既知との遭遇 ◆hqLsjDR84w
◇ ◇ ◇
淡く輝いていた満月が西の彼方に沈み、代わりに顔を出した太陽が地上を照らし出したころ。
超天才少年アル・ボーエンくん御一行は、まだエリアE-2の公園に留まっていた。
というのも、アルとレイラが自身の持つ情報を仲間たちに提供したところで、もう放送まで僅かな時間しか残されていなかったのだ。
たとえ移動中であろうと内容を聞き逃すつもりはなかったが、それでも落ち着いて耳を傾けられる状況のほうがよりいいには違いない。
だいたいどうせ放送中は立ち止まることになるので、多少歩いたとしても大した足しにはならない。
これに対し仲間たちの反論はなく、アルは少しばかり拍子抜けするハメになった。
三人ともそれぞれ合流したい相手がいると言っていた割に、随分とあっさり頷いたものだ。
アルはそれだけ相手を信頼しているのかと胸中で頷きつつ、リュックサックから地図とボールペンを抜き取る。
地図の裏側でボールペンの書き味を確かめているアルは、レイラの思考に関してだけ僅かに見落としがある事実に気付かない。
彼女は魔道具『輪廻』により仲間についての記憶を失っているため、名簿に印がつけられているだけで顔も知らぬ四人への信頼はない。
ただ、アルの提案であるから受け入れたのである。
魔道具『心眼』が本来の性能通りに、他者の思考を自動で使用者に垂れ流しにしてくれれば、アルはそんなレイラの思考を読み取ることができた。
しかし心眼にはなんらかの制限がかけられており、対象一人の思考を読もうと意識せねば効果が発動しないようになっている。
ゆえに、アルがレイラの思いを知ることはなかった。
超天才少年アル・ボーエンくん御一行は、まだエリアE-2の公園に留まっていた。
というのも、アルとレイラが自身の持つ情報を仲間たちに提供したところで、もう放送まで僅かな時間しか残されていなかったのだ。
たとえ移動中であろうと内容を聞き逃すつもりはなかったが、それでも落ち着いて耳を傾けられる状況のほうがよりいいには違いない。
だいたいどうせ放送中は立ち止まることになるので、多少歩いたとしても大した足しにはならない。
これに対し仲間たちの反論はなく、アルは少しばかり拍子抜けするハメになった。
三人ともそれぞれ合流したい相手がいると言っていた割に、随分とあっさり頷いたものだ。
アルはそれだけ相手を信頼しているのかと胸中で頷きつつ、リュックサックから地図とボールペンを抜き取る。
地図の裏側でボールペンの書き味を確かめているアルは、レイラの思考に関してだけ僅かに見落としがある事実に気付かない。
彼女は魔道具『輪廻』により仲間についての記憶を失っているため、名簿に印がつけられているだけで顔も知らぬ四人への信頼はない。
ただ、アルの提案であるから受け入れたのである。
魔道具『心眼』が本来の性能通りに、他者の思考を自動で使用者に垂れ流しにしてくれれば、アルはそんなレイラの思考を読み取ることができた。
しかし心眼にはなんらかの制限がかけられており、対象一人の思考を読もうと意識せねば効果が発動しないようになっている。
ゆえに、アルがレイラの思いを知ることはなかった。
ベンチの上に名簿や地図を広げ、アルが放送への用意を着々と進めている傍ら。
他の三人はというと、これといってなんの準備もしていなかったりする。
ただ、ノートパソコンを前に難しい顔をしているだけである。
これはアルに支給されたものであり、たった一つ『program battle royale』というファイルが入っているだけである。
思わせぶりな名前のファイルにはパスワードがかかっており、それを突破せねば開くことはできない。
思い当たることでもあったのか、佐野清一郎が不意にキーボードに手を伸ばした。
慣れていないのか右の人差し指だけを使って、時間をかけてなにかを入力する。
ディスプレイに映し出されたのは、たった六文字のアルファベットで構成された短い単語。
他の三人はというと、これといってなんの準備もしていなかったりする。
ただ、ノートパソコンを前に難しい顔をしているだけである。
これはアルに支給されたものであり、たった一つ『program battle royale』というファイルが入っているだけである。
思わせぶりな名前のファイルにはパスワードがかかっており、それを突破せねば開くことはできない。
思い当たることでもあったのか、佐野清一郎が不意にキーボードに手を伸ばした。
慣れていないのか右の人差し指だけを使って、時間をかけてなにかを入力する。
ディスプレイに映し出されたのは、たった六文字のアルファベットで構成された短い単語。
――『Hakone』。
首を傾げるレイラとコロンビーヌとは対照的に、佐野はやたらめったら自信ありげな表情である。
ついに勝ち誇ったように白い歯を見せて、大げさな音を立ててエンターキーを叩く。
少しの間を置いて、ノートパソコンから間違いを知らせるブザー音が響いた。
ついに勝ち誇ったように白い歯を見せて、大げさな音を立ててエンターキーを叩く。
少しの間を置いて、ノートパソコンから間違いを知らせるブザー音が響いた。
「なっ、なんやて!?」
こうして目を丸くしたのも束の間だけ。
ならばとばかりに、次の単語を入力していく。
ならばとばかりに、次の単語を入力していく。
『Ynfuin』。
ブイーッ!
『Kusatsu』。
ブイーッ!
『Kinugawa』。
ブイーッ!
『Noboribetsu』。
ブイーッ!
