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「とぼけた現実も原色で塗り替えてしまえ」(2011/11/25 (金) 03:29:48) の最新版変更点
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**とぼけた現実も原色で塗り替えてしまえ ◆hqLsjDR84w
◇ ◇ ◇
御神苗優の首輪をしばらく眺めてからリュックサックに収納し、紅麗は阿紫花のほうを向く。
怪訝な表情を浮かべた阿紫花ではなく、グリモルディに付属している球体を指でさす。
「魔道具は、貴様のような一介の極道が所持していいものではない。渡せ」
言い終えるよりも前に、紅麗の右腕が炎を纏う。
先ほどのジャバウォックとの戦闘を思い返し、阿紫花は息を呑む。
トリックは分からないが、紅麗は激しい炎を放出することができる。
阿紫花とて殺し屋としてそれなりに修羅場は潜ってきているが、あくまで人間同士の騒動しか知らない。
人形破壊者(しろがね)と自動人形(オートマータ)の戦争に巻き込まれかけたものの、本格的に戦場に飛び込む前にこのプログラムに呼び出されているのだ。
裏の世界などほとんど知らない、ただの人形遣いにすぎない。
そんな自分が、紅麗に敵うはずがない。
実際、支給された魔道具『形傀儡』は阿紫花にとって必要がないものなのだ。
原理は分からないが、形傀儡は糸を使わずに意思で人形を動かすことができる。
もしも糸が切れてしまったときのためにグリモルディに付けておいたが、懸糸傀儡の糸は丈夫で滅多に切れてしまうことはない。
ならば紅麗に従って素直に渡したほうが得なのではないか。わざわざ逆らって、無駄に命を散らしてしまうこともない。
そう考えて、形傀儡を外そうとし――阿紫花は静止する。
「は、下らねえ」
自分らしくないことをしようとしているな、と。
やけに冷えていく頭で、阿紫花は思った。
危なくなったら逃げると鳴海には言ったはずなのに、まるで逆のことをやろうとしている自分に気付いたのだ。
「すいやせんね、仮面の兄さん」
ロングコートのポケットから取り出したタバコを加えて、ジッポライターで火を点ける。
二つの肺をニコチンで満たしながら、阿紫花は薄ら笑いを浮かべた。
「そんな態度で、欲しけりゃくれてやるとはいきませんぜ。
惚れた女ならともかく、偉そうなガキにプレゼントなんかやる義理なんざねえ」
白い煙を吐き出して、阿紫花はまだ点火したばかりのタバコを踏み潰す。
その足でグリモルディに乗り、両手を掲げてグリモルディの糸を張らせる。
「悪いが、そんなに欲しいんならやり合って奪い取ってくだせえ」
「愚かだな」
切り捨てるような短い言葉とともに、紅麗が炎を飛ばす。
阿紫花がグリモルディの腕に受けさせているうちに、紅麗はいなくなっていた。
しまったと阿紫花が思った瞬間に、前方から冷たい声。
「終いだ」
グリモルディから球体をもぎ取った紅麗が、炎を手元に収束させている。
目当ての形傀儡を手に入れても、見逃す気はないらしい。
自分から仕掛けたのだから当然かと、阿紫花は口角を吊り上げた。
紅麗はチェックメイトをかけたと思っているだろうが、阿紫花の思考はまだ落ち着いている。
「取られてから言うのもなんですけどね。正直、それいらねえんですよ」
阿紫花が腕ごと動かして糸を引く。
形傀儡によって懸糸傀儡を操っていたと思っているらしく、その動作を見ても紅麗は微動だにしない。
しかし歯車が回る音を捉えたのか首を上げ、グリモルディが首を小刻みに動いていることに気付く。
グリモルディの頭部には、斧が二つ装着されている。
首の速度が上がれば斧もまた回転し、紅麗を切り裂くだろう。
阿紫花へと放つつもりであった炎を使い、紅麗はグリモルディの頭部を吹き飛ばす。
「いまだッ!!」
伸ばし切った腕を戻して、阿紫花は指を小刻みに動かす。
キャタピラが回転を始め、紅麗へと突っ込んでいく。
