738 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/02/03(木) 05:01:41 ID:kufVLHvw0 [4/7]

「桐乃~、おめでとうー!」
「高坂ッ!奥さんを大事にしろよっ!」

今日はあたしたちの新しい門出。
あたしはあたしの兄貴、京介を夫として、これからの一生を送る事ができるんだ…

「あ、ありがとう…みんな…」

お父さん…お母さん…リア…瀬菜…麻奈実さん…あやせ…沙織…それに黒猫も…

これからあたしは今までと違って、一人の女の子じゃなくって、
妻として、京介と支えあっていく人間として生きていかなくちゃいけないんだ。
あたしも、大きく変わらないといけないんじゃないかな、今までのあたしを捨てる事もでてくるのかな。
誇らしさと、少しの不安で胸がいっぱいになる。

「桐乃…せっかくの可愛い顔が台無しだぞ?」
「な、泣いてなんかないっ!」
「まあまあ、京介氏。きりりん氏の長年の想いがやっと実ったのですから。」
「そうよ。この私が認めた貴方達だもの。せいぜい幸せを噛みしめなさいな。」

こいつらに会って…こいつらに会えて…今のあたしと兄貴の関係があるんだ…
そう思うと、感謝しても感謝しきれない。
少しの罪悪感と共に、あたしは心の中で想う。

ありがとう…あんたたちに会えて、本当に良かった。

「さて、折角のお祝い事。このままでは締まりませんな?」
「そうね。でも安心なさい。私が闇の世界から取り寄せた魔装具で、この雰囲気を壊して差し上げましょう」
「あ、あんた…な、何する気っ?」
「んっふ………コレよ」

うん、訂正。罪悪感なんてどっかに行ってしまった。
というかコイツ…何考えてるのっ!?バズーカ!?…バカなのっ!?

「安心なさい。コレはただのクラッカーよ?」

唖然としているあたしたちに、平然と言いのける。

「その…気に喰わなかったかしら?重苦しい雰囲気を吹き飛ばす…つもりだったのだけど」
「はっはっはっ、黒猫氏はお茶目さんですな~」
「もうっ………ホント、バカ…なんだから………」

やっぱり、こいつら…本当に…あたしの事…

「さて、それじゃあ沢山あることですし、一人一つ持ちましょうぞ!」
「あ…あなた、何を仕切っているのっ?」
「さあさあ、黒猫氏も、きりりん氏も、京介氏もっ、バズーカを構えてっ!」
「お、おうっ」
「ど、どこ狙えばいいのっ!」
「空に向かって打ちましょう」

その時―――

「きゃあっ!」

ふと見れば、あやせがバズーカをドレスに引っ掛けて、スカートがめくれあがってる。
ううん、それよりも…

「この変態っ!何、あやせの下着、ガン見してんのよっ!」
「ま、待てっ、桐乃っ!これは仕方な…いや、それをこっちに向けるn―――」
「死ねっ!この変態っっっ!」



―――その後はもう、グダグダになっちゃって…一生に一度の結婚式だったのにっ!
でも………あたしたちはやっぱり、こんな関係を一生続けて行くんだろう。
そうだね、そのほうが『あたし』らしい。
兄貴の妻っていう新しいあたしと、今までのあたし、あたしは両方の『あたし』が大事!

兄貴も、友達も、アニメも、エロゲーもっ!全部諦めないっ!
全部がとっても大切なんだから…。



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最終更新:2011年06月04日 10:12