魔法少女☆のぶかつ(仮)

魔法少女☆のぶかつ(仮)


織田信勝は、ある日母上である土田御前から「大事な話がある」と呼び出されていた。
信勝(大事な話とはなんだろう?もしかして織田家の当主になれ、とか!?)
信勝は期待を膨らませながら土田御前の部屋へと向かった。

信勝「母上、信勝でございます」
土田御前「入りなさい」
信勝「はい」

信勝は緊張しながら部屋へと入った。
母上は何やら書物を読んでいたようだ。
周りには何冊かの薄い本や巻物がある。

信勝「母上、大事な話がある、とのことですが、どんな件でございますか?」

緊張した面持ちで信勝は尋ねた。
すると

土田御前「信勝、今日から魔法少女になってね♪」

母上は今まで見たことのない様な、とても優しく美しい笑顔でとんでもないことを頼んできた!

信勝「…ぇっ?」

一瞬、母上が何を言ってるのか理解することができなかった。
織田家の当主に関することではなかったのは理解できた。

土田御前「だから、魔法少女☆」
信勝「母上…異国の言葉はわたしにはわかりませぬ」

出来る限り穏便に拒絶してみた。が、母上は意にも介さず

土田御前「信勝は女の子みたいにかわいいからきっと似合うわ♪」

と強引に話を進めてきた。

信勝「ちょっと通訳できる者を呼んできます」

この場から今すぐにでも逃げたかった。
しかし「待ちなさい」と呼び止められ、

土田御前「母様、実はお姫様だったのっ!」

と暴露されてしまった。

信勝「知ってます!」

尾張で知らない者はいないんじゃないかってくらい周知の事実です。
これ以上はさすがに突っ込めずにはいられなかった。

信勝「お姫様と魔法少女に何の関係性があるんですか!?」
土田御前「ないわっ!」

そんな自信満々に関係を否定されるとは思わなかった。

信勝「じゃぁ何でいきなり…」

せめて理由を聞かせてください母上。
すると、久しく見ていないとても真面目な表情になって

土田御前「信勝…男の娘には何があっても、やらなきゃいけない時があるのよ…」

と諭してきた。

信勝「母上…?」

何か重大な訳でもあるのだろうか。
男の「子」じゃなくて「娘」と言ったのは言葉の綾だと思いたい。
だが、そんな考えも母上がこそこそと後ろ手で何かを隠している動作で吹っ飛んだ。

信勝「…って、今何か薄い本みたいなもの隠しましたよね!?」
土田御前「チッ、見つかったか…」

母上、曲がりなりにも姫なので悪態をつくのはやめてください…。

信勝「そもそも私は男の娘じゃなくて列記とした男の子です!!」

最早、遠慮は無用だと思ったのでこうなったら修正してやる!

土田御前「もぅ!細かいことは気にしないの!男の娘でしょ!!」

華麗にスルー。…もう男の娘でいいや。

信勝「細かくはありません!だいたい、なぜ魔法少女なんですか!?」

とにかく理由を聞かねば。断るためにも。
母上は目を輝かせながらとても自信に満ちた声で

土田御前「母様の趣味で自分が見たいからよっ!!!!」

と、暴露した。
母上にそんな趣味があったことは驚きだが、なぜ私が魔法少女にならなければいけないのか…。

信勝「魔法少女が見たいなら、堀秀政や羽柴秀長に頼めばいいじゃないですか」

我ながらいい案だ。解決の糸口が見つかった様な気がした。

土田御前「それもいいわねっ!3人でやりなさい、きっと華やかだわ♪」
信勝「…(…だめだこの人…早く何とかしないと…!)」

残念ながら犠牲者が増えただけだった。

土田御前「というわけで、二人を呼ぶからちゃっちゃと魔法少女になりなさい☆」

このままでは本当に魔法少女にされてしまう。何か手を打たなければ…。

信勝「母上、魔法少女になれと仰られても衣装が無ければダメでしょう?」

咄嗟に思いついた逃げ口だった。しかし、

土田御前「衣装の心配はしなくても大丈夫よ、吉乃ちゃんが作ってるから♪ なぁに?やる気になったの?」

退路遮断されていた。しかもやる気になったと勘違いさせてしまった。
最早、どこまで手が回っているか予測がつかない。
どの範囲の人々が知っているのか聞きださなければ…。最悪の場合、城にいる全員が知っている可能性がある。

信勝「違います、やる気になったのではありません。男であるわたしが魔法少女になると尾張の笑い者です。
   わたしはそれが嫌なのです!」
土田御前「心配しなくても大丈夫よ、信勝。あなたが魔法少女になるってことは母上と吉乃ちゃん、お鍋ちゃん、
     帰蝶ちゃんしかまだ知らないわ。城の皆を驚かせたいからねっ☆」

現状、知っているのはいつも仲のいい4人だけのようだ。発案はおそらくお鍋の方だろう。
母上が突然こんなことを言い出した件といい、部屋に薄い本があった件といいあやしい…。
城内にはどの道、知らされてしまうようだ。

