オペラ座の怪人 著者/ガストン・ルルー

898 :オペラ座の怪人2012/08/07(火) 12:58:41ID:mTeSKH7H
パリのオペラ座という劇場には、ファントムと呼ばれる怪人が潜んでいる。

怪人は劇場の支配人に対して、高額の給料や、特等席の確保、
芝居に関する演出など、姿を現さぬまま様々なことを要求しており、
これに背くと恐ろしいことが振りかかる為、オペラ座の従業員は怪人を恐れていた。
ところが新しくやってきた支配人は、ファントムの言う事を聞く気は全く無く、
その結果、オペラ座では次々と怪事件が起きるようになってしまう……。

そんな中、端役の少女クリスティーヌが、主役に抜擢される。
怪人を恐れた大物主演女優が引きこもってしまった為、
演技歌唱指導役のマダム・ジリーの推薦によって、
「すべての台詞を完璧に覚えている」彼女が代役に選ばれたのだ。
舞台に経ったクリスティーヌは、素晴らしい歌声を披露して観客を魅了。
一夜にしてスターの座へと上り詰める。

クリスティーヌの舞台を見ていた青年貴族のラウルは、
彼女が初恋の相手、幼馴染の少女だという事に気づく。
楽屋を訪ねたラウルは、クリスティーヌと思い出話に花を咲かせるが、
父を亡くした彼女が誰にあんな歌のレッスンを受けたのか、疑問に思う。
しかしクリスティーヌは「音楽の天使」とだけ言ってはぐらかせてしまう。
さらにラウルが食事に誘うと、歯切れの悪い様子でそれを拒もうとする。
不審に思いながらも楽屋を後にしたラウルだったが、
なんとクリスティーヌしかいない筈の室内から、誰かの話し声が聞こえる。
慌てて飛び込んだラウルだが、クリスティーヌは姿を消していた。
クリスティーヌを指導した「音楽の天使」――それはオペラ座の怪人だったのだ!
899 :オペラ座の怪人2012/08/07(火) 12:59:31ID:mTeSKH7H
オペラ座地下の地底湖に建つ館にクリスティーヌを招いた怪人は、
ラウルの事を忘れ、自分だけの「音楽の天使」になるよう彼女に囁く。
一度地上に戻されたクリスティーヌは、幼い頃から恋していたラウルと、
自分を庇護してくれた音楽の天使=怪人との間で葛藤する。
一方のラウルは怪人に嫉妬し、クリスティーヌを解放するべく、
支配人らと協力してオペラ座の怪人を捕らえようとする。
しかし怪人はそんな人々の努力を嘲笑うかのように犯行を続け、
女優たちに手を出そうとする評判の悪い道具係が殺され、
クリスティーヌを引きずり下ろそうとする大物女優が声を潰され、
いつしかクリスティーヌは、自分のために殺人を犯す怪人を恐怖している事に気がつく。
そして遂にクリスティーヌはラウルへと助けを求めるのだが、
彼女の様子を物陰から見ていた怪人は、哀しみと怒りと絶望のあまり、
代役として舞台に立つクリスティーヌのすぐ傍へとシャンデリアを落下させる……。