斧に意識を向けていた反応しきれず、なすすべもなく轢かれてしまう。
――――紅麗に触れた途端、グリモルディが動かなくなった。
グリモルディに乗ったまま阿紫花はひたすらに糸を動かすが、反応はない。
視線を前方に向けると、紅麗の身体から生える炎の腕がグリモルディを受け止めていた。
その腕の主は少しずつ姿を現し、最終的に天使のような全体を見せる。
ジャバウォックの腕を斬り落とした、紅という炎だ。
紅が頭のないグリモルディを抱き締めると、残った部位もすべてが炎上する。
炎のなかから飛び出した阿紫花は、紅麗に足を払われてしまう。
「形傀儡を必要としないのなら、なぜすぐに手放さなかった。隙を突けば勝てるとでも思ったか」
うつ伏せの状態で阿紫花の腕を背後に回して固定し、紅麗は尋ねる。
自嘲気味に笑ってから、阿紫花は口を開く。
「…………気に入らなかったかったんでね」
「なに?」
「いくら強えとはいえガキにあんな口利かれて素直にくれてやりそうになったテメェが、気に入らなくなりやしてね。
ガキに媚び売って生き延びても、待っているのは持て余した退屈な人生だってのに、なにやってんだか、って。そう思ったときには、もう仕掛けてやしたよ」
阿紫花を抑えつける力を僅かに緩めながら、紅麗はさらに問いかける。
「貴様、名はなんと言う」
「阿紫花ってんで。それがどうかしましたかい」
拘束を解いて、紅麗は立ち上がる。
続いて起き上がった阿紫花の前で、紅麗は仮面を外す。
左顔面に痛々しい火傷の痕があるが、素顔は意外なほど整っていた。
「お前は愉快なヤツだな、阿紫花。私の名は紅麗」
「……だからどうしたってんです。
こっから第二ラウンド、って話ですかい。あたしゃ人形なきゃ戦えませんぜ」
命(タマ)殺(と)るってんなら勝手にしてくれと続けて、阿紫花は再びタバコを吸い出す。
その態度に、紅麗は僅かに口元を緩めた。
そして真剣な眼差しとなって、ゆっくりと切り出す。
「私と来れば退屈はしないぞ」
切り札の一つである紅を使わせるほどの力を持ち、相手を殺害することに躊躇がない。
キース・ブラックのプログラムを破壊する上で、求めていた戦力として阿紫花は申し分ない。
魔道具を使わずに紅麗の知らぬ技術で戦うというのも、興味深かった。
「…………で」
阿紫花はタバコを咥えたまま、右手の親指と人差し指で円を作って引っくり返す。
言わんとすることを理解して、紅麗はくくっと笑った。
「お代はいかほどいただけるんで?」
◇ ◇ ◇
「しっかし、あの坊やがねえ」
全焼してしまったグリモルディは使い物にならなかったので、阿紫花は紅麗に支給されていた『キャプテン・ネモ』という懸糸傀儡を受け取った。
妙に糸が軽いのに慣れるまで時間がかかりそうだったが、操るのには問題ない。
気になるのは、説明書に『才賀勝のマリオネット』と書かれていたことだ。
阿紫花が知る才賀勝はただの小学生のはずだが、これは同姓同名なのだろうか。
「いやぁ、でもあの坊やならいまごろ少しは使えるようになっててもおかしくねえか」
キャプテン・ネモをトランクに戻してから蔵王に収納し、阿紫花はコートのポケットに突っ込む。
ちなみにこの蔵王は、グリモルディが入っていたものである。
もともとキャプテン・ネモが入っていたほうは、紅麗が別の物を収納している。
ジャバウォックの爪である。
あれほどの再生能力を持つジャバウォックが治癒できないのだから、何かしらの能力を秘めていると考えたのだ。
斬り落とされた衝撃でほとんど砕けてしまっていたが、紅が使ったものも含めて三本だけ無傷で残っていた。
「この剣も私には必要ない。使うか」
優のリュックサックから必要な物を移動させた紅麗が、ヒヒイロカネ製の剣を手に乗せている。
懸糸傀儡もあるが念のためにと、阿紫花は受け取った。
人形繰りの邪魔になるので、よっぽどのことがない限りは蔵王に入れっぱなしにするつもりだが。
「では行くぞ」
「あれ、そっちに行くんですかい?」
紅麗が進んでいるのは東。
加藤鳴海に向かわせた住宅街は北である。
