284 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/25(火) 14:46:30 ID:b7oVprfh0
「区間賞取ったわ!」
そう勢いよくリビングのドアを開けると、
「おかえりなさい、きりりん氏」
「・・・・・・まったく・・・・・・騒々しいわ」
兄貴の声ではない女声が返ってきた。
「あ、あんたたち何でここにっ!」
「拙者たちはきりりん氏に呼ばれてここにいるんでござるよ?」
「いや、早いから!あたしが指定した時間は昼の1時だから!」
そう言って時計を再度確認するあたし。うん、11時46分。早すぎる。
と思っていたとき、黒いのが黙り込んでるのに気が付いた。
「どうしたのあんた?いつものように毒舌かましなさいよ!」
「・・・・・・ふふふ」
寒気がした。
 
ここは高校。
黒髪の男女二人が揃って帰路についている。
「・・・・・・あなたの妹さん」
「ん?桐乃のことか?」
「・・・・・・・そう」
「桐乃がどうしたんだ?」
「・・・・・・お大事に」
「?」
 
ここは高坂家。
いつものように茶髪女子中学生の怒号と
黒髪男子高校生のやる気の無い返事のかけあいが行われている。
「だから!これはこうやるの!」
「だぁーからわからんって言ってるだろ!」
「ハァ?いい?ここはこうやったほうがいいルートに進むんだから!」
「それはお前の価値観だろ!」
「つべこべ言わずにやれ!」
 
それから30分。
「・・・なぁ」
「なによ」
「お前・・・・・・病気なんだってな」
「ハァ?何それ?」
「しかも・・・・・・不治の病らしいな」
「な・・・・・・何を言ってるの?」
あたしも知らないあたしのことをなんでこいつが―――
 
「よくわからないけどさ。お前が"クンカ症"にかかってるって黒猫が」
「あいつめえええええええええええええええええええ!!!!!」
 
あの時、あいつがニヤニヤしてたのはそういうことだったのね!
「あいつがお大事にって心配して・・・」
「それ区間賞だから!」



-------------

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2011年01月28日 20:58