218 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/30(木) 00:32:34 ID:lU82DwwG0 [2/4]
「はあ?なんであんたにそんなこと言われなくちゃなんないの」
  と、いつものようにケンカ腰に答える桐乃。
  ことの発端はふと桐乃にこれからの進路について聞いたことだった。

 「だから留学なんかすんなって言ってんだろ!」
 「ウザッ!あんたが決めることじゃないでしょ!」
  中学卒業と同時にまた留学すると言い出した桐乃。
  さっきから話は平行線を辿っていて一向に前に進まないんだよね
  こいつが居なくなると親父やあやせ達が寂しがるしな
  そりゃ俺だってちょっとは寂しいしさ。 
  それに一度あんな姿になったこいつを見ているし余計に行かせたくないんだ。
  
 「陸上だったら日本ででも出来るだろうーが!」
 「あたしは海外で自分の力を限界まで伸ばしたいの!」
  行く、行くなでもう30分は同じ話をしている
  どうにか説得しないとこいつ意地になってるし。
  突然桐乃は黙ってしまった。なんだ?なにか考えている様だけど・・・
  しばらくするとこちらを睨みながらこんなことを言った。

219 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/30(木) 00:35:25 ID:lU82DwwG0 [3/4]
「じゃ、じゃあ、あんた何とかしなさいよ!」
 「はあ?」
 「だ、だから!あたしがアメリカで練習している環境をココで再現しろっつってんの!」
 「できるわけねーだろ。 んなこと」
  すると桐乃は顔を真っ赤にして驚くことを言った。
 「アメリカで挨拶とかするじゃん。 そ、そんとき抱き合ったり
  キ、キスとか・・その・・そういうので向こうにいる雰囲気を出せっていってんでしょうが!!!」
  いきなりキレながらとんでもないこと言ってきたぞ。 こいつ頭大丈夫か?
  ところでなんで挨拶? 英語で話しかけろとか食べ物をあっち風にしろとかじゃなく?
  俺がポカーンとしているのが気に障ったのか桐乃がまたキレだした
 「い、言っとくけど!あんたがどーーーしてもあたしを留学させたくないって泣いて
  頼むからこうすんだから! へ、変な勘違いすんな!!!」
  た、たしかに頼んだのは俺だがなんかおかしくない?

  すると桐乃は
 「あ、挨拶。・・して」
 「い、今やんのかよ! ま、待て桐乃。 おちつけ。いいか、いくら再現しろっていっても
  普通練習のほうだろ?そ、その・・キスとかは生活面だし・・・」
 「はあ?あんたバカ?普通は練習前に会ったら挨拶するでしょ。そんな一般常識も知んないの?
  つーか挨拶できないとか、ガキじゃん」
  おめーに一般常識うんぬん言われたくねー!! 日常的に兄を蹴ったり罵倒しているヤツ
  が言って良い台詞じゃねーからそれ!

 クッ。妹にキスとか無いぜ・・・でもやんなきゃ納得しねえだろうな。
  俺は『これは挨拶』と自分に言い聞かせなるべく桐乃を抱きしめないようにして軽く頬にキスをした。
  くぅ~やっぱ恥ずかしい! なんなの外国の人ってなんでこんな挨拶なの?
 「馬鹿・・ちがう。それは友人とか親しい人とかの挨拶。か、家族とかは・・・く、口」
 「ええええ!!!ちょ、さすがにそれはおかしいだろ!そもそもおまえキスとかしたことあんのか?」 
 「あ、あるわけ無いでしょ!!い、いいから早くして」
  いや、まあ。キス初めてじゃないとか言われたら
  ソレはソレでショックだったわけなんだけど・・・

220 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/30(木) 00:36:19 ID:lU82DwwG0 [4/4]

 「じゃ、じゃあ。やるから・・・」
 「う、うん」そう言うと桐乃は赤い顔を俯むかせ目を瞑った。
  そんな桐乃を前にドキドキしながらそっと抱き締めた。
  桐乃は一瞬ビクッっとなったがおとなしく立っていた いや蹴りでも飛んで来んじゃーかと思っていたわけよ
  しかしヤバイ。なんかいいにおいするし。こ、こいつの身体柔らかいし。なんかずっとこうしていたい。 
 
 「つ、次・・・」
 「わ、わかったよ」
  でもいいのかよ。こいつファーストキスなんだろ?そういうのって女の子にしたら大事なんじゃない?
  いや、俺も初めてなんだけどさ。な、なんか緊張してきた。しっかしファーストキスが兄妹て・・・
  ふと桐乃を見ると・・・顔、超真っ赤にして目瞑って震えてるし。・・・か、かわいい。
  その顔に見とれた俺は無意識に桐乃の唇に自らの唇を重ねてしまった。
 「・・んっ。」
 「うっ・・・。」
  一瞬電流が流れたような気がした。なんだこれ・・・キスってこんなに気持ちのいいものなのか?
  唇が敏感なのは知っていたがソレを重ねるという行為がこれほどの快感だとは
  余りの感動にさらに桐乃を求めようと
  一層力を込め逃さないように唇を求めた
  桐乃は腕の中でもがいていたがとても離す気にはなれなかった
・・・すげえ・・桐乃とのキス最高・・・ん??
  ・・き・・桐乃と?・・・キ・・キス???
  は!・・・お、俺は何をして・・・・と桐乃を見ると、そこには・・・
  うおおおおおおおおーーーー!!!!!!
  我に帰った俺はあわてて桐乃を離した。


  俺の腕から逃れた桐乃は後ろを向いてしまった。
  俺も恥ずかしさのあまり桐乃を直視できずにいた
  桐乃は赤い顔と乱れた息でこちらをちらちらと見て
 「・・・あ、あのさ。挨拶なんだからもう少し軽いのにしてよ。がっつきすぎ」
  は、恥ずかしすぎるーーー!!! 妹相手になにマジキスしてんの!!! 
  赤城を超ドシスコンとか言ってたけど、俺!俺の方が超ドシスコン!通報レベルの変態!
  妹にダメ出しされて猛烈にヘコんでいる俺にさらに言葉が続く
 「挨拶。明日から毎日だから」
  そう言って呆然としている俺を置いて部屋に戻ろうとする我が妹。
  えと・・・これで留学はしないという事でいいの?
  というか最低朝と夜はするの? え?これでいいの?
  俺が混乱しているなかドアノブを握った桐乃が笑顔で振り向き
 「あたしのこと何処にも行かせないでね」



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最終更新:2010年12月30日 21:26