898 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/02/27(日) 16:42:05.28 ID:J+8TilQm0
第7話 if route

 ずぶぬれになった桐乃に声をかける、悪かった、俺が悪かった。えーと次はどこだよ。
 「ホテル」小声で桐乃がつぶやく。
 なっ、ホテルぅ?泊ってくのか?そんなことしたら親父にどやされるぞ、何考えてるんだ?こいつ
 「そういうホテルあるでしょ、あっちの方行って道玄坂ってところ行けばたくさんあるから」
 ああ、いわゆる休憩ってことか、「ってお前、行ったことあるの?」答えを聞きたいような聞きたくないような質問だ。
 「ある訳ないでしょ、ないから取材で行こ、って言ってるの。寒いからシャワーも浴びたいし。サッサと行こ」
 そういうことか、俺はちょっと安心して坂を登る。

 適当に空室ありって表示が出てるラブホテルに入る。もちろん俺も初めてだ、勝手がわからねぇ。
 なんか部屋の写真があって、部屋ごとにランプがついてたり消えてたりする。ランプがついてるのが空室のようだ、そこまではわかった。
 でもそのあとがわからねぇ。そばにあったインターホンで聞いてみようか。
 「あのー、シャワーついてる部屋がいいんですけど」
 従業員が「シャワーは全部の部屋についてますから。ご希望の部屋の番号を押してください」そういうことか。
 手持ちの金と相談して一番安そうな2時間5800円の部屋のボタンを押す。これなら何とかなりそうだ。でも延長料金を払う金はもう無い。
桐乃に2時間までだからな、と言い含めて部屋に行く。

 部屋に入るとさっそく桐乃は服を脱ぎだして、俺に向かって「ちょっと、あっち向いててよ。服脱ぐから」
おう。悪かったな。俺は桐乃と反対側の壁に向かい、壁を凝視している。
「シャワー浴びてる間にドライヤーで服乾かしといてよね。時間ないんだから」
へいへい。元の妹様に戻ったようだな。やっぱこうでなくちゃ。

 洗面台にあったドライヤーを手にとって、桐乃の衣装が置いてあるテーブルを見る。一番上にあるのは… パンツ。
 そりゃ順番に脱いでいったら最後はそうなるわな。って無防備すぎるだろ。これも乾かせって言うのかい?とんだ妹様だな。
 手に取って、さっさと乾かそうとドライヤーを当てると、なんか内側の方が濡れてる。ん?指ですくってみると、なんかヌメッとした感触が。ティッシュでそのヌメリをとる。
 これって、エロマンガでよくある「濡れちゃった」ってヤツ?あいつ濡れたのか?ということはこのティッシュについたのは桐乃の体液?
 ん、なんか妹の匂いがする。

 ガチャ、桐乃がバスローブを羽織って出てくる。
「はぁーシャワー浴びたら行きかえったわー、って何あんた妹のパンツ持って固まってんのよ。あんたひょっとして妹に欲情してるの?この変態」勢いよくビンタされる。
 欲情してんのはお前の方だろうが。言い返そうと思ったが止めた。この状況見られたら、俺が変に決まってるよなぁ、でも… いい匂いだった。
 
 「ちょっと、それ返してよ、着干しして乾かすから。ブーツでも乾かしてて。ブーツが一番乾きにくいんだから」お、おう。
 桐乃は下着をもってバスルームに戻る。

 俺は桐乃のヌメリをとったティッシュをジャンパーのポケットにしまうと、ドア近くにあった桐乃のレインブーツにドライヤーをあてる。
 外側はともかく、内側を乾かさなきゃな。ブーツの中にドライヤーを突っ込んで最大容量で熱気をあてる。
 ゴーっと勢いよく熱風が送られ周りの空気が暖かくなる。それとともに、異匂がしてきた。桐乃の足の匂いだ。異匂といっても決してイヤじゃない。
なんか桐乃の部屋の甘い匂いを凝縮したような、桐乃の匂いだ。ゴクリ、クンカクンカ。

 その時俺は、どうにかしてるぜ、って思った。妹の足の匂い嗅いで興奮するっておかしいだろ。でも、止められなくなりそうだ。
 匂いフェチという分野があると知ったのは、後のことだった。
end



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最終更新:2011年02月28日 01:06