521 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/02/01(火) 21:58:00 ID:0hZn8OlBO [2/4]
「ねえ、あんたのソプラノリコーダーを貸してよ」
「リコーダー?何に使うんだ?」
「明日のグラビア撮影の小道具で必要なの。あたしが今学校で使ってるのはアルトリコーダーだし」
「お前が小学校で使ってた奴があるんじゃないのか?」
「それがないから言ってんでしょ。早く用意して」


「ほら、あったぞ」
「さすが。やっぱり持つべきものは『捨てられない症候群』の兄よね」
「褒めたいのかけなしたいのかはっきりしろよ」
「んじゃ、借りてくから」

あたしはいそいそと自室に戻る。
まさかこうもあっさりと兄貴のリコーダーが手に入るとは思わなかった。
兄貴が使ってたリコーダー
兄貴が口をつけてたリコーダー

(・・・)

「撮影なんだから、実際に演奏できるように練習しないと、ねえ」
誰かに言い聞かせるようにつぶやくとあたしは兄貴のリコーダーを口許へ・・・

『ピー ピー ピイッ』

口許は震えるし、指には変に力が入ってなかなかうまく吹けない。
そうこうしているうちに、兄貴が部屋に来てしまった。
「お前さあ、いくらなんでも下手すぎるだろ。
もっとうまく吹けないのかよ」
「う、うるさいっ。あんたの、アンタのリコーダーに問題があるんでしょ。
あたしが本気を出せばこんなもんじゃないから!!」
「へいへい、じゃあここで見ててやるから何か曲を吹いてみろよ」
「???いきなり何言ってんの!馬鹿じゃないのアンタ!シスコンにも程ってもんが」

ニヤニヤしてる兄貴、
顔真っ赤にしてるあたし

結局兄貴の前でろくに曲を吹けずにあたしは果てた。



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最終更新:2011年02月02日 01:01