炭素循環農法


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注意:このページの内容は、2006年4月18日時点の情報に基づいて記載しています。現時点ではリンク切れ、リンク先の内容の更新等が発生している場合があります。随時確認のうえ更新しますので、ご了承願います。

炭素循環農法

炭素循環農法とは、何ですか?

私は「炭素循環農法」という言葉は、たまたま「農法」をキーワードにしてググっていて見つけたのですが、「現代農業」という雑誌の2004年10月号に、「炭素循環農法の実際」という記事が掲載されていたようです。
この現代農業、私の実家でも昔購読していたことがあるのですが、いろいろな民間農法を体験談つきで紹介しており、農業技術に関しては常に先駆的?(笑)な情報発信を行っています。
(木酢液やEMが普及したのも、現代農業で繰り返し取りあげられたのが一助となっていると思われます。)
「炭素循環農法」の提唱者と思われる方のページ(管理者:Sr.アヒル殺し & Sr.百姓モドキ)を見ると、
地域・規模・技術力・経済力を問わない。省資源・省エネ・環境保全。無施肥・無防除による持続可能な有機・自然農法。
と定義されています。
これだけをみると、良くある「無施肥・無農薬」の自然農法の類かと思うのですが、炭素循環農法(概要)のページによれば、下記のとおり「自然農法」として一般に普及しているものとは一線を画した姿勢のようです。
「自然農法」は故岡田茂吉氏が説きました。また高炭素資材の利点を応用したのは「躍進微生物農法」の創始者、故島本覚也氏です。両氏の功績と先進性に敬意を表し、ここに明記しておきます。
しかし、理論的な解明が十分とは言えず、精神論に片寄りがちで難解であったり、施肥農法の枷から逃れられず、矛盾や無駄がみられます。
炭素循環農法は、これらと関係なく一百姓の実践の中から得られた農法です。しかし、単に経験だけに頼らない、理論に裏打ちされた一連の技術体系です。
また、
書籍やインターネットを幾ら調べてみても、こゝに書かれている基本的原理は見つかりません。見つからないからこそ、このホームページを立ち上げたのですから。詳細な仕組みは直接、作物や虫に教わっています。既存の知識は説明のためです。
ともありますので、氏まったくのオリジナルな理論だそうです。

検証1:サラダ農法 - 無肥料(堆肥やボカシも使わない)。

以降の引用は、「地球を壊さない有機自然農法の基本」のページからのものです。
生の有機物の投入により微生物を生かし、土を活かすサラダ農法が第一の基本です。
炭素固定のための雑草や緑肥作物を鋤き込みますが、これは微生物の餌であり肥料ではありません。作物の必要とする養分は手付かずの自然と同じように微生物に一切を任せ、たとえ堆肥やボカシでも作物の肥料になるものは一切与えません。与えてはいけません。
自然を見れば分かるように、微生物に餌を十分与え条件が整えば作物の必要とする養分を賄えるようにできています。
と紹介されています。つまりは、化学肥料のみならず、堆肥も投入しないで、緑肥や雑草を生で鋤き込んで、そこに栽培するというのが基本のようです。
氏の言う「手付かずの自然」がどういった環境のことを指しているのかはわかりませんが、植物と微生物のみが生存している環境って、非常に不自然じゃないかというツッコミはありでしょうか?
まあ、そうでなくても農作物の生産の場合、少なくとも食用にする部分は圃場外に持ち出しているので、その分を補給しない限り、収支は均衡しないんじゃないかというのが、正直な感想です。
また、
生や未熟堆肥を使うと病虫害が発生しやすいと言われていますが、それは有用微生物(全て有用で無用なものなどない)が充分働ける環境が整っていない土壌にいきなり過負荷な仕事を課すからです。分解し切れず消化不良を起こし腐敗する結果起きる現象です。環境さえ整えば生の方が遥かに効率的(無駄ゼロ)で問題も起きません。
とありますが、未熟有機物による害は「大量投入」により、一気に分解が進んで、作物にとっての有害ガスが発生したり、窒素飢餓をおこすことが主であり、消化不良で腐敗が起こるわけではないと思うのですが。
(人間の体の仕組みと誤解してはいないでしょうか?)

