Arka: One of the Most Developed Conlangs

文学表現と芸術表現

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アルカは文学表現や芸術表現に適した言語です。

xistina図鑑からサンプルをご用意しました。メル暦についてはこちら


1年366日の各日付には、それぞれ固有の色が付いています。サンプルの日付の場合、色は白になります。色名はhonoka(凪雪)で、アルティア語で「雪」という意味です。
同様に、各日付には色詞(いろことば)というものが備わっており、サンプルの日付の場合は「正直」が宛てがわれています。つまり雪は正直さの象徴というわけです。

サンプルの中央には詩が載っています。
ページ下部にはその日の色に関連した写真が載っています。


次に、こちらの記事をご覧ください。『夢織』というのはアルカで書かれた小説です。
作中では一人の大学生が不審死を遂げ、主人公の少女「紗枝」が疑われます。
花を意味するミーナという名の少女は紗枝を疑い、次のような発言をします。



el rens honoka til diasex.
fien la fenvlen nekt tuuno enfrex,
twa klos xal laas til diasex i fiona yundi.

雪は正直だと言うけれど、
土の汚れを覆い隠す白さが、
本当に正直だと言えるのかしら



ミーナは芸術科の学生で、xistinaを熟知しています。雪が正直さの象徴だと知った上で、あえて「雪は真実を隠してしまうかもしれない」と述べています。なぜこのような発言をしたのでしょう。
実は彼女の発言には3つの雪が隠れています。honokaはアルティア語で雪。la fenvlenはルティア語で「白いの」を意味し、ここでは雪を意味します。
ではもうひとつの雪はどこに隠れているのでしょう。最後の雪は行間に潜んでいました。紗枝です。この名はアルカで雪を意味します。ミーナは紗枝の名を出すことなく、彼女が嘘を付いている、つまり犯人だと述べたのです。高度な婉曲表現と言えるでしょう。

la fenvlのlaはルティア語の定冠詞です。fenvl自体は「白」を意味します。
一方アルカでは、laは後ろに来る単語が有生名詞であることを指します。従ってla fenvlenは「あの白いヤツ」という意味にも取れます。
「あの白いヤツ」とは誰のことでしょう。紗枝ですね。彼女の名は雪という意味でした。ついでに言えば、紗枝の白い肌も余計その含意を強めていることでしょう。

このように、アルカは文学表現や芸術表現に適した言語です。
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