23 名前:くんかスレ記念【SS】[sage] 投稿日:2011/02/17(木) 01:36:47 ID:rCBIS4lVO [1/6]
兄貴のパンツの匂いを嗅ぐなんてことをはじめたのは、いつからだろうか?
変態じみてるのは自分でも分かってた。でも、今更やめることはできない。
あたしと兄貴との距離が離れてるが故にできることでもあるし、
逆にその距離感を埋めたかったからかもしれない兄パンクンカ………
ずっと秘められた行為で済ませたかったんだけど、とうとう兄貴に見られる日がきてしまった。


「桐乃……まさかほんとに俺のパンツの匂いを嗅いでたのかよ……」
『ベルフェゴールの呪縛』による指摘以降、
いつかはあたしの行為がバレる日がくるんじゃないかとは、実は思ってた。
けど、バレたときにどうしようかなんて、正直考えてなんかいなかった。
さて、あたしはこの場をどう切り抜けたらよいのだろうか?

しかし、良くも悪くもあたしらしいというか、出てきた言葉はこんなんだった。
「な、なんなら、お返しにあたしの下着の匂いを嗅がせてあげてもいいけど」
謝るってことは頭になかった。だいたい謝ってどうなかなるレベルの出来事じゃないし。

「妹の下着の匂いとか嗅げるわけないだろ!だいたいなあ」
兄貴はあたし目掛けて突き進んでくる。
「兄貴が妹の匂い嗅ぐんだったら、もっと普通な形で嗅がせろよ…」
そう言うと、兄貴はあたしを抱きしめてきた。

えっ???
「ちょ、何やってんの兄貴……」

「桐乃の匂いがする…汗くさい俺なんかと違って、女の子のいい匂いがする…」

突然の展開に、あたしは言葉がでなかった。ただひたすら、兄貴に抱きしめられるままでいた。
「俺はだな、ずっとずっとお前に嫌われてるんだと思い続けてた。
そんなお前が日頃から俺のことを気にかけてるわけがない。
ましてや、俺のことを好きでいるわけがないってな」
「………」
「でもなあ、今日、桐乃の姿を見てやっと分かったんだよ。

兄貴のことを大嫌いだと思ってる妹がこんなにパンツを嗅ぐわけがないってことがな!」

「兄貴……」
「なあ桐乃、俺もこれから、嗅ぎたいときに桐乃の匂いを嗅いでいいか?」
「ねえ、あたしのコト、キライじゃないから嗅ぐんだよね」
「キライなわけないだろ!キライなら嗅がねえよ……そうだよ、好きなんだよ。
俺は、妹のことが大好きでたまらないシスコンなんだよ!悪いか???」
「悪いわけないじゃん、何言ってんの、ほんとにバカ兄貴なんだから……」
そう言ってあたしも兄貴の背中に腕を回した。
「シチュエーションは最悪かもしれないけど、
初恋の人に、こんな告白をされて、あたしは超シアワセなんですけど」
「は、初恋って、俺がか?」
「決まってんじゃん。小さいときからあたしはお兄ちゃん大好きな女の子だったの!
小さいときから、好きな人は、変わってないんだから……」
「そうか、俺は、桐乃も知ってる通り
これまでお前だけを見てきてわけじゃない。
でも、これからはきっと、桐乃しか見えないんだと思う。」

「…ンタ、そこまで言ってくれちゃって、ちゃんと責任とってくれるんでしょうね」
いろんな想いが一度に込み上げてきて、あたしは涙ぐみながら、こうつぶやいてた。

兄貴はふうっと息をつくと、こう言った。
「俺の妹がこんなに愛しいわけがない」って
そう言ったばかりの口が、あたしの唇に重なりあうまで時間はかからなかった……



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最終更新:2011年02月18日 01:55