「ええい、やかましいぞ! さっきからなにをやってるんだ、貴様はっ!!」
アルに怒鳴りつけられ、佐野はようやくパスワード入力を切り上げる。
しかし納得はいっていないらしく、渋々といった表情を隠そうともしていない。
そんな佐野の前に出るのは、くすくすと笑みを浮かべたコロンビーヌだ。
しかし納得はいっていないらしく、渋々といった表情を隠そうともしていない。
そんな佐野の前に出るのは、くすくすと笑みを浮かべたコロンビーヌだ。
「まったくダメねえ、アナタは。
ちゃんと話聞いてたの? アリスっていう女の子が関わってるのよ?
女の子の心を開かせるパスワードなんて、そんなのすぐ思い浮かぶじゃない」
ちゃんと話聞いてたの? アリスっていう女の子が関わってるのよ?
女の子の心を開かせるパスワードなんて、そんなのすぐ思い浮かぶじゃない」
こちらもまたやったら自信たっぷりに、キーボードに手を伸ばす。
すでにキーの配置は記憶してしまったようで、そのタイプ速度はかなりのものだ。
すでにキーの配置は記憶してしまったようで、そのタイプ速度はかなりのものだ。
『Hold hands』。
ブイーッ!
『Hug』。
ブイーッ!
『Kiss』。
ブイーッ!
「やっかましい! と! 言って! いるん! だっ!!」
まだなにか入力しようとしているコロンビーヌであったが、顔を真っ赤にしたアルが割って入る。
そのままノートパソコンを引ったくって、ベンチまで戻ってしまう。
そんなアルの後ろ姿を眺めながら、佐野とコロンビーヌは釈然としない様子で同時に呟く。
そのままノートパソコンを引ったくって、ベンチまで戻ってしまう。
そんなアルの後ろ姿を眺めながら、佐野とコロンビーヌは釈然としない様子で同時に呟く。
「キース・ホワイトは、なんにも分かってへん」
「キース・ホワイトって、なにも分かってないのねぇ」
「キース・ホワイトって、なにも分かってないのねぇ」
凄まじい勢いで振り返り、アルは声を荒げる。
「分かってないのは貴様らだっ!!」
こほんと一息ついて、アルは準備を再開する。
ノートパソコンを蔵王に戻してからリュックサックに仕舞い、かわりに水の入ったペットボトルを取り出す。
地図と名簿を開いたまま固定するための重しにするのだ。
そこまで終えて、アルはコロンビーヌに視線を向けた。
ただそれだけの動作で、言わんとすることが伝わったらしい。
じゃらりと音を立てて、コロンビーヌが彼女の纏う黒いゴシックドレスから懐中時計を取り出した。
ノートパソコンを蔵王に戻してからリュックサックに仕舞い、かわりに水の入ったペットボトルを取り出す。
地図と名簿を開いたまま固定するための重しにするのだ。
そこまで終えて、アルはコロンビーヌに視線を向けた。
ただそれだけの動作で、言わんとすることが伝わったらしい。
じゃらりと音を立てて、コロンビーヌが彼女の纏う黒いゴシックドレスから懐中時計を取り出した。
「六時まであと三分ねぇ」
時刻を把握できるよう参加者全員に時計が支給されているみたいだが、その種類は様々なようだ。
このようにコロンビーヌの場合は懐中時計であったが、アルとレイラは壁掛け時計であった。
一応リュックサックに入れてはいるもののひどく使いづらいので、コロンビーヌに尋ねたのである。
このようにコロンビーヌの場合は懐中時計であったが、アルとレイラは壁掛け時計であった。
一応リュックサックに入れてはいるもののひどく使いづらいので、コロンビーヌに尋ねたのである。
「ほー、なかなかえーもん持っとるやん。結構するんちゃうか」
「…………」
「…………」
佐野とレイラの二人が、コロンビーヌの懐中時計をしげしげと眺める。
レイラは黙っているものの、その羨望の眼差しはむしろ佐野よりも雄弁であった。
自動人形のサガか、こうも注目されるとコロンビーヌも悪い気はしない。
もともと大して美しい逸品と思っていたワケでもないのに、懐中時計を見せびらかすように振舞ってしまう。
長年真夜中のサーカスの踊り子として活動していただけあって、その動作には気品があり装飾品をより引き立てる。
レイラは黙っているものの、その羨望の眼差しはむしろ佐野よりも雄弁であった。
自動人形のサガか、こうも注目されるとコロンビーヌも悪い気はしない。
もともと大して美しい逸品と思っていたワケでもないのに、懐中時計を見せびらかすように振舞ってしまう。
長年真夜中のサーカスの踊り子として活動していただけあって、その動作には気品があり装飾品をより引き立てる。
「おおっ! なんやなんや? 盛り上がってきたんか? いよっ!」
佐野は明らかにおもしろがって、煽るように手拍子を打つ。
対してレイラは羨ましさが募っていくばかりで、どんどん物欲しげな表情になっていく。
まばたきもせずに懐中時計に見とれたのだが、レイラはハッとしたようにリュックサックを下ろす。
そうして花柄の風呂敷を取り出すと、勝ち誇ったように笑う。
対してレイラは羨ましさが募っていくばかりで、どんどん物欲しげな表情になっていく。
まばたきもせずに懐中時計に見とれたのだが、レイラはハッとしたようにリュックサックを下ろす。
そうして花柄の風呂敷を取り出すと、勝ち誇ったように笑う。
「ふふっ」
「…………」
「…………」
今度は、コロンビーヌが沈黙する番だった。
ただし羨望ゆえではなく、困惑ゆえにである。