「あの傷ではそう早くは起きないだろう。先に殺し合いの会場の端がどうなっているのかを確認しに向かう」
「あ、なるほど。そりゃごもっとも」
歩みを止めずに応えた紅麗を追いながら、阿紫花は胸中で思う。
(あたしも人のこと言えやせんが、この人リュックサック似合わねえなぁ)
【F-5 海岸/一日目 黎明】
【阿紫花英良】
[時間軸]:20巻第33幕『合流』にて真夜中のサーカス突入直後。
[状態]:疲労中
[装備]:形傀儡@烈火の炎、キャプテン・ネモ@からくりサーカス、ヒヒイロカネ製の剣@スプリガン
[道具]:基本支給品一式、支給品0~1(確認済み)
[基本方針]:とりあえず紅麗についていく。
【紅麗】
[時間軸]:22巻210話『地下世界の消滅』以降、SODOMに突入するより前。
[状態]:脇腹に傷(処置済み)、疲労中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式+水と食料一人分、支給品0~2(確認済み)、首輪(優)、優のメモ付き名簿、ジャバウォックの爪×3@ARMS
[基本方針]:プログラムを破壊し、早急に帰還する。そのために役立つ人物や情報を手にしたい。まず東へ向かい、エリアの端を確認。
【支給品紹介】
【形傀儡@烈火の炎】
阿紫花英良に支給された。
森川願子の持つ魔道具。
人形に付属させることで思うままに操ることができる。
【キャプテン・ネモ@からくりサーカス】
紅麗に支給された。
フェイスレスが作り、才賀勝が使っている懸糸傀儡。
海賊服を着た骸骨のような姿をしている。
両手の剣や背中に収納された刃で戦う。
水上や水中で動かすことも可能。
【備考】
※F-5海岸に、御神苗優のリュックサック(水、食料、名簿、ランダム支給品以外)、グリモルディの残骸、フェイファーツェリザカ(0/5)が放置されています。
*投下順で読む
前へ:[[人間]] [[戻る>第一放送までの本編SS(投下順)]] 次へ:[[虹]]
*時系列順で読む
前へ:[[人間]] [[戻る>第一放送までの本編SS(時系列順)]] 次へ:[[虹]]
*キャラを追って読む
|026:[[人間]]|阿紫花英良||
|~|紅麗||
#right(){&link_up(▲)}
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◇ ◇ ◇
御神苗優の首輪をしばらく眺めてからリュックサックに収納し、紅麗は阿紫花のほうを向く。
怪訝な表情を浮かべた阿紫花ではなく、グリモルディに付属している球体を指でさす。
「魔道具は、貴様のような一介の極道が所持していいものではない。渡せ」
言い終えるよりも前に、紅麗の右腕が炎を纏う。
先ほどのジャバウォックとの戦闘を思い返し、阿紫花は息を呑む。
トリックは分からないが、紅麗は激しい炎を放出することができる。
阿紫花とて殺し屋としてそれなりに修羅場は潜ってきているが、あくまで人間同士の騒動しか知らない。
人形破壊者(しろがね)と自動人形(オートマータ)の戦争に巻き込まれかけたものの、本格的に戦場に飛び込む前にこのプログラムに呼び出されているのだ。
裏の世界などほとんど知らない、ただの人形遣いにすぎない。
そんな自分が、紅麗に敵うはずがない。
実際、支給された魔道具『形傀儡』は阿紫花にとって必要がないものなのだ。
原理は分からないが、形傀儡は糸を使わずに意思で人形を動かすことができる。
もしも糸が切れてしまったときのためにグリモルディに付けておいたが、懸糸傀儡の糸は丈夫で滅多に切れてしまうことはない。
ならば紅麗に従って素直に渡したほうが得なのではないか。わざわざ逆らって、無駄に命を散らしてしまうこともない。
そう考えて、形傀儡を外そうとし――阿紫花は静止する。
「は、下らねえ」
自分らしくないことをしようとしているな、と。
やけに冷えていく頭で、阿紫花は思った。
