345 名前:タテマエとホンネ【SS】[sage] 投稿日:2011/01/18(火) 02:08:29 ID:wMCXPeksO [1/3]
2月1日。後になって知ったがこの日は実は「ニオイの日」だった。
それを知ってか知らずか、桐乃が爆弾発言をした。

「ねえ、ぶっちゃけ・・・妹に自分のパンツをクンカクンカされるのって、
兄としてどんな気持ち・・・なの?」
「ちょ、おま、いきなり何言いだすんだ?新型インフルエンザで脳がやられたか?」
「違うし、ゲームの話なの!今やってる『唐津ひばりに』ってゲームのはなし!」
「また妙ちくりんなタイトルのゲームだな」
「このゲームに出てくる妹の唯美ちゃんが、その、主人公の兄のパンツをこっそり持ち出して、
クンカクンカする場面があるの。
そういうのって、兄貴としてはどうなのかなって、なんとなく聞いてみたかった、それだけ」
いつの間にか顔を真っ赤にして、最後には消え入りそうな声で、桐乃がつぶやく。

「そうねえ、唯美ちゃんの話ねえ」
桐乃が何を言いたいのか、薄々気づいていた。俺も、桐乃の行為に対する自分の考えをどう伝えるべきか、
思いあぐねていたところだった。これは、ちょうど良い機会なのかもしれない。

「結論から言うとだな、俺は妹が、いやその唯美ちゃんがだ、
兄のパンツの匂いを嗅ぐのは、ありだと思う」

「ホントに? キモい変態な妹サイテーって思わないの?」
思わず桐乃が身を乗り出してくる。
「エロゲやってるお前なら分かると思うが
男の側だって、女の子にいろんなプレイするよな。
第三者の目からみたらそれらは確かに変態行為だろうけど、
それってきっと、主人公は相手の事を大好きだからやってんじゃん。
パンツを嗅ぐのも、そういう気持ちの表れの一つだろうから、
その気持ちがわかる兄にとっては、極度に嫌なことってわけでもないと思うから
その、ありだと思う。それだけだ。」
なんか俺まで桐乃ばりに顔が赤くなってきたみたいだ。
「そうなんだ・・・よかった、兄貴の考えが聞けて。あ、ゲームについてのね」

「・・・」
「・・・」

しばしの沈黙の後、俺はつぶやく
「その、なんだ。唯美ちゃんに言いたいことがあるとすればだ、
『やるなら上手くやれ』いくら妹のことが好きでも、いや主人公がだな、
さすがに自分のパンツを嗅いでる現場を見ちゃうと、いろいろ辛いもんがあると思う。
だから、あくまで兄貴に目撃されないようにこっそりやれと。
あとパンツは絶対に自分以外の家族とかに見つからないように隠すことだな」

「うん・・・
そう言えば、唯美ちゃんは自分の性癖がやっぱり問題あるかもって思ってて、
ひょっとしたら、そのことを気づいてるかもしれない主人公に、正直に打ち明けるべきか、それとも隠し通すべきかって
その・・・大好きなお兄ちゃんに嫌われたくない、でも隠し事もしたくないって、
もの凄く悩み抜く、ゲームの選択肢があったんだ。
その答も見つかったと思う。兄貴、ありがとう。
じゃあお休み」
桐乃は泣きそうな声でそう言って部屋を後にした。

この告白から数日後-
俺と桐乃は、恋人になった
のかどうかは読んでくれた人たちの想像にまかせる。



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最終更新:2011年01月20日 02:21