39 名前:はじめてだから、やさしく(批判)してね。[sage] 投稿日:2011/01/06(木) 02:04:59 ID:LVniaaTc0 [1/12]
アニメ9話
BGM(京介フィルタ)カット、きりりんがる読み込み⇒日本語化&妄想patch当て後


あたしの名前は高坂桐乃。
学業優秀、スポーツ万能な上、容姿端麗。完璧なあたし。
でも、実は誰にも話せない「秘密」がある。
その「秘密」のせいで、最近落ち着かなくなってしょうがない。

その日は、「秘密」が届くのを兄貴に気が向かない振りをして待っていた。

「やっときた~~~」
「何それ?」
「エロゲー~~♪」
あたしの「秘密」・・・それは、「妹」もののエロゲーが大好きな事。
でも、この事は兄貴も知ってるし、他にも数人だけだけど知っている人がいる。

あたしは、何故かちょっと引いてる兄貴を残して、早速ゲームを開始した。

「妹」は二人でみやびちゃんとりんこちゃん。
あたし的には黒髪ロング、清楚で大人しいみやびちゃんが好み。
だって、「お兄ちゃん」に真っ直ぐに本心を伝えて甘えるなんて、現実だととても恥ずかしくてできないんだもん・・・。

そう、あたしが「妹」ゲーが好きな理由、それはもう一つの「秘密」。
実は兄貴の事が大好きで、ゲームの中の「妹」と自分を重ね合わせているって事。
でも、この「秘密」は簡単に知られるわけにはいかない。
だから、兄貴には「妹」が好きだからって言い訳してる。(「妹」の事がすっ・・・ご~く好きなのも本当だけど。)


40 名前:長くてごめんなさいなんて[sage] 投稿日:2011/01/06(木) 02:06:09 ID:LVniaaTc0 [2/12]
ゲームはまだ序盤。りんこちゃんと海水浴にいく場面だ。
『りんこ「喋んな。むかつく。ばかじゃん。」』
と、ここで選択肢。『A:「おまえ、いい加減にしろよ」B:「がまんだ、がまん・・・」』
りんこちゃんの理不尽な罵倒に耐えつつ(後のデレ期をもりあげるため・・・そのため・・・)、ふと、あたしは兄貴の部屋の方を見てしまう。
兄貴だったらどうするかな・・・B・・・かな・・・?兄貴、やさしいもんね。
『りんこ「これだけ言っても怒らないんだ。情けないやつ。」』
『りんこ「死ねばいいと思うよ。あんたなんて生きててもどうせしょうがないでしょ。」』
「・・・このクソゲーめぇぇぇっ!」
兄貴がこんなに優しくしてくれてるのに、何!その態度!?
「言ってくれんじゃん。どんなしつけ受けてきたわけ?あんた妹でしょう!?」
こんなに兄貴に優しくされたら、普通甘えるべきでしょう!?あたしだって
『りんこ「うっさい!他人のくせに、兄貴面しないでよ!」』
あたしだって・・・あたしも同じ・・・?
あたしは前に兄貴にぶつけた暴言を思い出して、とてもいたたまれない気持ちになってしまう。
「あんた何様?いくらなんでも酷くない!?」
もう、誰に対して怒っているのか分からない。ゲーム?りんこ?シナリオライター?・・・ううん、きっと本当は自分に対して。
「あんたの攻略は後回しっ!」
また、いつもと同じ。自分の気持ちに正直に向き合わず逃げてしまった。
あたしの中では、兄貴を大好きな気持ちと、素直になれずつい暴力や暴言を振るってしまう気持ちが混ざり合ってる。
本当は、ごめんなさいって謝りたいのに、「大好き」って言いたいのに・・・。