危なくなったら逃げると鳴海には言ったはずなのに、まるで逆のことをやろうとしている自分に気付いたのだ。
「すいやせんね、仮面の兄さん」
ロングコートのポケットから取り出したタバコを加えて、ジッポライターで火を点ける。
二つの肺をニコチンで満たしながら、阿紫花は薄ら笑いを浮かべた。
「そんな態度で、欲しけりゃくれてやるとはいきませんぜ。
惚れた女ならともかく、偉そうなガキにプレゼントなんかやる義理なんざねえ」
白い煙を吐き出して、阿紫花はまだ点火したばかりのタバコを踏み潰す。
その足でグリモルディに乗り、両手を掲げてグリモルディの糸を張らせる。
「悪いが、そんなに欲しいんならやり合って奪い取ってくだせえ」
「愚かだな」
切り捨てるような短い言葉とともに、紅麗が炎を飛ばす。
阿紫花がグリモルディの腕に受けさせているうちに、紅麗はいなくなっていた。
しまったと阿紫花が思った瞬間に、前方から冷たい声。
「終いだ」
グリモルディから球体をもぎ取った紅麗が、炎を手元に収束させている。
目当ての形傀儡を手に入れても、見逃す気はないらしい。
自分から仕掛けたのだから当然かと、阿紫花は口角を吊り上げた。
紅麗はチェックメイトをかけたと思っているだろうが、阿紫花の思考はまだ落ち着いている。
「取られてから言うのもなんですけどね。正直、それいらねえんですよ」
阿紫花が腕ごと動かして糸を引く。
形傀儡によって懸糸傀儡を操っていたと思っているらしく、その動作を見ても紅麗は微動だにしない。
しかし歯車が回る音を捉えたのか首を上げ、グリモルディが首を小刻みに動いていることに気付く。
グリモルディの頭部には、斧が二つ装着されている。
首の速度が上がれば斧もまた回転し、紅麗を切り裂くだろう。
阿紫花へと放つつもりであった炎を使い、紅麗はグリモルディの頭部を吹き飛ばす。
「いまだッ!!」
伸ばし切った腕を戻して、阿紫花は指を小刻みに動かす。
キャタピラが回転を始め、紅麗へと突っ込んでいく。
斧に意識を向けていた反応しきれず、なすすべもなく轢かれてしまう。
――――紅麗に触れた途端、グリモルディが動かなくなった。
グリモルディに乗ったまま阿紫花はひたすらに糸を動かすが、反応はない。
視線を前方に向けると、紅麗の身体から生える炎の腕がグリモルディを受け止めていた。
その腕の主は少しずつ姿を現し、最終的に天使のような全体を見せる。
ジャバウォックの腕を斬り落とした、紅という炎だ。
紅が頭のないグリモルディを抱き締めると、残った部位もすべてが炎上する。
炎のなかから飛び出した阿紫花は、紅麗に足を払われてしまう。
「形傀儡を必要としないのなら、なぜすぐに手放さなかった。隙を突けば勝てるとでも思ったか」
うつ伏せの状態で阿紫花の腕を背後に回して固定し、紅麗は尋ねる。
自嘲気味に笑ってから、阿紫花は口を開く。
「…………気に入らなかったかったんでね」
「なに?」
「いくら強えとはいえガキにあんな口利かれて素直にくれてやりそうになったテメェが、気に入らなくなりやしてね。
ガキに媚び売って生き延びても、待っているのは持て余した退屈な人生だってのに、なにやってんだか、って。そう思ったときには、もう仕掛けてやしたよ」
阿紫花を抑えつける力を僅かに緩めながら、紅麗はさらに問いかける。
「貴様、名はなんと言う」
「阿紫花ってんで。それがどうかしましたかい」
拘束を解いて、紅麗は立ち上がる。
続いて起き上がった阿紫花の前で、紅麗は仮面を外す。
左顔面に痛々しい火傷の痕があるが、素顔は意外なほど整っていた。
「お前は愉快なヤツだな、阿紫花。私の名は紅麗」
「……だからどうしたってんです。
こっから第二ラウンド、って話ですかい。あたしゃ人形なきゃ戦えませんぜ」
命(タマ)殺(と)るってんなら勝手にしてくれと続けて、阿紫花は再びタバコを吸い出す。
その態度に、紅麗は僅かに口元を緩めた。
そして真剣な眼差しとなって、ゆっくりと切り出す。
「私と来れば退屈はしないぞ」
切り札の一つである紅を使わせるほどの力を持ち、相手を殺害することに躊躇がない。
