを下げるのがCervarixおよびGardasilという子宮頸がん予防ワクチンなのだから常識で考えれば、将来的に子宮頸がんの予防になることは明らかである。ただし、ワクチンのみではなく検診も併用することが推奨されている。
副作用に関して晩年性のものは未知数と言っているが「予防効果はすぐに切れる」「副作用を起こす可能性は長く続く」という主張は矛盾していないか?

もし晩年、問題が発生したとしてもワクチンとの因果関係を立証するのは至難の業でしょう。
そこまでのリスクを追ってまで、接種しなきゃいけないワクチンなのでしょうか。。。

最終更新:2011年10月01日 17:19
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