少し落ち着いた所で、プレイを再開する。
りんこルートは、感情を抑えられなくなりそうなので、みやびちゃんルートから。
『みやび「ごめんねお兄ちゃん。りんこのことあんまり怒らないであげて。」』
みやびちゃんカワイーーーっ!やっぱ「妹」って、こう、素直で純真じゃないとねっ!
『みやび「きっと、りんこもね?本当は、お兄ちゃんができてうれしいはずだから・・・」』
「えぇっ?そうかなぁ・・・?」
さっきのりんこの態度を思い出し、あたしは少し不愉快な気分になってしまう。
『みやび「うん、りんこ、照れ屋さんだから・・・」』
「うぅん・・・アレはそういうレベルじゃないって・・・」
兄貴を罵倒しかしていなかったじゃない。あたしは兄貴にいつも感謝してるもん。・・・口には出せないけど・・・。
『みやび「あのね・・・お兄ちゃん。わたしはお兄ちゃんと会えて、うれしかったよ。」』
『みやび「きっとりんこだって同じだと思う。わかるんだ、わたしたちは、双子だから。」』
「え・・・?」
本当は、そうなのかな?りんこも、あたしと同じなのかな?

そう、考え始めたとき、

『みやび「お兄ちゃん、大好き」』
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
みやびちゃんマジ可愛いーーーーーー!
マジ天使みやびみやびみやびぅううぁわぁああああ、あぁクンカクンカ!クンカクンカ!
兄貴のパンツをクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
みやびちゃん、みやびちゃん大好き。兄貴大好き、大好き大好きーーーーーー。

本当に大好きすぎて、頭の中真っ白になって、ぼうっとする頭で考えたの。
「妹」に慕われるこの気持ちと、兄貴を想うこの気持ち。
こんなに嬉しくて、切なくて、胸が張り裂けそうで・・・
こんな二つの気持ちを同時に味わえるなんて、あたしは世界で一番のエロゲーマーかも、ふふ・・・。

少しして、ふと正気に返ると、何かとんでもなく恥ずかしい事をしていた気がする。
でも、思い返すとやっぱり好きな気持ちがあふれてきて、ニヤニヤが止まらない。
気をとりなおして、みやびちゃんを攻略していこう。

41 名前:思ってないんだからね![sage] 投稿日:2011/01/06(木) 02:07:03 ID:LVniaaTc0 [3/12]
『りんこ「な、なんでアンタがここにいるわけ!?」』
「ぅ・・・それはこっちのセリフだってーの!」
攻略を再開したあたしに、いきなり襲い掛かるりんこ。
「みやびちゃんとデートの約束したのに、なんでアンタがきてるの!?」
『りんこ「うそ、アンタも?く、くっそぉ~、みやびのやつ、あたしをハメたな~っ」』
これまで多数のエロゲーをプレイしてきたあたしにはわかる。
これは、りんこルートに入る予兆だ・・・。
せっかくみやびちゃんを攻略しようとしてたのに。

攻略ノートを見直しても、どこで選択肢を間違えたかよく分からない。
とりあえず、進めてみると、
『りんこ「・・・ち、しょうがない。こうなったら今日はアンタでガマンしてあげる。」』
相変わらず可愛くない。

その後もりんこは兄貴を罵倒しつづている。ちょうむかつく。
でも、あたしはさっきのみやびちゃんの言葉も思い出していた。
もしかして、もしかすると・・・。
「こうなったら、あんたから攻略してやるっ!」
捨て台詞のように言い捨て、あたしは、あたしに、あたしの暴力的なところに似ている「りんこ」を攻略することにした。



ゲームを進めていくうちに、りんこの可愛い部分が見えてくる。
大好きってなかなか言い出せなくって、でも本当は兄貴のことが大好きだったり、すごい恥ずかしがり屋さんで、つい手や口が出てしまったり。
あたしだったらちゃんと気がついてあげられるけど、兄貴って鈍感すぎるからなぁ・・・