レイラはやたら得意げだが、正直コロンビーヌはなんにも羨ましくなかった。
時計は時刻を知ることができるが、風呂敷なんてものを包めるだけではないか。
アクセサリーとして考えても、懐中時計と風呂敷では比べ物になるまい。いくら花柄であろうと、風呂敷は風呂敷なのだから。
とはいえレイラの態度を見るに、もしかしたらすごく価値があるのかもしれない。
人間の美的センスを基準とした価値などどうでもよいが、見極められないというのは少しばかり悔しい。
コロンビーヌが沈黙していると、佐野がマイクを握ったジェスチャーで寄ってくる。
ただし羨望ゆえではなく、困惑ゆえにである。
レイラはやたら得意げだが、正直コロンビーヌはなんにも羨ましくなかった。
時計は時刻を知ることができるが、風呂敷なんてものを包めるだけではないか。
アクセサリーとして考えても、懐中時計と風呂敷では比べ物になるまい。いくら花柄であろうと、風呂敷は風呂敷なのだから。
とはいえレイラの態度を見るに、もしかしたらすごく価値があるのかもしれない。
人間の美的センスを基準とした価値などどうでもよいが、見極められないというのは少しばかり悔しい。
コロンビーヌが沈黙していると、佐野がマイクを握ったジェスチャーで寄ってくる。
「おうおう? まさかまさかのおねーさんの反撃! どう出んねや、コロンビーヌ選手ぅ!?」
口振りからして、魔物とかいうよく分からない存在であるレイラだけでなく、人間の佐野から見ても名品であるらしい。
どう出ると言われても、とコロンビーヌは思い返す。
リュックサックに入っていた道具のうち、装飾品になりそうなものは懐中時計くらいだ。
かといって、このまま引き下がるというのも――
とそこまで考えたとき、コロンビーヌの思考に少年の声が割って入った。
どう出ると言われても、とコロンビーヌは思い返す。
リュックサックに入っていた道具のうち、装飾品になりそうなものは懐中時計くらいだ。
かといって、このまま引き下がるというのも――
とそこまで考えたとき、コロンビーヌの思考に少年の声が割って入った。
『…………レイラが持ってるのはただの風呂敷で、それ以上でも以下でもないぞ』
振り向けば、アルがやたら冷ややかな表情を浮かべていた。
もちろん、指には心眼がハマっている。
すべてを理解したコロンビーヌは、誰にも視線を向けずに一言。
もちろん、指には心眼がハマっている。
すべてを理解したコロンビーヌは、誰にも視線を向けずに一言。
「……知ってたわよォ、最初から」
佐野とレイラに背を向け、コロンビーヌはそれまでする素振りもなかった放送への準備を始めるのだった。
しばらく困惑していた佐野であったが、すぐにどうでもよくなったらしい。
マイクのジェスチャーをやめて、ふと思い出したように切り出す。
マイクのジェスチャーをやめて、ふと思い出したように切り出す。
「しっかし、みんなおもろいもん持ってんねんなぁ。
俺のリュックサックにも入ってんのかな。いっちょ見たるか」
「……え?」
俺のリュックサックにも入ってんのかな。いっちょ見たるか」
「……え?」
聞き返すかのような声を漏らしたのは、誰であったのか。
それは定かではないが、怪訝そうに佐野を見たのは三人全員であった。
六つの瞳を向けられても意に介さず、佐野はリュックサックを開く。
それは定かではないが、怪訝そうに佐野を見たのは三人全員であった。
六つの瞳を向けられても意に介さず、佐野はリュックサックを開く。
「おお、これがキース・ブラックの言ってた玉かいな。
説明書に書いてあるもんが入っとるワケやな、ってんなことあるんかい」
説明書に書いてあるもんが入っとるワケやな、ってんなことあるんかい」
アルも、レイラも、コロンビーヌも、六時間前にやった行動である。
まさか佐野清一郎は、いまのいままでリュックサックの中身を確認していなかったのだろうか。
よもや、そんな参加者が存在しているはずが――
という三人の考えを否定するように、佐野と玉もとい蔵王の格闘が始まる。
説明書に目を通した佐野が、玉を一つ掴み取る。
まさか佐野清一郎は、いまのいままでリュックサックの中身を確認していなかったのだろうか。
よもや、そんな参加者が存在しているはずが――
という三人の考えを否定するように、佐野と玉もとい蔵王の格闘が始まる。
説明書に目を通した佐野が、玉を一つ掴み取る。
「うわ、手ぇ入った! うわ! うっわ! 気色悪い!
なんか、なかちょい涼しい! どないなっとんねん! うっわ、ほんまにキショい!」
「…………」
なんか、なかちょい涼しい! どないなっとんねん! うっわ、ほんまにキショい!」
「…………」
三人のうち誰一人として、佐野に声をかけることはできなかった。
というか、触れられなかった。
なんというか、いたたまれなくて。
というか、触れられなかった。
なんというか、いたたまれなくて。
「ええい、ままよ!」
と、意を決したかのように手を引く。
蔵王から飛び出してきたのは、真っ白な軽トラックであった。
これがあると分かっていれば、わざわざ歩いて施設を回る必要もなかっただろう。
蔵王から飛び出してきたのは、真っ白な軽トラックであった。
これがあると分かっていれば、わざわざ歩いて施設を回る必要もなかっただろう。
「おおう、ほんまに出よった! どういう仕組みなってんねん!
