828 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/02/07(月) 23:50:38 ID:+dgFQ/yu0 [5/5]

「ただいまー」
「お父さん、おかえりなさいっ!」

午後7時過ぎ、仕事を終えて家に帰り着いた俺の耳に、娘の元気な声が飛び込んでくる。
それに―――

「おかえりなさい、あなた。お風呂にしますか?お食事にしますか?それとも―――あ・た・し?」
「お母さん!お父さんを誘惑しないでよっ!」

………俺の最愛の人―――なんだが………なんだ、この気持ち悪い桐乃は?

「…今度は、なんのゲームの…マネだ…?」
「ん?『妹は幼な妻~初回限定版』だけど?」

もう娘も中学生に成長したというのに、未だにエロゲーから抜けられないらしい。

「ねえっ、お父さん聞いてよっ!お母さんひどいんだよ?」
「…今度はどうしたんだ?」
「『エロゲーは人生だからっ!』って言って無理やりプレイさせようとするのっ!」
「………桐乃?」
「だ、だって本当のことじゃん?これがなかったら、あたしは…」
「はぁ…おまえは、ホント、すごいよな。絶対に何も切り捨てないもんな。」
「あんたの…、あんたとあたしを繋いでくれたモノだもん。捨てられるわけ…ないじゃん。」

全く…こいつはこういうとこ、変わらないよな。
顔真っ赤にして…

「あーもうっ!なんでそんな新婚のバカップルみたいにイチャラブ状態が続くかなー」
「こ、こらっ。お父さん達をからかうのも大概にしなさいっ。」
「はいはーい。それでねっ!今日の夕ご飯、あたしも作るの手伝ったんだよっ!」
「おっ?それは楽しみだな。どれくらい美味しく出来上がったかな~―――ゴフッ!?」

ふと、下腹部に鈍い衝撃を感じると、桐乃の肘打ちがめり込んでいた。

「お…おまえ…いきなりは、反則…だろ。」
「何?実の妹にハァハァしただけじゃなくて、今度は実の娘にデレデレする気?」
「ちょっ!?何見たらそんな結論になるっ!?」
「お母さん、娘に嫉妬~?ってか、エロゲ脳?」
「ちっ、違うわよっ!実の妹にまで手を出すこいつの事だから、あんたの事が心配になっただけよっ!」
「む、無茶苦茶言いやがる。」

確かに、実の妹に手を出したから娘がいるんですけどねっ!

「いいもん!お母さんが邪魔してきたって、あたしはお父さんの事大好きだもんね~♪」
「なっ…あ、あたしの方が、京介のこと一番に愛してるもんねっ!」
「お、おいおい」
「お母さんより、あたしの方がもっと好きだもんっ!お父さんっ!大好きっ!」
「あ、あたしの方がもっともっと、一番の一番に大好きだもんっ!」

まるで子供のケンカみたいに低レベルな争いを繰り広げる妻と娘。
でも、これだけ愛されている俺は、本当に幸せ者なんだろう。
この温もりを守っていくために、この幸せを糧として、明日も生きていこうと思うんだ。



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最終更新:2011年02月08日 21:58