作者、ガストン・ルルーが手に入れたという「衛兵隊長の手記」によれば、
オペラ座の怪人は本名をエリックという、異国で生まれた、生来醜い容貌の男であるという。
芸術を愛し、万能の天才でありながらも、その姿のせいで隠棲を強いられていた彼は、
あるとき、その歌声を王妃が耳にしたことがきっかけで才能を認められ、
新しく建設されるという宮殿の設計者として抜擢され、素晴らしい建物を作り上げる。
しかしエリックが王妃に気に入られた事に嫉妬した王は、
「宮殿の秘密を守るため」という理由でエリックを捕らえ、彼を処刑しようとした。
エリックの哀れな境遇に同情した衛兵隊長は、エリックと共に祖国を逃げ出し、
やがてエリックが極秘にオペラ座の設計を依頼された事をきっかけに、
オペラ座の地下に広がる巨大な湖へと住みつくようになったのだ。
そこで彼は設計者である自分しか知らない秘密の通路を駆使して暗躍し、
かつてオペラ座で怪人に才能を見出され、恐らくは怪人に恋をしているマダム・ジリー、
親友である衛兵隊長の協力のもと、思いのまま音楽と芸術に囲まれる日々を過ごしていた。
――クリスティーヌへと恋をするまでは。
900 :オペラ座の怪人2012/08/07(火) 13:00:31ID:mTeSKH7H
やがてオペラ座で開かれた仮面舞踏会で、ラウルはクリスティーヌに指輪を渡す。
しかしついに仮面をつけた怪人が衆人環視の中、堂々とその姿を現した。
彼の要求はただひとつ、自身の作り上げた最高傑作の戯曲を上演すること。
タイトルは「ドン・ファンの勝利」。無論、ヒロインはクリスティーヌ!
そしてとうとう支配人達は怪人の要求を受け入れ、怪人は上機嫌で姿を消した。
しかし支配人、ラウルは別に怪人に屈したわけではなかった。
怪人はきっと現れるに違いないから、罠にかけて捕らえようという計画なのだ。
ラウル達は密かに警察を劇場周囲に配置して、「ドンファンの勝利」の初演日を迎えた。

「ドン・ファンの勝利」は従者といれかわり、顔を隠して恋人に愛を囁く男の物語なのだが、
クリスティーヌは、衣装で顔を隠した主役男優の様子が、何処かおかしい事に気づく。
しかし他の誰も何も気づかないまま、舞台は滞り無く進行していき、
やがてドン・ファンがクリスティーヌへ、心からの愛を告白するシーンに差し掛かる。
意を決したクリスティーヌが衣装をはぎ取ると、なんとそこにいたのは怪人!
彼は本来の主演男優を殺し、密かに入れ替わってクリスティーヌと共に舞台に立ったのだ。
醜い素顔を観客の前で暴かれ、クリスティーヌの裏切りに一瞬呆然とする怪人だが、
彼はクリスティーヌを拉致すると、追手を振り切り、オペラ座の地下奥深くへと消えて行く。
901 :オペラ座の怪人2012/08/07(火) 13:01:16ID:mTeSKH7H

怪人を捕らえんとする群衆が次々にオペラ座の地下へと乗り込んでいく中、

エリックの事を思い、彼を止めて欲しいと考える衛兵隊長とマダム・ジリーは、

ラウルにオペラ座の秘密の通路を教え、彼を怪人の館まで導いていく。

そこでは今まさに、怪人がクリスティーヌと結婚式をあげようとしていた。

慌てて踏み込んだラウルだったが、怪人の罠にかかりロープで首を吊られてしまう。

「私の愛を受け入れてラウルを助けるか、拒絶してラウルの死を見るのか、どちらかを選べ!」

怪人が既に心までも狂ってしまっている事に気づいたクリスティーヌは、

ラウルを心から愛しているからこそ、怪人に対してキスをする。

そしてそれによって怪人もまた、自分がどれだけ醜い怪物に成り果てたのか理解した。

絶望しながら、ラウルとクリスティーヌを解放する怪人。

そんな彼に、クリスティーヌは「あなたが孤独でない証に」と、ラウルから貰った指輪を渡す。

ほどなくして群衆が怪人の館へとたどり着くが、そこに怪人の姿はなく、

ただ仮面だけが残されていたという。

 

その後、怪人がどうなったのかは定かではない。

近年オペラ座が改装工事をした際、地下から怪人の骨が見つかったという者もいるが、

先ごろ老ラウル子爵が亡妻の墓を訪れたところ、そこに指輪が供えられていたそうだ……。

 

という感じ。

うろ覚えなのとミュージカルとか映画も混ざってるからちょっとアレだけど。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2012年08月08日 12:48