んで、こっちはっと……なはは! ずっと探しとったのに、こんな近くにあったとはなぁ!」
んで、こっちはっと……なはは! ずっと探しとったのに、こんな近くにあったとはなぁ!」
続いて、二つ目。
巨大な箱のなかに、折り畳まれた手ぬぐいがびっしりと詰まっていた。
『手ぬぐいを鉄にする』能力を扱う彼にとってのメインウェポンである。
そんな大事なものを持っていたことに、六時間も気付かずにいたらしい。
巨大な箱のなかに、折り畳まれた手ぬぐいがびっしりと詰まっていた。
『手ぬぐいを鉄にする』能力を扱う彼にとってのメインウェポンである。
そんな大事なものを持っていたことに、六時間も気付かずにいたらしい。
「そんで……なんやこれ、メモリって。よう分からんな」
最後は、USBメモリであった。
つまむようにして持ち上げてから、佐野は興味なさそうにアルへと放り投げる。
つまむようにして持ち上げてから、佐野は興味なさそうにアルへと放り投げる。
「アル、お前パソコン持ってたし、それやるわ」
彼の行動を眺めていたコロンビーヌとレイラは、まったく同じ感想を抱いた。
(本気でやってるのかしら……)
そんな疑問に対し、心眼を装着しているアルの声が応える。
『心の底から恐ろしく、本当に受け入れ難いのだが……
それでも、我々はこの事実を一蹴することなく甘受せねばならない。
プログラムを打破するに辺り、信じたくないことを拒絶していてはなにも始まらない。
いかに予想してなかった事態であろうとも、目を逸らさずに向き合っていかねばならない。
非常につらい決断を強いていると思うし、僕自身まだ納得しきれていないのは明かしておく。
だから安心して欲しい。疑っているのは、決して自分だけじゃない。それだけは覚えておいてくれ。
時間がかかっても構わない。少しずつでいいから、受け入れてくれ。これは……紛れもない真実なんだ』
それでも、我々はこの事実を一蹴することなく甘受せねばならない。
プログラムを打破するに辺り、信じたくないことを拒絶していてはなにも始まらない。
いかに予想してなかった事態であろうとも、目を逸らさずに向き合っていかねばならない。
非常につらい決断を強いていると思うし、僕自身まだ納得しきれていないのは明かしておく。
だから安心して欲しい。疑っているのは、決して自分だけじゃない。それだけは覚えておいてくれ。
時間がかかっても構わない。少しずつでいいから、受け入れてくれ。これは……紛れもない真実なんだ』
一拍置いて、より重い口調で言う。
『ヤツは、佐野清一郎は――本気だ』
意図せず、コロンビーヌとレイラは息を呑んだ。
ボケだとかノリだとか、そんなチャチのものでは断じてない。
もっと恐ろしい適当男の片鱗を味わったのだった。
ボケだとかノリだとか、そんなチャチのものでは断じてない。
もっと恐ろしい適当男の片鱗を味わったのだった。
中学生が超天才児と魔物と自動人形を戦慄させたすぐあとに、死者を告げる放送は始まった。
◇ ◇ ◇
放送が終わって一分が経過する。
まだ誰一人として口を開こうとしない。
広がった静寂を破ったのは、佐野が歯を軋ませる音であった。
苦々しい表情を浮かべたまま、さらにもう数分後ようやく吐き捨てるように呟く。
まだ誰一人として口を開こうとしない。
広がった静寂を破ったのは、佐野が歯を軋ませる音であった。
苦々しい表情を浮かべたまま、さらにもう数分後ようやく吐き捨てるように呟く。
「クソッタレ……ッ」
ここに至ってやっと、佐野は自分が状況を甘く見ていたと思い知らされた。
自分はそれなりに戦えるつもりだし、植木は能力のほかに神器を使えるし、ヒデヨシはその植木が見付けてきた仲間だ。
能力の判明していない森はいないし、ロベルトも考えを改めつつあったという。
だから、きっとなんとかなる。
どうせ、素直に殺し合うヤツもいないだろう。
そんな――なんの根拠もない希望を抱いていた。
だから焦るでもなく、ダラダラと移動していた。
その結果が、いまの放送だ。
早くも十六人が死に、そのなかにはヒデヨシまで含まれていた。
甘かった。
ぬるかった。
そう、認識せざるを得ない。
最初から仲間を探して走り回っていれば、こうはならなかったかもしれない。
そんな想像は、仮定にすぎない。
悩んだところで、起こってしまったことは変わらない。
分かっているというのに、佐野はつい考えてしまうのだった。
自分はそれなりに戦えるつもりだし、植木は能力のほかに神器を使えるし、ヒデヨシはその植木が見付けてきた仲間だ。
能力の判明していない森はいないし、ロベルトも考えを改めつつあったという。
だから、きっとなんとかなる。
どうせ、素直に殺し合うヤツもいないだろう。
そんな――なんの根拠もない希望を抱いていた。
だから焦るでもなく、ダラダラと移動していた。
その結果が、いまの放送だ。
早くも十六人が死に、そのなかにはヒデヨシまで含まれていた。
甘かった。
ぬるかった。
そう、認識せざるを得ない。
最初から仲間を探して走り回っていれば、こうはならなかったかもしれない。
そんな想像は、仮定にすぎない。
悩んだところで、起こってしまったことは変わらない。
分かっているというのに、佐野はつい考えてしまうのだった。
コロンビーヌは、そんな佐野を冷めた目で見ていた。
いまさら悔しがるというのが、よく理解できなかったのである。
人が死ぬことなど分かり切っていたではないか。
別に、コロンビーヌに知る名が呼ばれなかったワケではない。
自動人形の宿敵である『人形破壊者(しろがね)』の一人が呼ばれた。
思うことは、これといってない。
