227 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/02(日) 21:55:54 ID:PllzyEJi0 [6/9]

 とある初秋。
 高坂家には、父大介の頑張り(?)により家族が増えていた。
 なんと、ここに至って三人目の子供――下の妹、が出来てしまったのだ。
 そして冬休みのある日。
 父は仕事。母吉乃は、上の子たちに下の妹を預けて近くに買い物へ出てしまった。
「かーわいー」
「ああ、妹って可愛いなあ」
「シスコン!」
「おい、なぜそうなる」
「おぎゃー」
「……泣かれた」
「なに、娘に泣かれたパパみたいな顔してさ。あ、泣き止んだ」
 桐乃が妹をベビーベッドへ寝かせたところで、玄関のベルが鳴った。
「黒猫が来るんだった。ちょっと出てくる」
 待つ事142秒、京介は黒猫を引き連れてリビングに戻った。
「あれ? どこの子?」
「ウチのだけど、どうかしたか?」

「「「……………」」」

 黒猫の目線が、目の前の三兄妹の間で泳ぐ。
「留学してると思ったら、実は――」
「「ちがう!」」
「まったく、なんでこんなのの子を産まなきゃなんないのよ」
「冗談」
「冗談じゃ済まされねえだろって。でもさ、こうして見ると」
 末妹のほっぺをつつく京介。
「妹って可愛いなあ」
「へへ~、そんなでもないよー」
「「え?」」
「あ、ほら、まだまだサルみたいだし、どうなるか分かんないしー」
「顔が赤いわ」
「そうだぞ、変な勘違いをするなよ」
「二人ともよ」


229 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/02(日) 21:59:17 ID:PllzyEJi0 [7/9]
つづき


「ほぎゃー」
 しばらくして末妹が泣き出した。
「お腹がすいてるのかしら」
「よくわかるわね」
「下の妹の世話は時々してたから」
「なるほどな」
「まんまー」
「やっぱりね」
「「ちがうっ!」」
「フフ、何を勘違いしたのかしら」
「い、いやなんでも。感が良いな、黒猫は。ところで桐乃」
「なーに?」

「おっぱい出せ」

「「………」」
「変態!」
 バキっ☆
 自演乙も真っ青な膝蹴りがクリーンヒット。
「ちが~~う、ミルクをだな~」
「バカっ!」
 げし☆


「死ぬかと思ったぞ」
 顔面に痣を作りつつ、京介は桐乃によりそってミルクをあげた。
「かわい~」
「かわえー」
「仲がいいわね。まるで夫婦」
「「それはない」」
「おびゃー」
 また泣き出す末妹。
「こんどはおしめね」
「なるほど、桐乃……うぎゃ!」
 バキっ☆
「見る氣? 変態、シスコン!」
 部屋から放り出される京介。
「誰がしめだせと言った」



-------------

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2011年01月04日 22:58