そう、悶々としながら進めていくと、「りんこりん」はだんだんと積極的になってきてくれる。
「やっとデレきたー!!!!!りんこりん可愛いよりんこりん!」
やっぱり、「兄貴」が気がついてあげれば、「妹」はもっと積極的になるよね!
こんな可愛い妹をほおっておくなんて、やっぱりうちの兄貴は罪なやつだ。こんなに大好きなのに・・・

それはそうと、ついにりんこりんを愛でる時間がやってきた!
やっぱり、直接触れ合うんだから、女の子同士でも体をきれいにしなくちゃね!
「ちょっと待ってて。あたしもシャワー浴びてくるから!」
りんこりんにこう言い残して、あたしは慌ててお風呂に向かう。
階段を下りた所で━━━━
「うぅっ」
あやうく兄貴にぶつかりそうになってしまった。
「そんなに急いでどうしたよ?」
「なんだっていいでしょ」
せっかくなんだから、あたしを受け止めてに来て欲しいよ。そしたら倒れこんでいけたのに。

そんな妄想をしてしまったけど、この後は最悪だった。
まさか兄貴に、あたしのパンツを見られるなんて。
もう、恥ずかしくて死にそうで、つい、いつものように兄貴に平手打ちをしてしまった。
「死ねっ変態っ!」
口をついて出るのはこんな言葉ばかり。こんなんじゃ、兄貴に嫌われちゃう・・・
「もうっ・・・もうっ・・・死ねっ・・・」
お風呂で自分をそう罵ってみても、全然気持ちも晴れなくて、どんどん不安がこみ上げてきた。

深呼吸をして、少し気分を落ち着かせる。
そうだ、りんこりんみたいに少しくらい暴力的でも、兄貴と結ばれる事はできるよね・・・。
「よぉ~~~し!」
なんかみなぎってきた!

43 名前:数多くのSS職人さん[sage] 投稿日:2011/01/06(木) 02:10:13 ID:LVniaaTc0 [4/12]
部屋に帰るとりんこりんが待っていてくれた。ごめんね、ちょっと遅くなっちゃって。
さっそく、りんこりんと触れ合う事にする。
「ちょっ、りんこりん、それはエロすぎるってば~~。」
少し前までは、あたしはエロシーンをこんなものか、と冷めた目でみていた気がする。でも、今は違う。
「妹」が乱れるシーンをみてると、あたしも兄貴の前であんなになっちゃうのかな、と妄想が止まらない。
「やばいって、エロいって~~~。そんなとこまでっ!?いいのっ!?」
隣の部屋には兄貴がいる。
見えるわけは無いけれど、まるであたしのエロいところが見られているみたいで、妄想も、声も止められない。
その時だった、
ドンッ!ドンッ!
「うるせえぞっ!おいっ!言っとくけどまる聞こえだからなっ!」
うそっ!聞こえてたっ!?恥ずかしい。。。
「変態っ。妹の部屋の音盗み聞きとか、ありえないし!」
ううん。聞こえてても良いの。本当は盗み聞きくらいして欲しいの。
「盗み聞きじゃねえ、普通に聞こえてんだよ!」
「そんなのあたしの勝手でしょ!」
うん、だって本当に聞いて欲しかったんだもん。
「じゃあせめてもっと慎ましくやれや。」
え?慎ましくって・・・。急に音が大きくなって困る事って、そう、録音しかないよね!
「な・・・まさか録音!?録音したんじゃないでしょうね?」
うん、録音して、毎日でも聞いて欲しいの。あたしのエロボイス・・・
「そんな発想がでてくるお前こそが真の変態だっ!エッチシーンでも全く意識しないーとか言ってたくせに、真っ赤なうそじゃねーか!」
「それとこれとは全然違うってーの!あたしは純粋にりんこりんのエロ可愛さを愛でてただけだし!」
違うの、今は違うの。嘘。兄貴の事・・・意識してる。なんで素直に言えないの!
でも、こんなシーン、名作妹ゲーの大事なシーンでもあったよね。<み○いろ+妄想による加味
これから二人は心が通じ合って・・・
「どこが違うんだ・・・」
「全然違うっ!」
私の言ってる事、全然違うっ!ほんとはもっと・・・