何年も前に死んだはずの彼女がどうして生きているのかは不思議だが、それは壊れたはずのコロンビーヌも同じである。
いや、修理できる自動人形とは違うのだから、そうやすやすと同じとは言い切れないが。
なんにせよ、ただ単に不思議というだけである。
死んだことに対する感情の動きは、これといってない。
当然悲しくなんかないし、別に嬉しくもない。
ただ、死んだという事実を受け入れるだけである。
呼ばれたのが、他の誰かであったとしてもそうだろう。
同じ自動人形でも、たとえ造物主・フェイスレスであろうと、きっと一緒だ。
誰が死んだところで、佐野のように悔しがることはない。
誰かの死になにも抱くはずのないのが、自動人形なのだ。
そう思いかけて、フラッシュバックする。
自身に生命を与えてくれたフランシーヌ人形が、とうの昔に壊されていたという事実を叩きつけられたとき。
説明し難いが、なんだか空っぽになった。
造物主に命令を与えられていたというのに、自分がどうして動いているのか分からなくなった。
よく分からないが、とにかくすべてがどうでもよくなった。
あれはいったい、なんだったのだろうか。
そして――
もしも才賀勝の名前が、放送で呼ばれたのなら。
そのときには、どうなってしまうのだろう。
想像しかけて、コロンビーヌはやめた。
そう簡単に、あの少年が死ぬはずがないのだから。
いまさら悔しがるというのが、よく理解できなかったのである。
人が死ぬことなど分かり切っていたではないか。
別に、コロンビーヌに知る名が呼ばれなかったワケではない。
自動人形の宿敵である『人形破壊者(しろがね)』の一人が呼ばれた。
思うことは、これといってない。
何年も前に死んだはずの彼女がどうして生きているのかは不思議だが、それは壊れたはずのコロンビーヌも同じである。
いや、修理できる自動人形とは違うのだから、そうやすやすと同じとは言い切れないが。
なんにせよ、ただ単に不思議というだけである。
死んだことに対する感情の動きは、これといってない。
当然悲しくなんかないし、別に嬉しくもない。
ただ、死んだという事実を受け入れるだけである。
呼ばれたのが、他の誰かであったとしてもそうだろう。
同じ自動人形でも、たとえ造物主・フェイスレスであろうと、きっと一緒だ。
誰が死んだところで、佐野のように悔しがることはない。
誰かの死になにも抱くはずのないのが、自動人形なのだ。
そう思いかけて、フラッシュバックする。
自身に生命を与えてくれたフランシーヌ人形が、とうの昔に壊されていたという事実を叩きつけられたとき。
説明し難いが、なんだか空っぽになった。
造物主に命令を与えられていたというのに、自分がどうして動いているのか分からなくなった。
よく分からないが、とにかくすべてがどうでもよくなった。
あれはいったい、なんだったのだろうか。
そして――
もしも才賀勝の名前が、放送で呼ばれたのなら。
そのときには、どうなってしまうのだろう。
想像しかけて、コロンビーヌはやめた。
そう簡単に、あの少年が死ぬはずがないのだから。
この楽観的な思考は、放送前の佐野のものと似通っているのだが――コロンビーヌは気付かなかった。
アル・ボーエンは、放送によりもたらされた情報を脳内で処理する。
脱落者十六名のなかには、巴武士も含まれている。
彼のARMS『白兎(ホワイトラビット)』は、全ARMS中最速の性能を誇る。
そんな彼が、もう息を引き取ったという。
証拠はない。
死体は確認しておらず、死因すら明かされていない。
ただ、死んだという情報だけを叩きつけられただけだ。
脱落者十六名のなかには、巴武士も含まれている。
彼のARMS『白兎(ホワイトラビット)』は、全ARMS中最速の性能を誇る。
そんな彼が、もう息を引き取ったという。
証拠はない。
死体は確認しておらず、死因すら明かされていない。
ただ、死んだという情報だけを叩きつけられただけだ。
――はたして、信じられるのだろうか。
(……バカバカしい。
ヤツが嘘を吐く必要がどこにある。
高槻の暴走を狙うのなら、最初ので十分だ)
ヤツが嘘を吐く必要がどこにある。
高槻の暴走を狙うのなら、最初ので十分だ)
浮かびかけた希望的な考えを、アルは自ら切り捨てる。
高槻のように、武士のARMSが復活していたとも限らない。
それならばただ場馴れした高校生にすぎない。
もしARMSが復活していたとしても、この場には恐るべき参加者が存在するのだ。
死んでいないなどと思い込むのは、ただの逃げでしかない。
そう判断して顔を上げてみると、アルの視界に呆然としているレイラの姿が映った。
今世紀最高の頭脳を使わずとも、その理由はすぐに分かった。
レイラの仲間であるナゾナゾ博士の名も、先の放送で呼ばれたのだ。
だが輪廻の副作用により、現在のレイラは――
高槻のように、武士のARMSが復活していたとも限らない。
それならばただ場馴れした高校生にすぎない。
もしARMSが復活していたとしても、この場には恐るべき参加者が存在するのだ。
死んでいないなどと思い込むのは、ただの逃げでしかない。
そう判断して顔を上げてみると、アルの視界に呆然としているレイラの姿が映った。
今世紀最高の頭脳を使わずとも、その理由はすぐに分かった。
レイラの仲間であるナゾナゾ博士の名も、先の放送で呼ばれたのだ。
だが輪廻の副作用により、現在のレイラは――
「やはり、覚えていない……のか?」
ナゾナゾ博士が仲間であるとは、名簿に記されていた。
しかし、彼がどういう人物であったのかについての記憶が消えている。
しかし、彼がどういう人物であったのかについての記憶が消えている。
「……そうね」
