931 名前:あの日あの時【SS】[sage] 投稿日:2011/02/22(火) 16:29:04.70 ID:hPAkLwPAO [5/6]
配信12話のOP映像から妄想

「…ふう、やっと片付け完了ってとこかしら。これで捨てるものは全部ね」
「お母さん、ちょっと待って。これ、捨てる前にもう一度だけ使ってみたいんだけど」
「桐乃、あなた自分を何歳だと思ってるのよ」
「最後の思い出に、使ったらちゃんと処分するから。お願い…」

※※※
「…と、言うわけで、アンタ準備よろしくね」
「なんで俺がこの暑い中、庭でビニールプールを膨らませなきゃいけないんだ!」
「プールで遊ぶために決まってんじゃん」
「違う、そうじゃなくてだな…」
「じゃあ水着に着替えてくるから、ちゃんと膨らましときなさいよ」

あいつの前でどんな水着姿にしようか迷ったあげく、
あやせと加奈子と海に行った時の水着を選んで庭に降りた。

※※※
「おおっ、ちゃんと完成してるじゃん。よくできました」
「あのなあ。って……」

「…何黙りこんで顔赤くしてんのよ。
アンタ、まさかあたしの水着姿に興奮してるの?マジキモいんですけど」
「いや、違う、そんなはずないだろ!」
「へえー、顔真っ赤にしながら言い訳しても説得力ゼロなんですけどw
まあ、アンタも汗かいたんだから、水着に着替えてプールで汗流しなさいよ」
「べつに、風呂でシャワーでいいじゃん」
「アンタわかってないわね。このビニールプールは、大掃除で捨てられることになったの。
だから最後に感謝の思いをこめて楽しんでから捨てるの!
でないとプールの付喪神にアンタ祟られるわよ!わかったら早く着替えてきなさいよ!」
「いきなり妖怪話とか、お前はゲゲゲの女房かよ!!」
ぶつくさいいながらも兄貴は着替えに行くようだ。
でも何アイツ、あたしを女房扱いとか、マジキモいんですけど! キモッ! キモッ!

※※※
「これで気が済んだか?って、冷てえ、何しやがる」
「へっへー、シスコン拗らせて妹を女房扱いしてる兄貴の熱を冷ましてんじゃんw」
あたしはプールと一緒に出してきた水鉄砲で兄貴を狙い撃ちにする。
「おいいい加減にしろよ、冷たいだろ」
「汗だくだったから丁度いいじゃん」
「そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぞ」
兄貴は水道の蛇口まで後退すると、プールに水を張るのに使ったホースから
勢いよく水を浴びせてくる。
「ちょ、何すんのよ、水道水とか卑怯なんですけど」
「うるせえ、卑怯も糞もあるかよ、ざまあw」
「このバカ兄貴、それならこれでも喰らえ!」
あたしは近くのバケツでプールの水を掬うと、兄貴目掛けてぶちまけてやった……

※※※
(やれやれ、とんだバカップルですこと。隣の奥さんが見たら何と思うかしら……)
庭の喧騒の原因に目をやる佳乃
「なんだかんだ言っても、あの二人はいくつになっても変わらないのね」
佳乃の脳裏に、遠い過去の思い出がよぎる。

ビニールプールにいろんなおもちゃを浮かべて楽しむ幼い兄妹。
兄の顔に水鉄砲を発射して喜ぶ妹……

「やれやれだわ」
口ではそう言いながらも佳乃は笑みを浮かべながら、夕食の準備にキッチンへと向かった。



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最終更新:2011年02月23日 01:32