347 名前:桐乃はずっと、お兄ちゃんを想っているSS[] 投稿日:2011/02/05(土) 19:27:55 ID:hjPjUW/k0 [2/2]
「うぉっ!?」
 気づけば、俺は謎の空間で謎の連中に囲まれていた。そいつらは下は中学生から上はおっさんまで、まるで
統一感の無いやつらだった。ただ共通している事はひとつ。全員、俺の事を睨みながら厳しい言葉を飛ばしていることだ。
「京介、いい加減気づいてやれよ!」「くんかたんが可哀想だ!」「お前が鈍感過ぎてもうこのスレ次で100だぞ!?」「いい加減語呂合わせもネタ切れだっつーの」
「こっちはもうずっとモヤモヤしてたまんねーんだよっ!」「さっさとぎゅっとしてやれよ」「簡単な仕事だ」

「な、なんなんだよお前たちは!?」
 俺がそう叫んだ瞬間、連中の一人がヌッと顔を近づけてきた。急な接近に「うぉっ」と怯む俺に、そいつは低い声でこう言った。
「俺たちが言いたいのは一つだけさ・・・お前が桐乃を幸せにできないなら、きりりんは「俺達」の嫁だ」
「・・・・は?」
「いいから答えるんだ! お前は、桐乃を幸せに出来るのか・・・っ!?」
 それまで各々好き勝手に罵声を飛ばしていた連中は皆黙り、ジッと俺の事を見つめている。その視線、直前の目の前の奴の台詞から、
こいつらが桐乃の事を想う気持ちが伝わってくる。それは、もしかすれば俺なんかよりもずっと・・・・・・いや。
 それだけは、そこだけは認められない。
 桐乃を一番に想ってるのは、一番大事に想ってるのは、俺に決まってんだろーが!!
「ったりめーだ。俺が大事な妹を不幸になんてするわけねーだろ!」
 断言してやった。すると俺を囲んでいた連中の表情が皆和らいだ気がした。目の前の奴もフッ、と笑みを浮かべている。
「いい返事だ。なら、俺達はもうしばらく待つとするさ・・・・F5をポチっとな」
「は?」


「・・・変な夢すぎるだろ、おい」
 ベッドで身を起こした俺はガシガシと頭を掻きながら、ふと視線を横へやった。すると、昨晩確かに落とした筈のノートパソコンが
起動しているのに気づいた。
「うん?」
目を凝らしてみれば、画面には見覚えの無い掲示板が。スレッドのタイトルを読もうとしたその瞬間、パソコンは
まるで元から点いていなかったかのように画面が暗転してしまった。
 けれど俺の目には確かに、全部は読めなかったけれど、そのスレのタイトルが映っていた。

『桐乃はずっ10、0兄ちゃんを――――』



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最終更新:2011年02月06日 02:29