521 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/02/25(金) 18:56:30.88 ID:Plury9V30 [4/4]
>>513 >>515
妄想SS『4巻288pで語られなかった事』

俺の妹がアメリカに渡って半日が経った。

いや、半日って言うと、分かりにくいよな?
正確には12時間………いや、723分………43404秒………
そうじゃない。たったの半日なんだ………

そして、今、俺は妹の部屋に居る。
味もそっけない夕食を食べた後、ふと魔が差して、妹の部屋を開けてしまったんだ。

あいつが護ってほしいもの………
それは分かってる、あいつに預かったものは、単なる物だけじゃねえ。
その背後にある、あいつの想い。
あいつの前では絶対に、いや、あいつだけじゃない。
他の誰にだって、俺が、あいつの想いに気付いてること、知られるわけにはいかない。
だって、俺は、あいつの兄貴なんだからな………

だから、今回のアメリカ行き。
あいつと俺にとっては、たぶん、一番良い結末なんだろう。

だけど、なんで………なんで、自分の想いばっかりで、先に行っちまうんだよ………

いや、そんなこと考えてはいけないんだ。
第一、さっき俺自身が考えたこととも矛盾してるじゃねえか。

ふと、俺の視界に桐乃のベッドが写る。
あいつが、昨日まで寝ていたベッド………

俺はの足は、ふらふらと、桐乃のベッドに近づいていってしまう………
桐乃のベッド………桐乃がこの数年間寝ていたベッド………
桐乃の匂いが………染み込んだベッド………

俺は―――何をしてるんだ!?
ふと、俺は恐ろしい事をしている事に気付き、愕然とする。
俺は、桐乃のベッドに横たわり、桐乃の枕に顔をうずめ、必死に匂いを嗅ぎまわっていた。

だめだ、こんな事をしていてはいけない。
こんな事をしていては、それこそ―――


桐乃から預かったものを、汚してしまう………


俺はすぐに、桐乃の部屋を出て、そして―――

あいつのコレクションを護るために………
あいつが帰ってくるまで、決してこの部屋に立ち入らない。

―――そう、堅く決心した。



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最終更新:2011年02月28日 00:57