あらすじ

P.A.WORKS 10周年記念アニメーション作品

突然の夜逃げ、突然の告白、そして突然の別れ――。
今までとは違う自分になりたかったという夢は、急に現実となりました。
私、松前緒花の平凡な日常は1日にしてドラマチックな展開を迎えたのです。
通い慣れた、それでいてあまり愛着のない街を出て、話したことや会ったこともない祖母の元で暮らすのです。
大正浪漫あふれる温泉旅館・喜翆荘(きっすいそう)。
そこで出会う人たち。
花の芽が地上に出て新たな世界を知るように、私も、今までとはまったく違う、新しい生活を始めます。
それは辛いことかもしれません。
でも、めげても、くじけても、泣きじゃくっても明日は来るんです。
だからこそ私は頑張りたいんです、そして輝きたいんです。
太陽に導かれるよう咲く花のようにいつか大輪の花を咲かせられるように……。



1話

突然、母、皐月(さつき)から
「夜逃げをすることになった」と伝えられた松前緒花(まつまえ・おはな)。
母親から手渡されたのは“喜翆荘”(きっすいそう)という名と、
電話番号が書かれた一枚の紙切れだけ。
住み慣れた街、母親、そしてクラスメイトの種村孝一(たねむら・こういち)に別れを告げ、
まだ出会ったことのない祖母がいる街で暮らすことになった緒花は、
海岸線を走る列車からの景色を見ながら、これから始まる新たな生活に
思いをはせるのだった。


3話

“喜翆荘”で長逗留をしている売れない小説家、次郎丸太郎(じろうまる・たろう)。
彼の書きかけの原稿をゴミだと勘違いして捨ててしまった緒花は、
次の朝、まかないの支度途中に姿を消してしまう。
「東京に帰ってしまったのでは?」と心配する従業員たち。
しかしスイは、そんな彼らを横目に旅館の大掃除を命じる。
掃除のため次郎丸の部屋に向かった菜子だったが、
次郎丸に、かたくなに掃除、そして部屋に入られることを拒まれてしまうのだが……。



5話

“喜翆荘”の板前であり民子を指導する先輩でもある宮岸徹(みやぎし・とおる)。
緒花と民子は、彼がホットパンツ姿の結名をバイクに乗せ走り去るのを目撃する。
驚くふたりだったが、翌日、板長の富樫蓮二(とがし・れんじ)から徹が
来ないことを告げられた民子は、さらにショックを受ける。
事情を知った菜子や次郎丸、仲居頭の輪島巴(わじま・ともえ)らも加わってあれこれ推測するも、
次郎丸が仕入れた情報により、福屋旅館による徹の引き抜きという結論に至るが……。



7話

母からの電話でお見合いを勧められる巴。
すでに相手の写真も送ったと言われ、実家に帰ってこいと迫られる。
それに対して勝手に決めないでと反論するも、
高校時代の友達の中で結婚していないのは巴だけであることや、
喜翆荘でお金持ちのお客さんを捕まえて
玉の輿に乗ることに失敗していることを指摘され言葉に詰まる。
今の仕事を続けるか、それとも結婚か。
これからの人生について悩む巴。
そんな彼女の前に、少し特殊な常連客一行が現われる。




9話

いきなり増えた宿泊客。突然倒れ病院に運ばれたスイ。菜子や徹の不在。
そして覆面記者宿泊の疑い……。
女将不在の中、右往左往する喜翆荘の面々は、
崇子の提案で覆面記者と思われるお客を優先に接客しようとする。
しかし緒花はこれまで通り、宿泊客全員に平等のおもてなしをするべきだと反対。
友人の結婚式に出席している徹も連れ戻すと言って飛び出す。
徹が見つからず焦る緒花の携帯に、突然孝一から着信が入る。



11話

湯乃鷺温泉街の特集が載った旅行雑誌の発売日。
緒花は旅館ランキングでの喜翆荘の高評価を期待していたが、現実は10点満点中の5点。
またランキングの結果を受けてか、予約キャンセルが相次いでいた。
ランキングの結果に納得のできない緒花は、
「喜翆荘にめちゃくちゃな評価をつけた犯人と戦ってきます」と書おきを残し、電車に飛び乗っていた。
交渉(?)のすえ、なんとか出版社で記事を担当したライターの名刺を見せてもらうのだが……。


13話

母親を車に乗せ戻ってきた緒花たち。
皐月は着くなり、浴衣のデザインやお茶菓子、お風呂の時間について、いろいろと指摘する。
菜子はそんな彼女を素敵と思い、小さい頃から姉にいじめられてきた縁は威圧的なオーラにひるみ、
次郎丸は皐月の艶めかしく白いうなじにやられていた。
一方、スイと緒花は皐月と距離を取っていたのだが……。
仕事を通してスイ、皐月、緒花それぞれの気持ちが交錯。
四十万の女たちの物語に新たな1ページが加わる。


15話

洋輔から結名の秘密を聞き何とか力になりたいと考える緒花は、民子、菜子とある事を考える。一方
喜翠荘ではスイと崇子が旅館の経営方針を巡って火花を散らせ、間に入る縁は再び皐月に相談をするのだが・・・。