44 名前:いつも2828させてもらってます[sage] 投稿日:2011/01/06(木) 02:11:04 ID:LVniaaTc0 [5/12]
結局、兄貴との壁越しのやりとりはうやむやのまま終わってしまった。
せっかく、気持ちをちょっとでも伝えられるチャンスだったのに。

あらためて気を取り直す。
ゲームはもう終盤。りんこりんは兄貴と離れ離れになってしまう事になってしまった。
『りんこ「・・・ねぇ、あたしたち、もう会えないんだって・・・」』
『りんこ「・・・兄妹だから・・・・・・結ばれちゃいけないんだって。」』
『りんこ「どうして、こうなっちゃったんだろう・・・」』
どうして、こうなっちゃったんだろう・・・。

昔は、あたしの大切なお兄ちゃん。
少し前までは、あたしを無視するただの「あいつ」。
今は・・・大好きな、あたしの、大好きな兄貴。

なのに、あたしは、もう少しすると、兄貴を置いてアメリカに留学することにしている。

兄貴に留学の事を相談しようと何度も思った。
でも、留学に反対されても賛成されても、どちらの未来でも不安なの。

「選択肢、間違えちゃったかなぁ・・・」

ううん、そうじゃない。

兄貴が私のことを想ってくれて、本気で考えてくれた答えなら、あたしは兄貴の言うとおりにできるの。
でも、兄貴の気持ちがわからない。
兄貴は優しいから、あたしの思う答えを口にしてくれる気がする。
でも、それじゃダメなの。
兄貴から、兄貴の本当の気持ちを聞けない限り、あたしはあたしの道を行くしかない。

もう、ゲームの内容は殆ど頭に入ってこない。

『りんこ「じゃあね、兄貴。・・・ずっとずっと好きだったよ」』
「バカじゃん・・・」

このつぶやきは誰に対してなんだろう。
りんこりんを引き止められなかった「兄貴」?
別れる間際まで、「兄貴」に好きな事を伝えられなかったりんこりん?
あたしの気持ちに気づいてくれない兄貴?
それとも、自分自身?

まるで、ゲームの内容が、あたしの未来を暗示しているみたいで、胸が苦しくなって、泣きたいのをただ我慢することしかできなかった。


45 名前:ありがとうござます。[sage] 投稿日:2011/01/06(木) 02:11:54 ID:LVniaaTc0 [6/12]
しばらくして、お母さんの声が聞こえた。
「桐乃ー。お風呂入っちゃいなさい。」
「はーい」
あたしは何事もなかったかのように、お風呂に向かう。

そこで、兄貴と、よりにもよって兄貴と遭遇した。

「おお、また風呂かあ?」
あたしはこの時どんな顔をしていただろう。
あんたの事が好きで、大好きで悩んでるのに、このっ、唐変木っ!
つい、兄貴を蹴ってしまった。
「痛ってぇ・・いきなり何しやがる」
「キモ、馴れ馴れしくすんな!」
あたしの気持ちに気がついてよ・・・
また、売り言葉に買い言葉の応酬になってしまう。
「お前はいつもそうだよなぁ・・・」
「わ・・・わかったような口きくなっ・・・」
あたしが兄貴の事、大好きって気がついてくれないと嫌いになっちゃうんだから・・・

「おい、桐乃・・・。おやすみ。」
あ・・・。
やっぱり、好き。大好き。超大好き!



あたしは、これで、改めて自分の気持ちを固める事ができた。
陸上も、アニメも、エロゲも、モデルも、勉強も、あたしの好きな事は全部やめない。

でも、もっと大好きな事。大好きな人。
あたしの兄貴の事は、何があっても絶対にあきらめないって。

End.



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最終更新:2011年01月09日 20:42