639 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/14(金) 00:06:33 ID:f23A8Tck0 [1/5]
「もうっ!お兄ちゃん!朝だよ!起きて、だらしないんだからぁ!」
ん?誰だこいつ?
「朝ご飯はあたしの自信作。だから早く起きて!冷めちゃうよ!」
桐乃?
「もう!早くパジャマ脱いで!」
 
バシッ
俺は無意識にこいつの腕を掴んだ。ピィィンとデジャヴ感が俺の頭をよぎる。
だがそれらの要素が俺の口から出る言葉を止める材料には到底至らない。
そう確信している。
 
お前は誰だ?
「えっ?」
ビクッと体を強張らせる桐乃。
「俺の妹は朝、起こしになんかこないし、飯も作らない。そして、兄に対してここまでお節介焼きじゃない」
うつむく桐乃。だが、容赦なく続ける俺。
「大体なんだその性格は!妹は俺を毛嫌いしていて、俺のことを平気でけなす性格なんだ!」
「な・・・・何を言ってるの、お兄ちゃん?」
「そう!その口調!それが俺の妹らしくない。大体な!俺の妹がこんなに――」
 
「じゃあ、これで終わり、で・・・いいわね!」
目の前の桐乃が顔を紅潮させてワナワナしてる。
「ええ、最高の罰ゲームだったわ。」
ドアを開けて入ってくる黒髪の女。黒猫。
「拙者、このビデオでしっかりと撮りましたぞ!」
と、長身の女。沙織・・・・・バジーナ。
 
「いやあ、京介氏には黙っていましたが、
先日に3人でどれだけ景品を多く取れるかで、UFOキャッチャーをしましてな」
ほほう、桐乃が珍しく負けたと。
「一位はやはり黒猫氏!拙者もあと少しできりりん氏に負けかけたでござるよ」
そこまで沙織が説明すると、桐乃は急いで俺の部屋から出て行き、自分の部屋に飛び込んだ。
 
「それにしても・・・やりすぎだとは思わなかったのか?」
「やりすぎ?」
黒猫が眉をひそめた。
「ああ、嫌いな兄の目の前でこんなことさせられたら、あいつ・・・・・・。」
「着いてきなさい。」
 
一階に下りていくと、立派な朝食ができあがっていた。
「私達は、"さっきセリフをお兄さんの前で出来る限り妹らしく言え"だけだったのよ」
な・・・・・・つまり・・・・・・。
「そう」
 
つまり、あいつはお父さんに認めてもらおうと俺を毒見役に!!
ずっこける黒猫と沙織。
「まったく・・・・・・ドが付くほどのニブチンなんだから・・・・・・。」
「拙者もまさか、ここまで京介氏がニブいお方だとは・・・・・・。」



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最終更新:2011年01月14日 22:35