186 名前:兄妹関係【SS】[sage] 投稿日:2011/01/31(月) 08:34:16 ID:RLXoqnIXO [2/2]
「ねえ、ちょっとした質問があるんだけど」
「ん、何だよ?」
「もし、もしもよ、
あたしと兄貴が実の兄妹じゃないってことが判明したら、どう思う?」
「ちょっとにしてはやたらシリアスっぽい質問だな。
てか、俺にはお前が生まれたときの記憶がちゃんとあるけどな」
「あくまで仮定の話なの。漫画とかゲームとかであるでしょ、そういうの」
「もしも、ねえ」
兄貴はしばし考えるそぶりを見せる。


「まず思ったのは『どうでもいい』って感じだな」
「重大な事実の判明を受けた感想としては、なんか軽くない?」
「いや、俺とお前はずっと同じ家で暮らしてきた時間があるわけだろ。
確かに疎遠な時もあったけど、それも引っくるめて兄妹としての歴史だし、
それがその判明でリセットされてしまう気が、俺には しないんだよな。
兄妹としての関係は、それからも変わらない気がする。
ただなあ・・・」
「何、言ってみてよ」


「一方で、なんというか『もったいない』って気もした」
「何それ?」
「例えば、俺が将来結婚するとしてだな」
「貰ってくれる相手がいればね」
「うっせえ、まあ出会いの可能性とかそういうの抜きにすれば
『俺の恋人』とか『俺の嫁』と呼ぶチャンスがある相手は世界中に存在するわけだろ」
「うわあ、すごい妄想キタコレ」
「頼むからいちいちツッコんでくれるなよ
だからな、それと違って、『俺の妹』って言えるのは
世界中でただ一人、桐乃、お前だけだからさ」
「・・・・・・」


「最初は『どうでもいい』って言ってたけど、やっぱり血の繋がりというか
そういうのも完全には無視できない気もしてだな。
その関係がチャラになることに、うまく言えないけど『もったいない』気がした。
なんか矛盾してる気もするけど、仮定の質問に即興での答えだから、勘弁してくれよ」」
「・・・ゴメン兄貴、変な質問にきちんと答えてくれて、ありがとね」
あたしはそう言って部屋を離れる。


※※※
「・・・『俺の妹』って言えるのは世界中でただ一人、桐乃、お前だけだからさ」
うわあ、何このシスコン発言、それも本人の前でさらっと言ってくれちゃってさあ。

でも、でも、凄くうれしい

鏡を見たらあたしの顔は真っ赤だった。
あたしもやっぱりブラコンなんだろうな。

兄貴も言ってたけど、確かにあたしたちの歴史には、疎遠な時代があった。
兄貴を兄だと思いたくない頃もあった。でも、今なら断言できる。自信を持って。


「あたしは、高坂京介の妹」って・・・



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最終更新:2011年02月02日 00:54