861 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/15(土) 15:14:30 ID:c0ggDsgC0 [2/2]
今日は4月1日、エイプリルフールだ。
俺は今日こそ桐乃に一泡ふかせるべく策を練っていた。
思い出すのは以前、桐乃に偽告白でからかわれた時の記憶。
次は……俺の番だぜっ!

「桐乃、話がある」
「キモッ、なに改まっちゃって」

相変わらずの態度だが、そんな事言ってられるのも今のうちだ。
俺は桐乃に一歩近付き、両肩に手を乗せる。

「俺な……お前の事、好きになっちまったみたいなんだ」
「えっ……」
「お前の事ばかりいつもいつも考えちまって、もうどうしようもないんだよ」
「な……でも、だって……あ、あたしたち兄妹だし……」

慌てているのか顔を赤らめ、目を泳がせる桐乃。
よしよしもう一息だ。

「兄妹でこんなのいけないってのは分かってる。それでも俺はお前の事が……」
「そ、そうなんだ……じゃ、じゃあしょうがないかな……あんたがどうしてもって言うなら……」

目を潤ませて恥じらう桐乃。
あれ? なんか雲行きが怪しくねえ?
こ、これはそろそろネタばらしをすべきかもしれん。

「ところで桐乃。今日は何月何日だ?」
「え? えっと……………………3月31日だけど?」

…………は? あの、マジで? 俺1日間違えた?

「今は日付なんてどうでも良いじゃん。ね、それより……あんたの気持ちは良く分かったよ」
「あ、いや、そのな……」
「あたしもね、前からあんたの事……その、好きだったよ」

そう言って一歩近付き、俺にすり寄ってくる桐乃。
い、今好きって言ったかコイツ? ど、どうすりゃ良いんだよ。いまさら嘘だったとか言えねえぞ……。

「あたしたちは兄妹だけど、お互いに好きなんだもん。仕方ないよね」
「お、あ、や、えと、桐乃。あのな――」
「それでね、どうしても聞いて欲しい事があるの……聞いて?」

俺にぴったりと寄り添いながら耳元に口を寄せてくる。
耳に息がかかるような距離で、桐乃はからかうような声音で囁いた。

「……今日4月1日で合ってるケド?」

チックショオオオオオオオオオ!!!


End



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最終更新:2011年01月15日 21:48