665 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/02/21(月) 17:44:24.11 ID:8nef+fdA0 [1/2]
第7話続き 1/2

桐乃と出かけたのがばれないように、俺だけ麻奈美の家によってクリスマスケーキを受け取って、家に帰る。
「たっだいまー」しかし、家の中は静まりかえっている。なんかイヤな予感がした。
リビングのドアをそっと開けると、親父の姿が飛びこんできた、手前に目をやると桐乃が身を固くしてじっとしている。そしてテーブルには今日桐乃が持ってたデジカメが?

桐乃はこっちを見ると、キッとにらんできた。え?ここで俺?
親父は言う「何だ京介、桐乃が門限を破った訳を知っているのか。そしてこの写真のことも」

デジカメに何が残っているのかは知らないが、親父を激怒させるブツだったのだろう。だったら、アレしかない。
俺はあきらめて、今日、桐乃に頼んで渋谷についてきてもらった、門限が遅れたのは俺がひっぱりまわしたからだ、とぼそっと言い訳する。

親父はデジカメを手に取り、ホテルの部屋の写真を俺に見せる。
「これは何の写真だ?お前は桐乃をどこに連れていったんだ」やっぱ来たか、このセリフ。
事実を言うわけにはいくまい、それじゃあ桐乃がマジキチガイ扱いされてしまう。

しょうがない。俺は親父に土下座して言った
「この前学校で、赤城って奴がラブホテル行ったって自慢してたんだ。それで俺も、一度行ってみたいと思ったっつーか、大人のたしなみとして知っておきたいというか、バカにされたくねーって思ったというか… それで… 一人で入るわけにはいかないし…」

「それで桐乃を連れて行ったというのか。このバカ息子が」
「すいませんでした」
「お前はまだ17歳だろう。こういう所へ行くのはまだ早い。ましてや桐乃は中学生だ。補導でもされたら2人ともどうなる」
俺は首を垂れるしかない。
「すいませんでした」

「桐乃、お前もお前だ。冬休みに入って浮かれているからかどうかは知らんが」矛先が桐乃に向かう。
「すいませんでした」桐乃も謝る。

どうやら、謝りたおしてこの場は収束しそうだ。俺の信用がまた一つ傷ついたが、まぁ、向こう傷みたいなもんだ。

666 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/02/21(月) 17:45:29.81 ID:8nef+fdA0 [2/2]
2/2

その夜、寝入ってる深夜、パチンと頬を叩いて起こされた。桐乃だ、生涯通算3回目、半年ぶり。
どうしたよ、またこんな夜更けに。
「取材の続き」それだけ言って、桐乃は俺の上にのしかかってきた。
「しおりちゃんみたいに、ちょっと身を寄せ合ってみたくなったの。悪い?」と言って俺の上で身を固くしている。
悪かぁねえけど、桐乃は妹だ、興奮しねぇよ。ただ重いだけだ。

「ちょっとの間だけだから。ちょっとの間…」
俺の肩にあごを乗っけて、目をつぶっているようだ。桐乃の胸が俺の胸にあたる。
頬に何か冷たい感触がする。桐乃の耳のピアスだ。まだ外してなかったのかよ。

クッ、興奮したら負けだ、あくまで自然体で、体の力を抜こう、って自然体ってなんだよ?
うん、こうするのが自然かな。俺の手は桐乃の背中に回った。
陸上やってるだけあって、案外筋肉質で堅いのな、桐乃の体。余分な脂肪もついてなくてちょっとかたい抱き枕をしてると思えばいいか、
そうだ、これは抱き枕だ、そう思うと一度、ギュッとしてみようと思い、腕と手に力を入れる。

「ちょっと。何力いれてんのよ。そんなことしたら、私… どうなっちゃうの…」
俺は黙ってそのまま抱きしめていた。

10分くらい経っただろうか。桐乃はふぅ、とため息をつくと
「はい。取材終わり。明日もあるから今日はここまで。」そう言って俺から離れた。

「明日は取材に原宿行くからね。年内に取材場所コンプリートするから」って俺もかよ?今日で終わりじゃなかったの?

「これ」と言って桐乃は携帯の写真を俺に見せる。ホテルのベットで大の字になってあくびしている俺の写真だ。いつの間に撮ったんだ。
「取材に付き合わなかったら、この写真、地味子やあんたの友達に見せるからね、わかった?」
って俺、妹に脅迫されてんの?

どうやら拒否権はないようだった。俺の冬休み終わった。

end



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最終更新:2011年02月22日 00:51