せなはや!

注:1560年の時瀬名は18歳だけど気にしない。
注:歴史考察も気にしない。


「早川はどこだ!! 出て来い!!」
雪が降る時期、とある城の中で、ウサギのぬいぐるみを抱いた少女が声を荒げていた。
理由はこれだ。
「あの三角化粧! よくも私の狸のぬいぐるみと一緒に寝てくれたわね!」
狸はうさぎの次に、彼女のお気に入りだ。
そんなぬいぐるみと夜を明かされたら、なんか取られた気がして嫌だ。
松平元康、…後の徳川家康の妻となっていても、瀬名はまだ初潮も来てない(と思われる)幼い娘だ。
そして彼女が怒り来るっている対象の「早川」…早川殿もまた、初潮付近の娘である。

しかしこの二人仲が悪い。
早川殿の夫が瀬名の父親に切腹を命じたのもその要因だが、戦国の世においてそれは詮無き事だと、瀬名本人も幼いながら理解している。
しかし瀬名はそれを除いても、早川殿が気に入らないのだ。
早川殿も瀬名の事は好きではないが、自分は彼女より少し年上だから、感情には表さないように頑張っている。
それは「気が強い女」同士、同属嫌悪に似たような感情なのだが。もしくは同じスペックか。

「くぉうらあ早川ぁ!!」
「きゃっ! …な、何よ瀬名、大声を出してはしたない」
しかし仲が悪いくせに、お互いの部屋は知っていたりするし、ノックもせずに部屋に入る。
「貴方私のタエヒーメをよくも!」
「タエヒーメ? …あ、ああこの狸の人形ね。というか何よその名前。」
奇妙な名前の狸は、早川殿がしっかりと抱いている。
どうやら早川殿側も、狸のぬいぐるみがお気に入りらしい。
「べ、別にいいじゃない、そのウサギのイーセヒメも、元は私のだし。」
「そ…そうだけど、違うの! 狸もウサギも私のがいいの!」
「我侭ねー、そんなんだと嫌われちゃうよ? 」
「う…うるさーい!とにかく返しなさいよ!」
口論では年の差か、早川殿の方が上だ。
もっとも彼女も山津波の計を使うとき「ごろごろごろ~♪」なんて言っちゃうから、その差は余り無いように見えるが。
だが、言葉に詰まった子供が次にやる事を、早川殿は予測が付かなかった。

瀬名は自分の小さな体で、早川殿に飛び掛る。
早川殿はそのまま、瀬名に押し倒される形となった。
「…あ!」
そして瀬名は、彼女が自分より年上の女だと言うことに気付く。

胸が、柔らかかったのだ。
続けて自分の胸に手を押し当てると、和服の上なのにぺたぺた音がなる気がした。
そして怒りのボルテージは上がる。
「このおっぱいお化け!!」
早川殿は突如押し倒され、そしてそんな言葉を言われて、最早何がなんだかわからなかった。
というか瀬名の言葉自体要点滅茶苦茶で思考が追いついていなかった。
処理が追いつかずフリーズする早川殿、そんな彼女を…瀬名はなんと、脱がしたのだ。
中から出てきたのは、膨らみかけのおっぱい。
まだ小さいが明らかに山になっている。直虎のが富士山だとしたら彼女のは葛城山だろうか? ちなみに自分は関東平野。
「……む~!偉そうに、こんなの…吸ってやる!!」
「え!? あ、 ちょっ……はうぅん!!」
瀬名は言葉通り、早川殿のおっぱいを吸う。 彼女に取っておっぱいは吸うものなのだ。
だが、吸われた方はそんな事なれてはいない。少女らしからぬ、色っぽい声を上げてしまう。
…その声が、瀬名の何かに触れたらしい。 彼女は先ほどまでの怒りはどこにやら、いたずらっぽい笑みを浮かべ始める。
「……変な声が出た! もっと吸おう!」
「な…いや、そん…あん!」
赤ん坊が母親の母乳を吸うように、少女が少女の乳首を吸う。
無論ミルクなんか出る筈もない。だが、代わりに面白い声が出る。
瀬名はそれだけで満足だった。 彼女はただ、日が暮れるまでおっぱいを吸い続ける。
その行為は…しかし何故か早川殿にとって、そう悪い気はしなかった。
変な声が出るのに、心地よかったのだ……。




瀬名と早川殿。
二人はとても仲が悪い。
今日も今日とて、お互い嫌いなおかずを押し付けている。
「あーんしなさい! 私の大豆を食べるのよ!」
「そっちこそあーんしなさいよ! 餅を食べなさい!! 熱いからふーふーもしなさいよ!」
だが、そんな二人の行動は、何故か「カップル」のようにしか見えない。


二人はとても仲が悪い。
しかし、二人が一緒に入る時間は、途轍もなく、長かった。

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最終更新:2010年12月23日 13:47
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