166 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/02/23(水) 11:26:43.16 ID:lkmFQUR60 [1/3]

SS『あやせの下校風景』



学校からの帰り道、私は桐乃と一緒にいつもの通学路を歩いてます。

桐乃は私の一番の親友で、お仕事の事や、ファッションの事、勉強の事、
いろいろな事を話しながら帰るのが日課になってます。
私は桐乃といるのがとっても楽しいし、桐乃もいつも笑っていてくれて、ほんと、嬉しいんです。


………でも、そんな私にもひとつだけ、桐乃にあんまりして欲しくない話があるんです………


「それでね〜、って、聞いてってば〜」

「う、うん。」

「あいつってば、また、あたしの部屋に来てね〜♪
 『このゲーム、意外と面白かった』とかさ〜、
 妹の前で、妹ゲーの感想とか、マジキモイし〜♪」


『あいつ』………桐乃は、自分のお兄さんの事をしゃべるとき、大抵、そう言います。
桐乃に似て、かっこいいお兄さん。………ちょっと変態ですけど。

桐乃にして欲しくない話題って、実は、そのお兄さんの話なんです………

だって、一旦話し始めると、私の話なんて全然聞いてくれなくなって、
ずぅーーーーーーーーっと、お兄さんの事ばっかり話すんですもん!

でも、そのお兄さんの話題が出るとき、桐乃、他のどんなときにも見せないような、
すぅっっっっっごく、可愛らしくって、嬉しそうな顔するんです。
はぁ、ちょっと嫉妬しちゃうなあ。


「つーかさぁ?感想言うだけならともかくさあ?
 あたしの部屋に来るたびにぃ〜あたしのへやをチラチラ見回したりさぁ〜
 絶対あたしの下着とか落ちてないかって探してる目だよねぇ〜あれ
 それにさ?顔よくみるとさぁ?鼻ひくひくさせてんじゃんっ!
 あんたどんだけシスコンなのよっ!妹の匂いかいでるとかさ〜」

「う…うん」

「なんか最近はさー、結構視線がさあ?
 あたしの目を避けるようなふりしてさ、あたしの胸元とか見てるのよねぇ〜
 ブラの中まで透視してやるっっっってかんじでぇ、マジ、ガン見じゃん〜
 あーーー、もうっ。マジっ、キモいーーーっ!」


言葉だけ聞くと、お兄さんの事嫌ってるようにみえますよね?
でも、全然違うんです。
一言一言、まるで後に♪マークが付いてるみたいに、すっごく嬉しそうなんです………


「ねー?あやせっ!
 あいつ、絶対さあ、近親相姦願望とか、そーいうのあるよね〜
 最近自分でも妹ゲーとか買ってるしさぁ?
 ほんっっっと、マジ変態のシスコンだよね〜
 それにさっ、なんかあいつさっ、この前あたしのパンツとか見てえ、何か顔赤くしてんのっ!
 妹のパンツだけで興奮するとか、ちょうキモいって思わないっ!?ねえ?」

「そ………そうだね?」


お兄さんの話では、その、妹ゲーの世界に引き込んだのは、桐乃らしいのですけど………
最近、お兄さんじゃなくって、桐乃に、その願望があるんじゃないかと心配です………


「あれ?どうしたの?あやせ?何か変な顔してるよ?
 なんて言うの?生暖かい表情?みたいな?」

「その、桐乃の変態お兄さんの事はともかく―――」

「そうそうそれにねっ、あいつ、あたしがリビングでくつろいでるってのに、
 ちょーーーっと、気を抜いて寝転んでるだけなのにねっ!
 『そ、そんなはしたない格好すんなよっ』ってな目で見てくんのよ〜
 そんなの、あんたがあたしの生足に見とれてんのがいけないんでしょ?
 てか、妹の足見てよくじょー!?ぶっちゃけマジありえないし〜」


うぅっ………失敗………
また話題を変えられませんでした………


「それにぃ、あいつの事だしぃ〜ぜったい、足だけじゃなくって、
 スカートの中覗こうとしてるにきまってるよねぇ〜
 つうかさ?パンツだけじゃなくって、その中までみたがってんの明らかじゃん?
 あぁぁぁーーーもうっ、想像しただけで、寒気がしてくるしっ!」


ほんとに寒気がしてたら、そんなに口元が緩んだりしないよ。桐乃………


「だいぶ前だってさあ?あやせがはじめてあいつにあったときだけどさ?
 あいつ、あやせたちが来なかったら、絶対あたしを襲ってたよね〜?
 あたしが倒れるのをかばったとか言ってたけどさ〜
 胸わしづかみにして、あたしの足を押し広げてっ!?
 ぜぇったい、襲う気まんまんじゃん?
 つか、あたしの友達の目の前で見せ付けるようにとか、
 変態すぎないっ!?キモっ!キモすぎっ!」


そろそろ、無理やりでも話題を変えないと、私の精神がもたなくなりそうです………


「そのっ!昨日買った雑誌にねっ!」

「そうそう、あいつ昨日さあ、妹専門ゲーの雑誌とか買ってきてあたしに渡すんだよね〜
 マジで何を期待してんのっ!?
 あたしにゲームの中の変態プレイさせたいとか想像してんじゃない!?
 ちょう変態すぎっ!マジで死んだ方がいいよねっ!」



………その後も桐乃は、結局分かれ道にくるまで、お兄さんの話をやめてくれませんでした。
桐乃の事、一番の親友だと思ってるし、本当にすごいと思うし、お兄さんの事も嫌いじゃないし、
一緒に居ると楽しくって、仕事やファッション、勉強の事、色々な事をお話したいのですけど………



………お兄さんの話だけは………やめて欲しいです………



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最終更新:2011年02月25日 01:09