17話

温泉街を盛り上げる一環として、喜翆荘(きっすいそう)を舞台にした映画を製作することになった。
何年も使用されていなかった喜翆荘のプールが、緒花たちの手によって甦(よみがえ)る。


19話

文化祭で「姫カフェ」を企画することになった緒花たちのクラス。
男子からの支持で、接客・料理チームのリーダーは、それぞれ結名(ゆいな)と民子(みんこ)に決まった。
あまり乗り気でなかった民子だが、徹(とおる)が来ると聞いて、がぜんやる気を出しはじめる。

2話

「従業員として働きながら高校に通うこと」と、祖母である四十万スイ(しじま・すい)から厳しく言われ、
スイが経営する温泉旅館“喜翆荘”で、新たな生活を歩み始めた緒花。
それは思い描いていた生活とはほど遠い世界だった。
だが彼女は、板前見習いとして住み込みで働く鶴来民子(つるぎ・みんこ)や
同じ仲居の押水菜子(おしみず・なこ)をはじめ、喜翆荘で働く従業員たちと打ち解けようと孤軍奮闘。
しかしその頑張りが裏目に出てしまう。




4話

民子、菜子と同じ学校に通うことになった緒花。
東京から来たということで女生徒たちには質問攻めに、
実は男子に人気のある民子と一緒に住んでいるということで、
男子生徒からは興奮気味に詰め寄られる。
その勢いに戸惑う緒花を救ったのは、クラスメイトであり、
有名温泉旅館“福屋”(ふくや)の一人娘である和倉結名(わくらゆいな)だった。
にぎやかにスタートした緒花の学校生活だが、
校舎裏で男子生徒から告白を受けている民子の姿を目撃する。


6話

ある朝緒花が玄関を掃除していると、車に乗ったひとりの女性が現われる。
彼女こそ、経営が苦しい“喜翆荘”を立て直すべく、叔父であり番頭である
四十万緑(しじま・えにし)が雇った経営コンサルタント川尻崇子(かわじり・たかこ)だった。
実は、ほぼ毎月やってくるという崇子から今回提案されたのは、仲居の服装を一新する案だった。
ド派手な衣装を前にとまどう従業員たちだが、崇子の迫力と縁の勧めで、
とりあえず服装を変え仕事をすることに。



8話

旅行雑誌で喜翆荘のある湯乃鷺温泉街が特集されることを知った緒花。
旅館ランキングで上位になればお客も増え、スイからも労ってもらえるのではと妄想する。
しかし現実は1組の予約しか入っておらず、菜子や徹が休みをとるぐらい暇だった……。
ところが幸か不幸か常連さんと飛び込み客が重なり、一気に慌しくなる喜翆荘。
スイも仲居として巴や緒花を手伝おうとするが、急に倒れてしまう。
そんな中、崇子はお客に覆面記者がいると言い出すのだが……。







10話

最近、毎朝早起きをして玄関や帳場の掃除を続けていた緒花だったが、
無理がたたり熱を出して倒れてしまう……。
落ち着いて寝ている緒花を心配そうに見つめる民子や菜子、巴たちは、
今日一日ゆっくり寝かしておこうと決める。
オリジナルのおかゆを持ってくる徹や、お見舞いがてら新作を披露する次郎丸など、
皆が入れ替わり立ち代り緒花の様子を見に来るも、緒花は自分がいなくても仕事が回るのを見て、
本当に自分は必要なのかと自問する。



12話

旅行雑誌の旅館ランキングで、喜翆荘に悪い点数を点けられたのは
大人の事情が絡んでいたと知ってショックを受ける緒花。
心配で迎えに来た徹と民子に慰められ、3人は小さなビジネスホテルで一夜を明かすことに。
翌朝、緒花は喜翆荘の本当の良さを知ってもらうため、
母親であり、ライターでもある皐月を誘拐して連れて帰ることを宣言。
徹と民子にも協力を仰ぐ。
それを了承する徹だったが、孝一も一緒に喜翆荘に連れていくという条件を出す。


14話

修学旅行で南国の地を訪れた緒花、民子、菜子たちは、仕事を離れ、夏のひとときを満喫する。
さらに緒花は、宿泊先の旅館“福洋”の大きさに圧倒される。
そんな折、彼女は旅館の番頭で跡取り息子の日渡洋輔(ひわたりようすけ)が、結名(ゆいな)の幼なじみだと聞く。


16話

結名の実家である「福屋旅館」に集まった湯乃鷺温泉の女将、組合員たち。
不況の時世、どうやったら温泉地を盛り上げられるかと話し合っていた。
その中には緒花、菜子、民子、そして結名の姿も。
突然女将から率直な意見をと求められた緒花たちは、
自分たちの欲望のまま答え女将たちを呆れさせてしまう。
その頃、喜翆荘では縁と経営コンサルタントの崇子が、
スイに喜翆荘を舞台にした映画の製作、そしてその映画への出資の提案をしていた。


18話

教師を務める両親に代わり、兄妹の世話や家事を一手に引き受ける菜子(なこ)。
そこには家の外では見られない堂々とした姿があった。翌日、菜子は喜翆荘の客からの質問にうまく答えることができず……。

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最終更新:2011年04月25日 20:32