少し間を置いて、レイラは首肯した。
誰だか知らない仲間であったらしい人物。
その死にどう反応すべきか、自分でも判断しかねているようだ
困惑した様子のレイラに、アルは一つ提案する。
誰だか知らない仲間であったらしい人物。
その死にどう反応すべきか、自分でも判断しかねているようだ
困惑した様子のレイラに、アルは一つ提案する。
「別に、それを破壊してしまっても構わないんだぞ」
アルが指差したのは、レイラの腕にはまった輪廻である。
それを破壊すれば、副作用は一気に回復するのだという。
本来の年齢に戻ってしまう代わりに、仲間の思い出を取り戻せるのだ。
子どもに戻ってしまえば、レイラの魔術はかなり弱体化する。
このプログラムの打破を目指すアルにとって、戦力の低下は手痛い。
しかし仲間の死を悲しむことさえできないレイラの姿が、アルには気に入らなかったのである。
そんな思いから紡がれたアルの提案だったが、レイラは首を横に振った。
それを破壊すれば、副作用は一気に回復するのだという。
本来の年齢に戻ってしまう代わりに、仲間の思い出を取り戻せるのだ。
子どもに戻ってしまえば、レイラの魔術はかなり弱体化する。
このプログラムの打破を目指すアルにとって、戦力の低下は手痛い。
しかし仲間の死を悲しむことさえできないレイラの姿が、アルには気に入らなかったのである。
そんな思いから紡がれたアルの提案だったが、レイラは首を横に振った。
「いいえ、このままでいいわ」
「だが覚えていない仲間のために、そこまでしなくても――」
「いいの」
「だが覚えていない仲間のために、そこまでしなくても――」
「いいの」
説得しようとするアルの声を、レイラが遮る。
「元から仲間だった四人の人たちは覚えてなくても、アルたちのことは覚えてるから。大丈夫」
言い切って、レイラが微笑む。
その笑顔をなぜだか直視できず、アルは視線を逸らす。
レイラは不思議そうに首を傾げながら、表情を覗き込んでくる。
慌ててそちらからも顔を背けて、アルは声を張り上げる。
その笑顔をなぜだか直視できず、アルは視線を逸らす。
レイラは不思議そうに首を傾げながら、表情を覗き込んでくる。
慌ててそちらからも顔を背けて、アルは声を張り上げる。
「ええいっ、別に外さないなら外さないで好きにすればいいさ!
だから、いちいちこっちに来るんじゃないっ! いったいなんなんだっ!」
だから、いちいちこっちに来るんじゃないっ! いったいなんなんだっ!」
さらに困惑するレイラになにも言わず、アルはコロンビーヌと佐野に向き直る。
放送が終わったことだし、移動を再開しよう。
死者が多数出たことはショックだが、落ち込んでいる暇はない。
軽トラックがあるので、移動もだいぶ楽になった。
この今世紀最高の頭脳の持ち主アル・ボーエンに、運転は任せておけばいい。
そう、言おうとした。
放送が終わったことだし、移動を再開しよう。
死者が多数出たことはショックだが、落ち込んでいる暇はない。
軽トラックがあるので、移動もだいぶ楽になった。
この今世紀最高の頭脳の持ち主アル・ボーエンに、運転は任せておけばいい。
そう、言おうとした。
言おうとして――息を呑んだ。
「…………ッ!?」
足音が近付いてきているのだ。
それも、足音を隠そうとすらしていない。
単に隠せていないのではなく、存在をアピールするかのようにあえて響かせている。
コロンビーヌと佐野はすでに気付いていたらしく、足音のほうを見据えていた。
二人に遅れてそちらに振り返ると、アルの全身から冷や汗が溢れ出す。
接近してきているのは、足音だけではなかった。
痛いほどの威圧感が、全身に突き刺さってくる。
このプレッシャーの持ち主を、アルは知っていた。
それも、足音を隠そうとすらしていない。
単に隠せていないのではなく、存在をアピールするかのようにあえて響かせている。
コロンビーヌと佐野はすでに気付いていたらしく、足音のほうを見据えていた。
二人に遅れてそちらに振り返ると、アルの全身から冷や汗が溢れ出す。
接近してきているのは、足音だけではなかった。
痛いほどの威圧感が、全身に突き刺さってくる。
このプレッシャーの持ち主を、アルは知っていた。
「ようやく参加者に遭遇したと思えば……ふん」
接近者の姿が、ついにアルの視界に入る。
ツバの短い軍帽。
その下には、精悍な顔。
ゆったりとした軍用ロングコート。
それを纏っていても分かるほどに、鍛え抜かれた巨躯。
人違いであって欲しかったが、どうやらそうはいかないらしい。
ツバの短い軍帽。
その下には、精悍な顔。
ゆったりとした軍用ロングコート。
それを纏っていても分かるほどに、鍛え抜かれた巨躯。
人違いであって欲しかったが、どうやらそうはいかないらしい。
「『チャペルの子ども』、アル・ボーエン。
『布を鉄に変える』だけの貧弱な能力者、佐野清一郎。
そして貴様、は……なるほど。魔道具・輪廻を使ったか、『魔物の子』のレイラ」
『布を鉄に変える』だけの貧弱な能力者、佐野清一郎。
そして貴様、は……なるほど。魔道具・輪廻を使ったか、『魔物の子』のレイラ」
キース・シリーズの次兄。
闘争に生きて闘争に死んだ、戦闘生命。
アドバンストARMS『帽子屋(マッドハッター)』の適正者。
自身の作り出した屍の山の上で息絶えたはずの『戦いの神』。
闘争に生きて闘争に死んだ、戦闘生命。
アドバンストARMS『帽子屋(マッドハッター)』の適正者。
自身の作り出した屍の山の上で息絶えたはずの『戦いの神』。
「とんだ脆弱な輩ばかりと行き会ったものだ」
――キース・シルバーが口角を吊り上げ、公園を見下ろしていた。
(まずいッ!!)
