213 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/07(金) 00:28:25 ID:IPNOtldm0 [1/2]

「ねえ…相談があるんだけど」
「(…!またかよ)な…なんだ?」
「私…好きな人ができたんだけど」

 …

 

「!?”#!??★ヴぅわえ!?」
「ちょっと!いきなり何よ奇声発して!?」
「(お…落ち着け俺…KOOLになれ…)お…おちつけ桐乃。そ、そうか人を好きになるのはす、素晴らしいことだと思うぞ」
「いや落ち着くのはあんたのほうでしょ…」
「で式場はどこだ?日程は?友達も呼ぶんだろ?結婚式って塩まいたりケーキ新郎新婦で切ったりry」
「だ~か~ら~おちつけって!ボコ」
「ぶほっ!?き…桐乃!?」
「ほんとに大丈夫?いい病院でも紹介しよっか?」
「い…いや大丈夫だ…あまりに非現実的なことをお前が言ったから少し動揺しただけだ…」
「なんかすごい失礼なことを言われた気するけど でさ…」
「ん?」
「その人にこ…告ろうかと思ってんだけど…」
「…そうか」
「でも」
「ん?」
「その好きになった相手がさ…まあ恋に障害はつきもの?って言うけど結構厳しいのよね…」
「…?(桐乃に振り向かない男がいるのか…?よっぽどイケメンとかなのか)」
「それで…ちょっと不安になってあんたに相談しにきたわけ」
「…(厳しいってことは訳ありとか許されない恋愛…はっ!教師を好きになったとか!?桐乃さんそれまずいって!先生首になるよお!?)」
「ちょっと、黙ってないでなにか言ってよ!」
「そ…そうだな…さっきも言ったが俺は人を好きになることは素晴らしいことだと思う」
「うん…」
「しかしだな」
「…!」
「好きになるって言っても一方的ではダメだと思う。相手の立場、気持ちなど考えなくてはいけないと思う。
無理やり恋人…的な関係になったとしてもそれではいつか不幸に、必ず不幸が訪れると思う」
「…そ そうだよね」
「人を好きになるってことはな、いいことだと思うけどそれ以上に難しいものだと俺は思う。物とかじゃなく人を相手にしないといけないからな。
お前の持ってるゲームとかグッズならな、お前の一方的な感情でもなんの問題もないがやはり同じ人、生き物を相手にするとなるとだな…」
「…」
「(よし…これで納得してくれたかな?禁断の教師との背徳恋愛もこれで防げたかな…?ふう)」
「~…」
「(え?おいおい!なんで泣きそうになってるの!?あ、もしかして俺結構恋愛について否定的な意見ばっかり言っちまったか!?まずい!これ泣くって!
まだ中学生のこいつがトラウマなって恋愛できなくなっても困るしなにより桐乃の泣き顔なんて見たくねえよ!)」
「で…でもな桐乃」
「…?グスッ」
「こ…告白されて嫌な思いする男なんていないからな…!?そ…そんなにネガティブにならなくても大丈夫だよー!?」
「なんで質問口調になってるのよ…」
「ま、まああれだ、先人曰く『当たって砕けろ』だろ!」
「! そ…そうだよね。まず行動してみないとわからないもんね!」
「そ、そうだな!じゃあ俺明日早いから寝ry」
「待ってガシッ」
「(え!?まだなんかあるの!?なんか恋愛とか語っちゃってすごい疲れたんだけど!?結構恥ずかしいセリフ言ったな俺…)」
「告白するシチュエーション考えたんだけどさ…」
「(げ!?まじ!?まじかよ!?せ…先生逃げてー)」
「わ、私はさ、抱きついてからこ、告白しようと思ってんだけど。ど、どうかな?」
「(くっ…桐乃は本気だ…ここは男として真剣に向き合わないとだな)お、おういいんじゃねーの?」
「じゃあ…いくね…」
「え?」

214 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/07(金) 00:29:17 ID:IPNOtldm0 [2/2]

ギュッ

「(ええええ!??な…なんで俺に抱きついてきてるの桐乃さん!??ってこれさっき言ってたのとry)」
「わ…私さ…実はあんたのことがずっと好きだったの」
「…」
「最初はさ…家族として、兄として、好きなんだと思ってたんだけど、最近そーでもないことに気づいたの」
「お…おい」
「ずっと我慢してた…兄妹でこういうのはよくないって…でもさっきあんたと話してもう抑えきれなくなった…」
「桐乃…」
「あ…あんたが一人の人間として…男として好きなの!」
「…」
「だ…だめかな?」
「(桐乃…一人でこんな苦しい思いを抱えてたのか。もう泣いてるじゃねーか…よしここははっきり言っておこう…!)桐乃」
「は…はい!?」
「お前の気持はよく分かった。俺もお前のことを好きだ。もしかしたら世界で一番大切な人かもしれない。それほどお前のことを想っている。
毎日俺の悪口とか言ったりするけども、それでもお前をうざいとも思わないし不幸になりやがれとも思ったこともない。お前には幸せになってほしい」
「じゃ…じゃあ…!」
「でもな―」
「…?」
「俺たちはな。兄妹なんだ。家族なんだよ。どんなに好きだろうが越えてはいけない一線があるんだ」
「で…でもあんたも私のこと好きなんでしょ!?」
「ああ。好きだ。この世のなによりかも好きだ。大事だ。お前を大事に想ってるからこその俺の考えだ。」
「…」
「兄妹なんかでな、恋愛なんか成り立つわけないだろ?お前だってもう中学なんだから分かってるだろ?
その一瞬が幸せだとしてもいつか必ず隔たりが起こる。俺は絶対お前が不幸な目にあってほしくない。そろそろはっきりさせよう」
「…」
「悪いけど…お前の告白は受け取れない」



「(やっべー俺めっちゃいいこと言ってる まあそれは置いといて桐乃には伝わったかな…?)」
「き、きも…」
「え?」
「た…ただの練習な…なのになに本気になっちゃってんの!??マジきもいんですけど!?」
「えええ!?れれ練習だと」
「な…なに俺たちは兄妹だから無理とか言っちゃってんの!?じょ…じょじょ常識的に考えて分かるでしょ!?あーまじきもいきもい!
妹相手に対してなに大事とか愛だの好きとか せ…世界一いいいとか言っちゃってるわけ!?あーまじきもすぎる!最低シスコン!」
「ちょ、おま俺の感動をry」
「あーまじやめて!犯される!早く出ていけ変態シスコン強姦魔!!」
   



「(えーと…え…?)」
「(あいつ苦しい心の内を吐いたんじゃなかったの?ものっそい不安じゃなかったの!?)」
「(はい。僕の妹様は元気です。いつも通りです。本気に語った僕は馬鹿だったんですねわかります)」

次の日からやはりいつも通り罵倒されたりの日々だったんだが気になったことが三つほど。
俺が断ってからすごい剣幕で部屋を追い出されたんだが桐乃の顔がとてつもないくらいものすごい歪んでたこと。俗に言う2828?いやれは28282828だな
あの日以来「練習だから付き合いなさいよ!」って言われまた抱きついてきて告白の練習相手をさせられていること
あとは桐乃から結局告白しそうな雰囲気がなくなったため、相談を持ちかけられてた時生じた謎の不快なもやもや感が心から消えたこと

それ以外は何も変わらず今までと同じごく普通な平凡な日々に戻ったのでした



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最終更新:2011年01月09日 20:47