キース・ブラックのプログラムを破壊する上で、求めていた戦力として阿紫花は申し分ない。
魔道具を使わずに紅麗の知らぬ技術で戦うというのも、興味深かった。
「…………で」
阿紫花はタバコを咥えたまま、右手の親指と人差し指で円を作って引っくり返す。
言わんとすることを理解して、紅麗はくくっと笑った。
「お代はいかほどいただけるんで?」
◇ ◇ ◇
「しっかし、あの坊やがねえ」
全焼してしまったグリモルディは使い物にならなかったので、阿紫花は紅麗に支給されていた『キャプテン・ネモ』という懸糸傀儡を受け取った。
妙に糸が軽いのに慣れるまで時間がかかりそうだったが、操るのには問題ない。
気になるのは、説明書に『才賀勝のマリオネット』と書かれていたことだ。
阿紫花が知る才賀勝はただの小学生のはずだが、これは同姓同名なのだろうか。
「いやぁ、でもあの坊やならいまごろ少しは使えるようになっててもおかしくねえか」
キャプテン・ネモをトランクに戻してから蔵王に収納し、阿紫花はコートのポケットに突っ込む。
ちなみにこの蔵王は、グリモルディが入っていたものである。
もともとキャプテン・ネモが入っていたほうは、紅麗が別の物を収納している。
ジャバウォックの爪である。
あれほどの再生能力を持つジャバウォックが治癒できないのだから、何かしらの能力を秘めていると考えたのだ。
斬り落とされた衝撃でほとんど砕けてしまっていたが、紅が使ったものも含めて三本だけ無傷で残っていた。
「この剣も私には必要ない。使うか」
優のリュックサックから必要な物を移動させた紅麗が、ヒヒイロカネ製の剣を手に乗せている。
懸糸傀儡もあるが念のためにと、阿紫花は受け取った。
人形繰りの邪魔になるので、よっぽどのことがない限りは蔵王に入れっぱなしにするつもりだが。
「では行くぞ」
「あれ、そっちに行くんですかい?」
紅麗が進んでいるのは東。
加藤鳴海に向かわせた住宅街は北である。
「あの傷ではそう早くは起きないだろう。先に殺し合いの会場の端がどうなっているのかを確認しに向かう」
「あ、なるほど。そりゃごもっとも」
歩みを止めずに応えた紅麗を追いながら、阿紫花は胸中で思う。
(あたしも人のこと言えやせんが、この人リュックサック似合わねえなぁ)
【F-5 海岸/一日目 黎明】
【阿紫花英良】
[時間軸]:20巻第33幕『合流』にて真夜中のサーカス突入直後。
[状態]:疲労中
[装備]:形傀儡@烈火の炎、キャプテン・ネモ@からくりサーカス、ヒヒイロカネ製の剣@スプリガン
[道具]:基本支給品一式、支給品0~1(確認済み)
[基本方針]:とりあえず紅麗についていく。
【紅麗】
[時間軸]:22巻210話『地下世界の消滅』以降、SODOMに突入するより前。
[状態]:脇腹に傷(処置済み)、疲労中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式+水と食料一人分、支給品0~2(確認済み)、首輪(優)、優のメモ付き名簿、ジャバウォックの爪×3@ARMS
[基本方針]:プログラムを破壊し、早急に帰還する。そのために役立つ人物や情報を手にしたい。まず東へ向かい、エリアの端を確認。
【支給品紹介】
【形傀儡@烈火の炎】
阿紫花英良に支給された。
森川願子の持つ魔道具。
人形に付属させることで思うままに操ることができる。
【キャプテン・ネモ@からくりサーカス】
紅麗に支給された。
フェイスレスが作り、才賀勝が使っている懸糸傀儡。
海賊服を着た骸骨のような姿をしている。
両手の剣や背中に収納された刃で戦う。
水上や水中で動かすことも可能。
【備考】
※F-5海岸に、御神苗優のリュックサック(水、食料、名簿、ランダム支給品以外)、グリモルディの残骸、フェイファーツェリザカ(0/5)が放置されています。
*投下順で読む
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