今世紀最高の頭脳が、激しく乱れる。
アルがこの殺し合いの舞台で名簿を確認した際、とある二つの名前に『こいつにだけは出会ってはならない』と判断を下していた。
アルがこの殺し合いの舞台で名簿を確認した際、とある二つの名前に『こいつにだけは出会ってはならない』と判断を下していた。
その二人とは、すなわち――
『マッドハッター』のキース・シルバー。
『チェシャ猫(キャット)』のキース・グリーン。
『マッドハッター』のキース・シルバー。
『チェシャ猫(キャット)』のキース・グリーン。
彼らはほぼ間違いなく殺し合いに乗り、かつ参加者中トップクラスの戦闘能力を有する。
そう認識していた。
にもかかわらず、その片割れにそうそうに出会ってしまった。
せめて――ARMS殺しを持つ二人と合流してからならば、まだ対処のしようもあっただろうが。
そう認識していた。
にもかかわらず、その片割れにそうそうに出会ってしまった。
せめて――ARMS殺しを持つ二人と合流してからならば、まだ対処のしようもあっただろうが。
「ねえアナタ、アルの言っていたキース・シルバーよねェ?」
アルの焦りに、気付いているのかいないのか。
一歩前に出て、コロンビーヌがシルバーに話しかける。
そのおどけたような口調とは裏腹に、ひどく剣呑な雰囲気を漂わせている。
一歩前に出て、コロンビーヌがシルバーに話しかける。
そのおどけたような口調とは裏腹に、ひどく剣呑な雰囲気を漂わせている。
「ああ」
シルバーの短い返事を待ってから、コロンビーヌは二つ目の疑問を浴びせる。
「さっき脆弱な輩って言ってたけどォ……一人忘れてるんじゃないかしらン?」
その通りだ。
コロンビーヌだけが、なにも言われていないのだ。
心眼にてシルバーの心を読んでいたアルには、その理由は分かっている。
分かっているからこそ、それについて尋ねて欲しくはなかった。
答えを聞いたコロンビーヌが、どういう反応をするのか――分かり切っていたからだ。
そんなアルの思いを尊重するはずもなく、シルバーはなんでもないことのように言い放つ。
コロンビーヌだけが、なにも言われていないのだ。
心眼にてシルバーの心を読んでいたアルには、その理由は分かっている。
分かっているからこそ、それについて尋ねて欲しくはなかった。
答えを聞いたコロンビーヌが、どういう反応をするのか――分かり切っていたからだ。
そんなアルの思いを尊重するはずもなく、シルバーはなんでもないことのように言い放つ。
「貴様ら自動人形も、その宿敵たるしろがねも、俺は敵として認識していない」
眉根を寄せるコロンビーヌを意に介さず、シルバーは続ける。
「他者の意図に縛られるだけの存在に、なんの意思がある。
存在を規定するのは、自分自身の意思だ。自らの意思なき存在に価値はない。
たとえ思考回路を有していようと、どう生きて死ぬかすら決められぬ貴様らは――ただの繰り人形にすぎない」
存在を規定するのは、自分自身の意思だ。自らの意思なき存在に価値はない。
たとえ思考回路を有していようと、どう生きて死ぬかすら決められぬ貴様らは――ただの繰り人形にすぎない」
口と目を開いたまま、コロンビーヌは硬直する。
その間に、アルは三人にテレパシーを飛ばす。
その間に、アルは三人にテレパシーを飛ばす。
『おい佐野! 軽トラックの入った蔵王をよこせ! 逃げるぞっ!』
それに対して、仲間たちがどういう反応をするのか。
返事を待たずとも、アルには分かってしまう。
そして、予想通りの答えが返ってくるのだった。
返事を待たずとも、アルには分かってしまう。
そして、予想通りの答えが返ってくるのだった。
「イヤや」
「イヤよ」
「イヤよ」
繰り人形扱いされたコロンビーヌだけではない。
佐野だって、親友である犬丸から授かった能力を嘲笑われたのだ。
そんな相手に対し背中を見せて逃げるなど、とても認められるはずがなかった。
佐野だって、親友である犬丸から授かった能力を嘲笑われたのだ。
そんな相手に対し背中を見せて逃げるなど、とても認められるはずがなかった。
「……どうするの、アル?」
戸惑っている様子のレイラだったが、こうなってしまえば取れる手段は一つしかない。
レイラの魔本を手に、アルは自身を鼓舞するように叫ぶ。
レイラの魔本を手に、アルは自身を鼓舞するように叫ぶ。
「決まってるだろう! さっきも言ったように、僕は決して友達を見捨てないっ!!」
到底、勝てるとは思えない。
本気にさせてしまえば、もう終わりだ。
だから完全体にならないうちに、どうにか隙を作って逃亡する。
しかしテレパシーにてその計画を伝えたのは、レイラだけである。
佐野とコロンビーヌにそんな提案をしたらどうなるかなど、火を見るほど明らかなのだから。
本気にさせてしまえば、もう終わりだ。
だから完全体にならないうちに、どうにか隙を作って逃亡する。
しかしテレパシーにてその計画を伝えたのは、レイラだけである。
佐野とコロンビーヌにそんな提案をしたらどうなるかなど、火を見るほど明らかなのだから。
【E-2 公園/一日目 朝】
【アル・ボーエン】
[時間軸]:第四部「アリス」編終了以降。
[状態]:健康、心の力(小)
