48 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2011/01/10(月) 12:45:03 ID:D0VTnOCH0
とある休日の午後。俺は「新しいエロゲあるから取りに来て」と妹に部屋に呼び出された。やれやれ、またノルマが増えたらしい。
 それはいいんだが、(いや受験生的には全然よくないんだが)
「おい、まだインストールできないのかよ」
「ま、まだに決まってるでしょ! こういうのは時間がかかるものなんだから」
 かれこれ二時間、俺は妹の部屋で待たされ続けていた。それも、
「・・・つかこのコタツのカバー、何とか何ねーのかよ・・・」
 俺は今、先日妹が買ったらしい一人用コタツに突っ伏している。それはいい。この寒い時期にコタツはありがたいものだ。
 だが、それがメルルの笑顔で溢れんばかりのコタツカバーとなれば話は別だ。
「痛コタツ、ってのもあるんだなぁ・・・」
「何? あたしのメルルちゃんに何か文句でもあんの?」
 ありません。
 ってか、こいつの部屋ってもう親を入れられないだろ完全に。
 あ、そういえばこいつの部屋は俺の部屋と違って鍵が掛かるんだったな。いーよなー、勝手に母親が入らない部屋を持ってるやつは。
「なぁ、やっぱり俺一度部屋に戻り」「却下」
「何でだよ!? 俺受験生なんだぜ? 貴重な休日をどーして二時間も無駄にしなきゃなんねんだよ!」
「はぁ? あんた私があんたなんかよりも貴重な私の時間を費やしてインストールしてやってるのに、あんたは自分の部屋で好き勝手エロ本読んでいたいっていうの? この変態!」
「勉強すんだよ! 何で決め付けるんだよお前は!」
「だってまたエロ本が増えてたって」「お袋ー!!」
 鍵を、だれか俺の自室に鍵をくれ!
「・・・ちっ。ほら、インスト出来たからさっさと出てってよ」
「なっ!?」
 こ、こいつ、散々人を意味不明に待たせておいて舌打ち!? んでもって出てけって言ったか今!?
「・・・・・・・・・はぁ。わーったよ」
 だが、俺がこいつに口で勝てるわけがないのだ。無駄な抵抗するよりも、ここはさっさと部屋に帰ってさっさとゲームを済ませて勉強だ。
「じゃーな」「三日以内にクリアだからね」「無茶言うな!」
 バタン、と俺は少々荒くドアを閉め、廊下へと出て行った。


「・・・・兄貴が二時間入ってたコタツ・・・・・(ゴクリッ)・・・・(ズボッ)、(スーハースーハー)、(くんかくんか)」

「・・・・・(違うんだ。あれは、そう、車修理のおっちゃんが修理で車の下に入ってるようなもんで、つまり桐乃はコタツの不具合を直してる
だけであって上半身だけをコタツに突っ込んでる今の状態は別に特に深い意味はなくてだからとりあえず今は音を立てずに扉を閉めろ俺!)」
 そうして、俺は持って行き忘れたケータイを桐乃の部屋に残して、音を立てずに、扉を閉めた。
 ・・・鍵くらい閉めてくれ。



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最終更新:2011年01月13日 01:01