272 名前:あたしがいちばん【SS】[sage] 投稿日:2011/02/11(金) 10:47:52 ID:B0cbFhFwO [2/7]
「こんどのバレンタイン、きりのちゃんはだれにチョコレートをあげるの?」
「おにいちゃん! あとおとうさんにもあげるんだ」
「ほかには?クラスのおとこの子とかにはあげないの?」
「うん、あげなーい!」
学校から帰ると、桐乃はお小遣の小銭をにぎりしめて近所のスーパーに向かう。
「このチョコレートください!」
「おや、桐乃ちゃんじゃないの。もしかしてこのチョコレート、誰かにあげるの?」
「おにいちゃんとおとうさん」
「じゃあ、綺麗な袋に入れてあげるね」
「おばちゃん、ありがとう!」
チョコを買って帰ると、桐乃は机に向かって何やら描いている。
「できたできたー」
チョコが入った袋の中に、作ったものを入れる。
そうこうしてるうちに京介が帰ってくる。
「ただいまー」
「お帰りなさい。あらあら京介、今年もたくさん貰ったみたいね」
「うん」
京介の手提げの中には、クラスメートから貰ったチョコが何個も入っていた。
「で、好きな子からは貰えたの?」
「好きな子なんていないよ!!」
「あら、そうなの。でも、モテる男の子はつらいわねえ。ちゃんと責任もって全部食べなさいよ♪」
無邪気に言う佳乃。
息子が人気者なのはまんざらでもない様子。
京介が部屋でチョコとにらめっこしてると、桐乃が入ってきた。
「はい、おにいちゃん。あたしからのバレンタインのチョコだよ」
「きりの、ありがとう」
「あけてみて、あけてみて」
京介が袋をあけると、中には桐乃が作ったメッセージカードが入っていた。
ハートの形に切られた紙
クレヨンで桐乃と京介の似顔絵が描いてあって、その下には「だいすきなおにいちゃんへ」の文字。
「うわあ、きりの、よくかけてるなあ」
「えへへ」
「チョコレートは二つ入ってるんだな。じゃあ半分こしようか」
「うん!!」
桐乃が買ってきたペコちゃんの2本入りスティックチョコレートを
兄妹は半分ずつ食べる。
「あまくておいしい♪」
「うん、おいしいな」
(おにいちゃんは、あたしのほかにも、大きいおねえちゃんたちから
いっぱいチョコレートをもらったみたいだけど
おにいちゃんがバレンタインでいちばんさいしょにたべるチョコは、
あたしのチョコなんだ♪えへへ♪♪)
京介の横で、とってもとっても嬉しそうな笑顔を見せるちびきりりんでした。
-------------
最終更新:2011年02月12日 14:09