土田御前「それじゃ、吉乃ちゃんと堀、秀長を呼びましょう♪ 滝川!」

そう言って母上はパンパンと手を叩いた。
滝川は2人いるがどっちだろう?
いつも銃の手入れをしている優秀な部下と、いつもブリブリ言ってる傾奇者の2人がいる。後者はちょっと苦手だ。
そんなことを考えていると

滝川一益「お呼びでしょうか?」

畳が裏返って滝川一益が出てきた。
どこから出てきてんだよ!ていうか、どんな登場の仕方だよ!!
…今まで床下にいたの、コイツ?そういえば忍者だったっけ…? 混乱してきた…。

土田御前「吉乃ちゃん、堀、秀長を呼んできてちょうだい。あとお鍋ちゃんと帰蝶ちゃんも。
     ついでにちょっと小腹がすいたから御菓子持ってきて。」
滝川「了解しました。」

登場の時は意表を突かれたが、出ていくときは普通だった。
しかし、滝川…お前パシられてるぞ。母上も優秀な部下をパシリに使わないでください…。

土田御前「みんな来るまでちょっと待ちましょう♪」
信勝「いや、母上…そもそも魔法少女になるとは一言も」
吉乃「土田様、吉乃でございます…。衣装を持って参りました…。」

言い終わらない内に吉乃殿が来た。吉乃殿、いくらなんでも早すぎます。
吉乃殿は「失礼します…」と儚い声で言いながら部屋へと入ってきた。手には風呂敷で包まれた衣装が見える。

土田御前「吉乃ちゃん、早かったわね。もしかして外で待ってたの?」
吉乃「いいえ、衣装が出来たので持ってきたのです…。」
土田御前「なるほどね。調度、滝川に使いを頼んだ所だったのよ。時期にお鍋ちゃん達も来るわ☆」
吉乃「わかりました…。では信勝様も居りますし、先に衣装合わせをしましょう…。」

そう言って吉乃は風呂敷を解き、衣装を広げ始めた。

吉乃「お鍋の方から頂いた絵を元に作っただけですから…、そこまで時間は掛からなかったのです…。」
土田御前「でも三日くらいしか時間なかったわよね?こんな短期間に出来ちゃうなんて、吉乃ちゃんは仕事が早いわね♪」

褒められた吉乃殿は少し照れながら微笑んだ。

吉乃「裁縫は得意ですから…それに、ほとんどやる事もありませんし…。良き暇潰しとなりました…。」
土田御前「普通はもっと時間が掛かるものなのよ。だから吉乃ちゃんは凄いわ。ナイスよ、吉乃ちゃん☆」

また褒められて吉乃殿は赤くなってしまった。母上はそんな吉乃殿を見て萌えている…。

土田御前「それで、衣装はどんな感じになったの?」
吉乃「あ…はい…、とりあえず五着作ってみました…。一着目はこちらです…。」

吉乃殿がまず最初に見せた衣装は、上半身はちょっと大きめの白いワイシャツに家紋の入ったネクタイ、
下半身は短めの青いプリーツスカートという組み合わせだ。

吉乃「これと頭にリボンをつけてツインテールにして、下着にスパッツを履きます…。足はブーツです…。」
土田御前「服装は控えめに、小物で彩りを加える、か。とてもいいわ。
     他の衣装と見比べたいから、そこの衝立に掛けておきましょう。」
吉乃「はい…。では二着目です…。」

二着目の衣装は、上半身に青いブレザー、下半身は白地に黒の模様の入ったスカートだ。
スカートの模様はよく見ると家紋だ。

吉乃「これに腰の丈のマントを着けて、足に黒いニーソックスを履きます…。」
土田御前「一着目に比べて落ち着いた組み合わせね。リボンでアクセントをつけた方がいいかもしれないわね。
     次を見ましょう。」
吉乃「はい…。三着目はこれです…。」

三着目は家紋の入ったピンクのセーラー服とバニースーツだ。

吉乃「セーラー服の中にバニースーツを着ます…。もちろん足は網タイツです…。マントとウサミミもつけます…。」
土田御前「明るい感じを出すのね。中のバニースーツは見えないけど、脱がす楽しみがあるわね。」
吉乃「ウサミミも犬ミミや猫ミミに変えれば印象も変わるでしょう…。では四着目です…。」

四着目はメイド服だ。他の衣装と違いスカート丈が長い。

土田御前「スカート丈が長めだからしっとりと落ち着いた感じね。」
吉乃「はい…ちょっと地味なので中にガーターストッキングを履きます…。見えませんが…。」
土田御前「見えないのはちょっともったいないわね。次で最後かしら?」
吉乃「そうですね…。今回用意したのはこれで最後になります…。」

五着目は巫女服だ。…やたら袴の丈が短いが。

吉乃「これに母衣と足に白いニーソックスを履きます…。アクセントとしてリボンもつけましょう…。」
土田御前「巫女服って思っていたより派手ね。袴が短いからミニスカートみたいだわ。」
吉乃「これで全部です…。………信勝様、どれがお好みですか…?」
信勝「…………ハッ!?」

危ない、状況に流されていた!じっくりと衣装を見ている場合じゃない!

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2011年01月23日 21:10
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。