[装備]:レイラの魔本@金色のガッシュ!!、心眼@烈火の炎(自動人形の思考も読めます)
[道具]:基本支給品一式、通信鬼@GS美神、ノートパソコン@現実、USBメモリ@現実
[基本方針]:施設を巡り情報を集める。殺し合いに乗っている者は倒す。
※ルシオラの思考をある程度まで読んでいます。
[時間軸]:第四部「アリス」編終了以降。
[状態]:健康、心の力(小)
[装備]:レイラの魔本@金色のガッシュ!!、心眼@烈火の炎(自動人形の思考も読めます)
[道具]:基本支給品一式、通信鬼@GS美神、ノートパソコン@現実、USBメモリ@現実
[基本方針]:施設を巡り情報を集める。殺し合いに乗っている者は倒す。
※ルシオラの思考をある程度まで読んでいます。
【レイラ】
[時間軸]:魔本が燃え尽きた直後。
[状態]:大人化、ダメージ回復、心の力(小)
[装備]:輪廻@烈火の炎
[道具]:基本支給品一式、居合番長の風呂敷@金剛番長、通信鬼@GS美神
[基本方針]:仲間達を守る。殺し合いに乗っている者は倒す。
※輪廻で大人の姿となることで能力が上昇していますが、副作用で会場に来る以前の記憶が朧気になっています。
※ガッシュ達が仲間であることは理解しています。
[時間軸]:魔本が燃え尽きた直後。
[状態]:大人化、ダメージ回復、心の力(小)
[装備]:輪廻@烈火の炎
[道具]:基本支給品一式、居合番長の風呂敷@金剛番長、通信鬼@GS美神
[基本方針]:仲間達を守る。殺し合いに乗っている者は倒す。
※輪廻で大人の姿となることで能力が上昇していますが、副作用で会場に来る以前の記憶が朧気になっています。
※ガッシュ達が仲間であることは理解しています。
【佐野清一郎】
[時間軸]:ヒデヨシが仲間になってから、森の能力判明前。
[状態]:健康
[装備]:佐野の手ぬぐい@うえきの法則
[道具]:大量のてぬぐい@うえきの法則、軽トラック@現実、基本支給品一式
[基本方針]:仲間たちとともに脱出する。コロンビーヌと共にアルに同行する。
※佐野の手ぬぐいは支給品ではなく、最初から装備してました。
[時間軸]:ヒデヨシが仲間になってから、森の能力判明前。
[状態]:健康
[装備]:佐野の手ぬぐい@うえきの法則
[道具]:大量のてぬぐい@うえきの法則、軽トラック@現実、基本支給品一式
[基本方針]:仲間たちとともに脱出する。コロンビーヌと共にアルに同行する。
※佐野の手ぬぐいは支給品ではなく、最初から装備してました。
【コロンビーヌ】
[時間軸]:本編で活動停止後
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:ランダム支給品1~3(確認済み、装飾品ではない)、基本支給品一式
[基本方針]:さすらう。『生存目的』を見つけ出す。とりあえずアルに同行。
※アポリオンは使用可。制限されているかどうかは不明。
[時間軸]:本編で活動停止後
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:ランダム支給品1~3(確認済み、装飾品ではない)、基本支給品一式
[基本方針]:さすらう。『生存目的』を見つけ出す。とりあえずアルに同行。
※アポリオンは使用可。制限されているかどうかは不明。
【キース・シルバー】
[時間軸]:15巻NO.8『要塞~フォートレス~』にてオリジナルARMSたちがカリヨンタワーに乗り込む直前。
[状態]:健康、共振波を放出中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式
[基本方針]:戦闘生命として、闘争を求める。
[時間軸]:15巻NO.8『要塞~フォートレス~』にてオリジナルARMSたちがカリヨンタワーに乗り込む直前。
[状態]:健康、共振波を放出中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式
[基本方針]:戦闘生命として、闘争を求める。
【支給品紹介】
【大量の手ぬぐい@うえきの法則】
佐野清一郎に支給された。
植木耕助担当の神候補・淀川が、佐野清一郎に送ったもの。
山ほどの手ぬぐいが箱に収納されている。
佐野清一郎に支給された。
植木耕助担当の神候補・淀川が、佐野清一郎に送ったもの。
山ほどの手ぬぐいが箱に収納されている。
【軽トラック@現実】
佐野清一郎に支給された。
フツーのよくある軽トラック。略して軽トラ。
四輪モデルで、オートマ。
佐野清一郎に支給された。
フツーのよくある軽トラック。略して軽トラ。
四輪モデルで、オートマ。
【USBメモリ@現実】
佐野清一郎に支給された。
中身は未確認。
佐野清一郎に支給された。
中身は未確認。
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時系列順で読む
キャラを追って読む
062:天才アル・ボーエンの仲間達 | レイラ | 096:禁句 |
アル・ボーエン | ||
佐野清一郎 | ||
コロンビーヌ | ||
057:現在位置~Fly! You can be Free Bird~ | キース・シルバー |