655 名前:バレンタインギフト【SS】[sage] 投稿日:2011/02/14(月) 17:24:54 ID:EKgf+chSO [7/11]
「……ところでおにいちゃんは、バレンタインデーではキリノに何をプレゼントするの?」
国際電話の向こうから、リアが突拍子もないことを言い出す。
「バレンタイン?バレンタインは女の子から男にチョコを渡す日だろ?」
「ホントーのバレンタインは男の子も女の子にプレゼントする日なの!
だからおにいちゃんもキリノにプレゼントしないとねーっ
リア、キリノにおにいちゃんが何をプレゼントしたかあとで聞くからね!
ちゃんとプレゼントしないとダメだよー じゃあねーっ」
返答する間も与えずに電話を切るリア。
確かに女子から男子へチョコ渡す習慣が日本オリジナルってのは知ってたが
桐乃にプレゼントするつもりなんて全くなかった。
だが、リアが桐乃に確認してくるって言うんじゃ、何か考えないとな……

※※※
と言うわけで俺は千葉そそうに向かった。
流石に近くの店じゃご近所さんの目も気になるからな。
ところがそそうに着いた瞬間、俺は思わぬ人物に遭遇してしまった。

「あんた、なんでここにいるのよ??」
おいおい、桐乃。それはこっちのセリフだろう
「別に、買い物くらいしたっていいだろ。お前だって何か買い物する為にここにきたんだろ」
「うっさい、あんたのことだからどうせランジェリー売場でも見に来たんじゃないの!キモッ!」
「お前なあ、言っていいことと悪いことがあるぞ!とにかく、買い物あるから、じゃあな」
「フンッ」
ともあれ俺は桐乃と離れる。

(しかし、桐乃は何を買いに来たんだ?
やはり誰かにやるチョコを買いに来たんだろうか?)

特設会場には、いろんなチョコが並んでた。
(桐乃は、どんなチョコなら喜ぶんだろうか?)
考えながら会場内をああでもないこうでもないと、結構な時間歩き回ってしまった。
もしかして、桐乃とチョコ売場で鉢合わせするんじゃないか気掛かりだったが、
結局あの後店内で桐乃と会うことはなく、俺は無事に買いものを終えた。

※※※
「おい、桐乃。プレゼントだ」
「へっ、なんで、あんたが??」
「…こないだの電話でリアから、お前にちゃんとバレンタインのプレゼントをしろって
言われたからな。」
「でも、リアからはバレンタインのメッセージカード貰ってるけど」
「…俺からのチョコだ。いいだろ別に。日頃の感謝って奴だ。じゃあな」
俺が告白する乙女みたいに恥ずかしがってどうすんだ、と思いながらも、
とにかく桐乃にバレンタインの贈り物をするリアとの約束は果たせた。

その夜遅く、俺は桐乃に呼び出された。
「昼間は…チョコありがとう。兄貴にしては、センスいいもの選んだじゃん」
(まあな、大枚はたいて高級チョコ買った甲斐があったぜ)
「で、これは、あたしからのバレンタイン…」
そう言って桐乃は小さな包みをよこす。
「兄貴の……は世話になってるから……借りてた分も返さないといけないし」
急に小声になる桐乃、どうしたんだ?
「サンキューな。ここで開けていいか?」
「ダ、ダメっ!その、恥ずかしいから自分の部屋で開けて、じゃあお休み兄貴!」

俺は半ば追い出される形で自室に戻る。
包みを開けてみる。食べ物じゃないみたいだな。
これはミッキーマウスがプリントされたハンカチ……じゃなくてトランクスか。
そういえば紳士洋品売場で男性下着もバレンタイン向けとして売られてたな。

でも、なんでトランクスなんだ???



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最終更新:2011年02月18日 01:51