検証2:自然流農法 - 連作をする。

無施肥で同じ土地に同じ作物を作り続け、しかもその作物から何代も種子を繰り返し採取し続けます(F1種は要再選抜。不可の場合もある)。
この無施肥に対する順化操作を行うと最初のうちは弱かった作物も次第に病虫害を受けなくなります。連作すると作物が土に適応し、本来の力を取り戻すと同時に、土を自分に合うように作り変え健康に育つようになるからです。
これは土(土壌微生物・細菌叢)も作物に対し順化するということです。
パテントで保護されていて自家採取してはいけない種類の作物では、当然無理ということですね。
という蛇足のツッコミはさておき、
施肥栽培では殆ど見られない現象ですが無施肥の場合、一度も作物を育てたことのない土では、養分があっても最初は殆ど育たない作物があります。作物の種類により、土壌微生物との共生度・相互依存度に強弱があるためと思われます。
無施肥で育たない作物があるとして、その理由が上記に言うようなものなのか、それとも本当に養分がなかったのかは、検証しようがないのでは?
また、本文中で「イネが連作に強いというのはウソ」と言い、その理由として、
他の作物に比べ施肥に対する依存度は低く窒素吸収量の半分は地力窒素(微生物が供給源)です。
これが辛うじて連作を可能にしていますが、今以上に施肥量を増やせば、連作障害(倒伏、病虫害、不味い)を起こします。
と述べられています。
まず、「倒伏・病害虫・不味い」は多肥による弊害ではありますが、連作障害ではありません。
連作障害と呼ばれる現象の最たる原因は、土壌に棲み、作物に悪影響を及ぼす病害虫(=土壌病害虫)の増加によるものがほとんどです。
稲はもともと連作に弱いのは確かですが、それでも連作できるのは、稲は水田という「嫌気状態」の土壌でも生育できる一方で、稲の土壌病害虫が嫌気状態で生育できないからです。(畑で稲を栽培すると、連作にはすこぶる弱いです)
もちろん、何十年と同じ作物を連作して、成果を挙げている方が数多くいらっしゃるのは事実ですし、土壌病害虫を含めた環境とうまくつき
あってきたのであろうことは、想像に難くありません。
このケースにおいても、土壌中の微生物相における土壌病害虫が、作物の生育に害を及ぼさないレベルに収まっていれば、結果問題はないのでしょう。(氏言うところの「順化」によるものかどうかはわかりませんが)

検証3:手抜き農法 - 手間をかけない。経費をかけない。特殊なものは使わない。

人が土壌環境を整えることができるという思い上がりが、そもそもの間違いの元なのです。(中略)。但し微生物は無報酬では働きません。
そこで、生の有機物を入れます。現行有機農法で大きな問題となる堆肥やボカシを作る手間が大幅に省け、しかも少量の有機物資材で足ります。
とはあるのですが、
ジャガイモの例ですと、緑肥と、10a当たり僅か30kgの米糠(微生物の餌)で十分です。あとは極少量の活性化し増量した微生物群と糖蜜(微生物の弁当)、土地により少量の貝殻粉末等を必要に応じて使います。
と述べられている中の、「極少量の活性化し増量した微生物群」とは何を指しているのか、激しく謎です。これって「特殊な資材」じゃないんでしょうか?(最も、氏いわく「これらの資材は土ができれば必要ない」とのことですが)
ちなみに、EM農法研究室でも述べたのですが、極少量の微生物(それが何であれ)を土に投入したとして、その微生物が何らかの効果を及ぼすという可能性は低いと考えられています。
なお、上記の検証1でも触れましたが、生の有機物の投入は問題を引き起こすことがあります。
ただし、この事例における投入量はそう多くはないと思うので、生の有機物であるがゆえの弊害は小さいと思います。

