146 名前:アツアツバレンタイン【SS】[sage] 投稿日:2011/02/09(水) 22:53:56 ID:87qui1hLO [3/3]
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「俺の妹」ドラマCD付録の書き下ろし短編小冊子の収録作品
『バレンタインの想い出』の後日談のつもりです。
未読の方にはネタバレとなりますので、ご注意願います
※※※

「で、桐乃。話ってなんだ?」
「一年程前の話。次のキーワードから連想するものを答えて。
石ころみたいな形、砂利のような食感、せ、石炭みたいな味……」
「……正直に言っていいんだな?」
「いいから遠慮なく言いなさいよ!」
「お前が去年のバレンタインに投げてよこしたチョコのことだろ」

「……あやせが教えてくれたの。去年のあたしが作ったチョコの真実を」
「あやせがそこまで話してるなら、今更俺が付け加えることはないぞ」
「あたしが言いたいのは、あんたが、マズいならマズいってどうして言わなかったのかってことなの!」
…それまでの兄妹の関係から言えば無茶苦茶言ってるかもしれない。
でも、あたしは本当に、本当に、自分のチョコがそんなに凄まじいモノだとは自覚できなかった。
それならそうと、親友が、つらい思いで話してくれる前に、兄貴から教えて欲しかった…

「待てよ!俺は、お前がわざとあんな味のチョコを作って、俺にイタズラをしかけたんだと思ってた。
だから、『お前の目論み通りには動かねえよ』って思いで、あの時は超美味かったって答えた。
そうすれば、お前が嘲笑ってはこれないと思ってな。
だから、変な同情とか、お前に逆ギレされるのが嫌で嘘ついたとか、そんなんじゃない。
それだけはわかってくれよ」

「……」
「桐乃。どうしたんだよ、っておい…」
急にいろんな思いが込み上げてきて、あたしは兄貴の前で涙ぐんでしまった。
「おかしいよね、おかしいよね。女の子なのに、
そんな味のチョコしか作れなかったなんて。
そう思ったら、泣けてきちゃった……」

「お前は人並み外れたいろんな才能あるだろ。だから他人と差がつきすぎないように
神様がお前にハンデをつけたんだろ。
それに、これから美味いもん作れるようになればいいだけじゃないか。だからもう泣くなよ。お前らしくない」

そんな兄貴の優しさに、かえって涙が出てきてしまう。
あたしは勇気を出して言ってみた
「ねえ、兄貴。今年もチョコ作るんだけど、よかったら……作るとこに立ち会って
アドバイスしてくれないかな?」

※※※
というわけで、今年は兄貴と二人でチョコを作ることになった。
結局いくつかダメ出しを食らったけど、そのおかげで、今年は人並みのチョコを作れたと思ってる。
しかし、兄貴が作る過程に立ち会ってるので、チョコについてのサプライズ感が薄れてしまってるのも事実だ。
だから、チョコのデコレーションは、おもいっきり兄貴が驚くような内容にした。

そしてバレンタイン当日。
(って、やっぱあの文面はやりすぎたかな………
なんか恥ずかしくて熱くなってきたんですケド)
熱い熱い、体を冷まさないと……

「ちょ、おま、桐乃、なんなんだよその格好は!!!」
「……熱かったの、熱かったから!!!」

あたしがどんな格好でどんなチョコを渡したのかは
明日発売のアニメディアのポスターを見て貰えると(ry



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最終更新:2011年02月12日 14:08