374 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/02/01(火) 12:53:45 ID:dn10sFmY0 [1/11]
桐乃編
「ちょっと富士の樹海まで一人で肝試しに行くんだけど一緒に行くか?」
「は?わけわかんないんだけど」
マジでわけがわからない。何言ってんの?
「赤城と勝負して負けたバツだ。これこそ富士の樹海!
 ってものをつきつければそれでいいらしい」
ああ、あのよく噂してる悪友か。
「行くわけないじゃん。バカじゃないの?」
「じゃあ、麻奈実でも誘うか」
「か、勝手にすれば!?」
な・・・・・・なんで地味子の名前出すのよ!
「あ、でもあいつの家門限厳しいからなぁ」
「この家だって厳しいじゃない。お父さんに怒られるからやめれば?」
「なんだよ。たかが肝試しだぜ?なんでそんなに気になってんだ」
「気になってなんかないわよ!ただ、この前テレビで、
 『心霊スポットは興味半分で行くと祟られる』って言ってたから」
テレビからの情報を鵜呑みにするわけじゃないけど、一応言っておく。
「お?珍しく心配してくれてんのか?」
「―――ッ!!キモッ!さっさと祟られて死ね!」
「ま、黒猫の家に寄って何か厄除けのものでももらってくから心配いらんさ」
だから、なんで一人で行くのにその名前も出すの!
「ふ、ふん!憑かれても連れて帰って来ないでよ」
「わーってるって、じゃ!行ってくるわ」



友情の赤城編
「疲れた・・・・・・」
「憑かれた・・・・・・」
俺と悪友の声が教室中に"こだま"する。
俺はあの晩、本当に富士の樹海に行ったわけだ。
で、赤城と遭遇。赤城は俺を脅かすために、
富士の樹海に一人で忍び込んでたらしい。
・・・・・・こいつは意地でもそれを認めず、
『お前が本当に来てるのか確認したかっただけだ』と言っている。
俺が来ない間しばらく隠れてると、
聞こえないはずの何かの声が聞こえてきたらしい。
で、赤城は来たはずの道を逆走した。
もちろん、俺を脅かすための衣装を着たままで。
・・・・・・今はまだ寒波きついのによくやるよ、こいつは。
ある程度逆走をしたところで森を迷っていることに気づく。
方位磁針も置いてきたリュックの中だ。
一人でめそめそ泣いていたところに俺登場。
こいつが鼻水たらして泣きついてきたときは、なんだこの幽霊!とか思ったぞ。
一回、黒猫に貰った錫杖で殴り殺しかけたからな。・・・・・・あの時、俺ビビってたし。
野郎二人で無事に帰還。赤城は妹に、俺は親父にこってりしぼられた。
もう二度と行かねぇ。こいつだって行かないだろうし。
「なあ、高坂ぁ。俺お払いに行った方がいいかなぁ・・・・・・。」
「それを言うなら、お払い箱だな」
「ひどっ!」



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最終更新:2011年02月02日 01:00