479 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/05/30(月) 22:34:55.50 ID:s2giHp4a0

「神ゲーだった!」
「は?何なの突然?」
「シスシスのことだよ!最高だ!りんこりん可愛いよりんこりん!」
「……キモ!――キッッモ!! キショイ声出すなエロゲ魔!」
「明らかに酷ェ!? おま、ブーメランって言葉知ってるか?」
「あたしはいいの、妹だから。あんたはキモいの、兄だから」
「今回はなぜか正論に聞こえる!?」
「まぁ?シスシスの良さが分かったってのは……褒めてあげてもいいケド」
「おう!みやびもいいんだけどよぉ、りんこりんが、りんこりんがさぁ~」
「きゅ、急に近づくなっての!」
「あのツンツンした感じ。素直になれない不器用さ? やべーよ。俺おかしくなりそうだよ。超かわいいよ」
「やっぱキモ! 何デレデレしまくってるわけ!?」
「フヒw だってよ、可愛くってついw」
「うざ! な、何よ……ふん」


【次の日】

「なぁなぁ桐乃~、俺のりんこりんがさぁ~」
「りんこりんはあたしのだっての! 何そのキモい声!セクハラ!犯罪者!」
「声だけで!?」
「声で十分重罪だし、その顔も仕草も全部性犯罪! 余所でやったら承知しないから!」
「ぐっ……俺はりんこりんのエロ可愛さを語り合いたいだけなのに」
「……あ、あんた、どうしちゃったワケ? エロゲに目覚めた……とか?」
「いや。俺はりんこりんに目覚めたんだ」
「な、なにそれ」
「すべての会話が!すべての行動が!俺にはもう可愛くてしょうがない!これぞ神!女神!」
「声でかいって!口閉じろっ……この……!」
「むぐ……むむ…………フヒw」
「キモ!キモキモ! 何で口押さえられながらニヤニヤしてるワケ!?本気でキモい!」
「それは可愛いからです!」
「うざーっ!? あ、あんた、まさかりんこりんにガチ惚れとか……!?」
「おう、白状しよう。惚れた」
「はああああああああ!? な、な、あああああああんた」
「こんなに可愛い生き物がこの世に存在していていいのか!」
「してない! り、りんこりんは二次元だから!二次元と三次元一緒にすんな!」
「その心配は要らないぞ」
「心配とかじゃなくて!……い、いやそっちでもなくて! あぁーっ、もーっ!」


【さらに次の日】

「お、桐乃。……ふふ、りんこりんだけどさぁ」
「ウザ、またその話題?」
「なんだよつれないな。おまえだってシスシスは神ゲーだっつってたろ?」
「神ゲーだし、りんこりんも超愛してるっての!」
「フヒィw だ、だよなぁ」
「あん、あんった、今の超キモい声っ……! 最悪!最悪最悪! どんだけ極まっちゃってるわけ!?」
「あぁ。キモオタ声出しちゃうくらいに愛してるみたいだわ。ペロペロ」
「ギャ――――!!!」
「おっと、ついうっかり」
「……(だ、だめ!コイツ!は、早くなんとかしないと!なんとか……!)」
「ん?何ぼそぼそ言ってんだ?」
「うっさい! エロゲはじゃんじゃんやっても、これまでキャラにハマるなんてなかったじゃん!何で急にッ」
「それはりんこりんだからです!」
「死ね!死ね!死ねぇっ!」
「痛!痛!痛いっ!?」
「はーっ、はーっ、……。…………そこまでなんだ……そんなにりんこりんが……」
「おうよ。天使だね」
「…………その、りんこりんだけどさ」
「ん?」
「……だ……誰かに似てるとか……思ったこと、ない?」
「………………………………ん?」
「な、なんでもない! バッカじゃないの!?こっち見んな!ばーかっ!」




【数日前】

俺は桐乃からプレゼントされたシスシスをプレイしながら、戦慄して呟いた。

「き、桐乃のやつ、こんなエロゲ渡しといて、あ、『あたしだと思って、大事にしなさいよね』つったのかよ!?」

いや、わ、わかってるけどね。あのとき既に桐乃は渡米の決心をしてて
自分の『形見』としてコレを置いて行ったんだ。それは分かってる。

「で、でもよ? エロゲだぜ?妹モノのエロゲ。渡されたときだって、全く最高にアホらしいと思ったさ」
そう、ただでさえアホみたいにキワドイ代物なのだ。
そしてさらに。コレは――『妹モノのエロゲ』ってだけじゃない。

「どんだけ桐乃にソックリなんだよりんこ……」

俺は頭を抱えた。初見から、この常時イラッとくる感じとか、何か目が離せない言動とか、身に纏うオーラみたいなの?が、
既視感あるなーとは思ってたんだよ。妙にこう、吸い寄せられるというか、構いたくなるような、存在感。

それはシナリオを進めていくうちに、実感のあるものになり、主人公と恋仲となる頃には確信へと変わった。
りんこは、桐乃に、超っーー、似てる。

「……って、俺の妹様はこんな可愛げねーけどな!」
……いや、外見は?俺の妹の方が可愛いけど。そうじゃなくてさ!
めっちゃ健気で頑張り屋なところ、いっつも辛い目に遭うんだけど、それを表には出さず、乗り越えてしまうところ、
時折見せる天真爛漫なはしゃぎ方、豊かな表情、天使のような寝顔、主人公がピンチなとき、本気出した姿の格好良さ……。

似てる。桐乃がまるで、エロゲの攻略キャラになってしまったみたいで……。

「なんつー背徳感だよコレ……。18禁なんだから、この先エッチシーンもあるんだろ……?」
とても無理だ。この先は、今は、絶対進められそうにない。

ヘタレとか言うなよ?そりゃ無理だって!だって桐乃の生き写しみたいなキャラクタのエッチシーンだぞ?
そんな、桐乃の許可もなく……。い、いや、エロゲプレゼントされた時点で許可はされてるのか? そ、そうじゃないんだ、
そうじゃなくて……合意もなく……? ……?? わかんね。とにかくダメだ。

俺は仕方なく中断セーブをして、最初からりんこルートをやり直す。
……やればやるほど、桐乃ソックリだぜ。ツンツンしてる所も、兄に対して高圧的なところも。

「でも、不器用なんだよな~。そこがまた可愛いんだけど」

………………ん?

……お、俺いま、可愛いってった!? い、妹にソックリのキャラクタに!?
あああありえん!俺の理性は腐っちまったのか!?まぁ桐乃は外見最高に可愛いし? 中身も最近は可愛げあるというか……ってそうじゃねぇ!
桐乃の不器用さを可愛いとか! おかしいだろ!?

……いやまて、桐乃じゃねぇりんこだ。エロゲのキャラを可愛いと思ってなにがおかしい?正常だ。
りんこの不器用な愛情表現が可愛いわけであってだな。桐乃とは……
……不器用?……ツン……愛情表現……?
いやまさか。ハハッ。そんな。
え、でも、『あたしだと思って』……?

…………何だこの破壊力!?
俺は、今まで生きてた中で一番心臓に負担かけさせられてるぞっ!
ダメだ、叫ばずにはいられねぇ!ぐあ、がああああッ

「きり……り、り、りんこりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいんッ!!!!!!!」




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最終更新:2011年05月30日 22:52