検証4:因果農法 - 勿論、化学肥料、農薬など論外です。

農薬使用は化学肥料や堆肥多用の結果に過ぎません。本来必要のないものです。
(中略)健康とは病気ではないということではなく、病害虫を一切受け付けない状態を健康と呼ぶのです。ですから予防をしなければならない状態では真に健康とはいえません。
化学肥料や農薬を多用した結果、生育が軟弱となり、病害虫の被害を受けやすくなるということは、これまでの歴史においてある意味真実です。
ただし、地域や年によって気象その他の条件は大きく変わるので、たとえある時期までは健全に育っていても、病害虫が多発する条件にあっては、被害を完全に防止することは非常に難しいと思います。(完全隔離され、気象条件をコントロールできる環境にあれば話は別ですが)
そういう意味で、「病害虫を一切受け付けない状態を健康と呼ぶ」というのは、幸運にも病害虫の被害を受けなければ、結果健康だったと言えるかもしれませんが、毎年コンスタントに成果を挙げられるだろうか、という疑問があります。

検証5:活生農法 - 共生(僕らはみーんな生きている♪♪♪)。

木酢液、木炭、海草エキス、魚の発酵液、貝化石、岩石(ミネラル液)等も微生物に必要な微量要素を含んでいて、土壌中の微生物を爆発的に増やし活性化します。
木酢液や木炭は、土壌中の水溶性ミネラルや微量養分を木が長年かけ吸収蓄積した、エキスと結晶です。また海草エキス、魚の発酵液等は陸のミネラルが溶け込んだ海水を、魚や海草が濃縮したもののエキスです。そしてミネラルそのものの貝化石や岩石というわけです。
「木酢液=水溶性ミネラルや微量養分のエキス」という解釈は始めて聞きましたが、木酢液の主要成分は酢酸、アルコール類、フェノール類であり、ミネラルの含量を示した情報がないので、果たして微生物の生育に影響があるのかどうかわかりません。
それ以前に、酢酸の殺菌作用を期待して使用されている(効能を謳って販売すれば農薬取締法違反ですが)木酢液が、微生物を爆発的に増やすというのは、大いに矛盾するような気がするのですが。
「海草エキス」や「魚の発酵液」については、原料も精製方法も成分も示されていないので、どういうものかわかりませんからコメントいたしません。

まとめ

氏は主張のまとめとして、下記のとおり述べています。
自然の模倣が自然農法ではありません。また、有機物資材を使うから有機農法なのではありません。肝心な養分循環を自然(主に微生物)に任せ、自然の生物生存の原理による、有機的な繋がりの中で共に生きるための農法だから有機・自然農法なのです。進化の頂点に立つヒトは一番身近なもの(人も微生物の塊)である微生物を生かすことによって、他の全ての生物を生かし、活かすことができます。他を生かすことにより初めて人は生きられるのです。
最初の2文は確かにそのとおりとは思います。しかし、この主張中「肝心な養分循環を自然に任せ=外から全く栄養を持ち込まない」というのは、先に書いたとおり、食料として農作物を圃場外に持ち出す以上、永続する方法というのには疑問です。
(「進化の頂点に立つヒト」と「人も微生物の塊」という表現はスルーしておきます)
氏は別ページにおいて、硝酸体窒素蓄積の有害性についてコメントしています。
化学肥料や堆肥の多投による害としては、軟弱な成長となることから病害虫の害を受けやすいと上記に書きましたが、硝酸体窒素の蓄積もリスク要因であることは確かです。
だからこそ、生育状況や土壌の状態を見ながら適正な施肥を行うことが求められているわけですが、富栄養化した土壌においては、氏の主張するような方法も、一つの手段としては考えられなくもないと思います。
ただ、氏は本文中において、下記のとおり述べていますが(下線は筆者追加)、
確かに慣行農法からの移行期には、病虫害等で殆ど収穫できないこともないとは言えません。しかし、それは当たり前でしょう。瀕死の重病人にいきなり働けと言っても無理というものです。20年30年と化学肥料と農薬を使い続け土壌環境を無茶苦茶にしてしまっているのですから、その付けはキッチリ払わなければなりません。
元に戻るのに3~5年は覚悟した方がよいでしょう。しかし一旦土ができ上がれば手間もかからないし収量も慣行農法より増えます。
3~5年、ほとんど収穫できないことがある農法を取り入れることが出来るのは、よっぽど経済力があるか、農業にほとんど依存
していない農家であり、「経済力を問わない農法」であるという主張はどうなのでしょうか?
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